セイと二人―1
今回更新分は短めです。
今週全話短いかもですが、なるべく更新は切らさないよう頑張ります。
お付き合い下されば幸いです。
「そんじゃ、またな」
俺はキヨムラ達に向かって、別れの挨拶をする所だった。
今からは、適当にセイとレベル上げになっかな。
「なぁ銀水晶」
「どうした?キヨムラ」
「フレンド申請を飛ばしてくれたって事は、また俺達とパーティ組んでくれたりするのか?」
「んあぁ。パーティに空きがあったり、タイミングが合えば、俺は誰とでも組むつもりだぜ?」
「そうか。……俺達から誘ってもいいか?」
「勿論。遠慮無くメッセージくれよな。
夜は結構固定組んでる事が多いから、ちっと厳しいかも知れねぇけど、昼間に居る時は多分暇してると思うぜ」
「わかった。それじゃあまたな!」
「おう。お疲れお疲れ」
「セイくん、銀水晶くん、まったねぇ!」
出ている声とは不釣り合いに、小さく手を振る6辛。
「うん。また」
「6辛もお疲れさん」
「また一緒に、お話出来る時を楽しみにしています」
「そうだな。お疲れだぜ、ユミル」
話すだけじゃなくて、遊ぶのも忘れずにな。
キヨムラ達が順番にログアウトしていく中、最後までその場に残っていたたかSinが、何か俺からの言葉を待ってそうな雰囲気だった。
「……メッセージ、送っておくよ」
「頼みました。それでは、ソウキさん」
それだけ言葉を交わすと、たかSinはニッコリと笑顔を見せてログアウトしていった。
残された俺とセイと、会話を楽しんでいる少しのプレイヤーとが、アトラリア砂道の安全エリアに居る。
「……さて、どうするセイ」
「強くなったから、強い奴と戦う」
やる気満々だなセイ。
「ここのヌシでも探しに行くか?さっきのボスよりは弱ぇけど、結構良い装備を落とすんだ」
ヌシとは、フィールドボスのヴォイドエッジアーミーの事だ。
「行く」
「決まりだな。行こうぜセイ」
「うん」
セイと共に安全エリアを抜け、俺達二人はヴォイドエッジアーミーと戦いに行く事となった。
……それからしばらく、俺とセイは道中のモンスターを狩りながら、ボスエリアを目指して[転移の渦]をしらみ潰しに探していく。
機械系モンスターの弱点属性である雷撃属性の武器、宝雷剣・バルサの威力は凄まじかった。
元々の低い攻撃力や物理耐性もある為、拳闘を錬成している時や、テュリオスのように一撃でとはいかないが、適当に振るっているだけで簡単にゴーレムやオートボットを倒せてしまう。
「その武器、これより強い」
「属性の相性があるからな。攻撃力だけ見れば、セイの武器の方が強い筈だぜ」
(こんだけ楽に狩れるなら、暇な時はここで錬成石を集めるだけってのも悪くねぇな)
「そっか。……なかなか着けないね。ボスの所」
「まぁ運も絡むしな。セイはレベル上げもあるし、ゆっくり行こうぜ」
「わかった」
俺は俺でここのモンスター達に用があるってのは、今は言わないでおこう。
と、思っていたのだが……。
「そういえばワギ」
「ん?」
「ボス戦で使ってた武器。あれは何?」
……ソッコーで思い出された。
そんじゃセイへと向けて、頭から説明していきますか。
……ユニーク職業の事から。
 




