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輝きのブレスレット

 

「おっ、あるな」


 ジュヴィスと遭遇する前、あの真っ暗だったプルトガリオ渓谷の光源となっていた輝虫[ブライトネスブルー]。


 素材アイテムとして分類されていたからもしかしたらと思い、こうしてアクセサリショップへと足を運んだ訳だ。


 そしてあった。輝虫[ブライトネスブルー]を素材とするアクセサリが。作成に必要な素材はバッチリだ。

 俺はお目当てのアクセサリを作成し、装備してスキルを見てみる。


【輝きの光[ブライトネスブルー]】

 明暗レベル3以下で発光し、周囲を照らし出す。


 お目当てだったアクセサリの名は、輝きのブレスレット[ブライトネスブルー]。

 手首部に装備出来るアクセサリだ。


 恐らくだけど、このテキストの表示の仕方から推測するに、素材にする輝虫の色によって発光色が変わるんじゃないかな。


 恐らく今回作成した輝きのブレスレットは、プルトガリオ渓谷でに居た輝虫が放っていたライト色な青色だと思う。色の名前も同じだしな。


 そんな手首用のアクセサリ、輝きのブレスレットには、光を放つだけの装備限定スキルが組み込まれていた。


 戦闘面では全く役に立たないが、プルトガリオ渓谷のような真っ暗なフィールドやダンジョンというのは、今後も登場してくる筈だ。

 作成しておいて損は無いだろう。


 スキルに記載されている、明暗レベルというのは読んで字の如く、そのフィールドやダンジョン、エリアがそれぞれ持つ、明るさの事を言う。


 俺はすっ飛ばしてたからこの辺りを知ったのはたった今だが、明暗レベルは1~7まであり、数字が高くなればなるほど明るいって事だ。


 ただ、この明暗レベルというのは内部ステータスの為、現在の明暗レベルが幾つなのかは知ることが出来ないらしい。


 これはプレイングマニュアルの、[フィールド]の下の方にちょろっとだけ書いてあった。そりゃ普通に見逃すよ。


 レベルによって明るさの度合いを区分されてはいるが、輝きのブレスレットは明るさ3以下の場所に行くと、それぞれ装備の名前に付いた色に自動で発光してくれるって事だな。


「何があったの?」


 そう尋ねながら、椿は俺の横に並び立った。


「プルトガリオ渓谷は、ボスと戦うまで暗かったろ?」


「そうね」


「フィールドのあちこちで、光っていた場所があったのは覚えてるか?」


「うん、あれを便りにフィールドを歩いていたもの」


「あの場所からアイテムが取れたんだよ。そのアイテムが素材アイテムってなってたから、もしかしてと思ってな。

 予想通り、暗い場所で発光するスキルを持ったアクセサリが作れたんだ。

 輝きのブレスレットって装備なんだけどな」


「……なるほど。何度かあの光に近付いて行っていたのは、そのブレスレットの作成に必要かも知れないと思ったアイテムを回収していた、という事か」


 作成ショップでは無い、ただのアクセサリショップのカウンターに居たテュリオスも、俺と椿の会話に混ざった。


「よく気付いたな。まぁそういう事だ。

 あんな風な真っ暗な所が今後も出る可能性はあるだろうから、コットが合流したら皆で獲りに行って、アクセサリを作っておこうぜ。

 テュリオスとコットは問題ないだろうが、もうひとつ、作成に必要な素材としてゴーレムの落とす鉄塊が三つ要る。

 コットがインする前に、今から椿の分の鉄塊を回収しに行こう」


「了解だ」


「……どうもありがとう」


 チュートリアル期間の時もそうだったが、椿は礼を言う時に少し歯切れが悪くなる。

 ……照れ屋か?照れ屋なのか?


