異世界魔王はエン・ルに降り立つ 1
突然、小説を書きたい。
だけではなく、続けていきたい、見てもらいたい、作りたい。
そう思って、最近ずっと考えていた物語を書かせていただきました。
更新はまったりゆっくりになりますが、たまに見てくださるとありがたいです。
タイトルがネタバレ
その日、エン・ルの空は晴れていた。
眩しい光が空島に注がれ、植物は喜び、背を伸ばす……そんな、いつも通りの日だった。
魔王の転生が近付く日々に、異世界の魔王を名乗るあの人が来るまでは……。
俺は、何故ここに……こんな場所にいるのだろうか。
気付けば草原……地上、痛いぐらいに強い光が注がれている。
アレが俺を移動させたのか?いや、そんな魔力も、それをしようとした形跡すらない。
それに俺も、奴も見ていた。俺の足元が不自然に割れ、俺が吸い込まれるように落ちて行ったのを……。
とりあえず、影が欲しい。眩しい上に、光が強い。ここはどこぞの山の上なのか?
いや、もっと疑問に思う事がある……
「この世界は、どこだ」
そう、俺の居た世界ではない。本当にどこだここ。
魔力は感じるが、現代の地球かと思うぐらい薄い、なのに自然が豊かすぎる。平和そのものだ。
まあ、異世界ならありえるのか……?
そんなこんなで、草原を歩き始めていた。
僅かに人、そして何かの生物の痕跡がある。いずれは何かに出会えるだろう。
気配を探りつつ歩いて数時間、強い光にうんざりしていれば、突然影が落ちる。気配もある。
上を見上げれば、現代の地球では幻、いないと思われるドラゴンがいた。
人に慣れていて、凶暴で無ければなんでもいい。
「知らない人だー!まっくろな服で、暑くない!?どうしたの、おじさん迷子!?」
そのドラゴンは、発声しつつ俺の目の前に降り立ち、観察するようにじろじろと見てくる。
「いや誰がおじさんだ」
「おじさんはおじさんでしょ?お兄さんって言うほど若くなさそう!」
そうか……今の俺はおじさんと言われる年齢に見えるのか……こちとら嫌になるぐらいお前よりも生きている。と言いたくなるが堪える。
すると、もう一つ感じていた気配が、ドラゴンの背中から滑り降りる。
「知らない人に突然おじさんは駄目だよ、ルゥ。ところでおじさん、見ない顔だね」
どうしてくれようかな、この子供二人。
異世界から来た。と正直に言ってみたが、予想通りの反応……一人と一竜はキョトンとした顔で首を傾げつつ、こちらを見ている。
さてどうしたものかと思っていれば、とりあえず村に来ないかと誘われた。
いいのかお前、平和そうとは言え謎の人物だと。俺だったら警戒するぞ。……その対象が俺になるんだが……。
「まあ、困ったときはお互い様、だっけ?そんな事を言うんでしょ?長生きのドラゴンがいるから、その人なら何か知っているかもしれないし!」
「そうだよおじさん、僕のおじいちゃんなんでも知ってるよ!」
「……ありがたい」
ありがたいが、おじさん呼びは何故だか傷つくから止めてくれと言って、名乗ったはずなんだがな。
大事な事なのでもう一