「ついでにレベルも少し上がるかもだしな。行こうぜ」


 輝きのブレスレットの作成に必要な鉄塊を集める為、俺達はアトラリア砂道へと出る事とした。



「……これで三個ね」


 アトラリア砂道でゴーレムに狙いを絞って戦闘すること数回。

 リザルト画面を眺めながら、椿は淡々と鉄塊が三つ集まった事を告げた。


「よし。割とすぐ集まってくれたな」


『ログインしたけど、何の用だ?』


 アスティからメッセージだ。どうやら俺のメッセージに目を通したみてぇだな。


「ちょっとメッセージ送るから、適当に待っててくれ」


 俺は二人へと断りを入れてから、アスティのメッセージを返信する。


『ワタルは居るか?』


『今一緒に居るぜ』


『なら、一緒にアトラリア砂道まで来てくれるか?』


『わかった』


「悪い、二人とも。ちょっと今から対人戦(PvP)やるから、適当に狩りでもしててくれ」


「唐突だな。もう相手が来るのか?」


「いや、それとは別件だ」


「私は少し慣らしたいし、あまり離れないようにしてその辺のモンスターと戦ってるわ」


「俺も行こう」


 椿とテュリオスは、二人で周辺のモンスターを狩りに向かった。

 ……あの二人、地味に仲良くないか?


 俺はひとまず安全エリアまで場所を移し、アスティとワタルの二人を待つ。

 安全エリアへと入ってすぐ、二人はバリトンから出てきた。


「全く、何の用だっての!」


「こんにちは」


 二人は俺の姿を見掛けるなり、それぞれ全く毛色の異なる挨拶をしてきた。


「よぅ。アスティ、ワタル。今日はお前達と一人ずつ対人戦(PvP)でもしようと思ってな」


「なんだってそんな……」


 俺はアスティの言葉を止めるように、ゆっくりと掌を差し出した。


「まぁ聞いてくれ。アスティ、お前は『in world』のプレイヤーだな?」


「そうだけど……」


 やっぱりな。あの戦い方は十中八九『in world』のものだ。


「まずは、実戦と実践を重ねながらやっていこう。とりあえず剣を抜け、アスティ」


「お、おぅ」


 訳も分からずといった戸惑いの声を上げつつも、アスティは腰元に提げられた鞘から、細身の長剣(サーベル)を抜き払った。


 鞘を握った右手を目線の高さまで引き上げ、肩の少し後ろの位置まで来るように肘を引き、長剣(サーベル)の剣先を俺へと向けた。


 文句無しに、『inworld』での刺突攻撃重視の構えである、スティンガーの型だ。

 その姿勢を取り、アスティは戦闘態勢に入っていた。






【結晶士】ソウキ:レベル14


 所持スキルポイント:19


 武器:チュートリアルリッパー+9


 頭:無し

 胴:赤竜鱗の胸当て

 腕:赤竜鱗の籠手

 脚:赤竜鱗のグリーヴ


 アウター:アトラリアの法衣

 インナー:無し

 パンツ:無し

 マント:無し


 首:機械神使の首飾り

 右手首:英雄のバングル

 左手首:輝きのブレスレット[ブライトネスブルー]

 リング:マニュアリング


 所持スキル:


【錬成の心得:Ⅰ】

 錬成した武器の耐久力を上げる。

 錬成武器を装備している間、僅かに攻撃力が上昇する。


【錬成の心得:技】

 錬成した武器の耐久力が僅かに上昇する。

 一度の錬成でカウントされる錬成回数が2に増える。


【強化錬成術:Ⅰ】

 複数の錬成石(オークラント)を使用して錬成した武器の攻撃力を大幅に上昇させる錬成が可能になる。

 この効果によって錬成された武器の耐久力は大幅に減少する。


【拳闘武器錬成】

 拳闘(ナックル)が錬成可能になる。


【マルチウェポン】

 錬成武器専用の特殊ショートカットが使用可能になる。


【デュアル・エッジ】

 同じ錬成石(オークラント)を2つ消費する事で、同一の片手用武器種を同時に両手へと錬成する事が可能となる。


 装備限定スキル:


【女神の息吹】

 装備している者のHPを、10秒毎に5%回復する。


【機械神使の鼓動】

 2秒間に1度、装備者の最大HPの1.4%を回復する。


【力の源】

 与ダメージが3%上昇する。


【輝きの光[ブライトネスブルー]】

 明暗レベル3以下で発光し、周囲を照らし出す。


【闘竜の怒り】

 被ダメージを15%軽減する。

 竜族、竜人族に対する与ダメージを15%増加、被ダメージを20%軽減する。


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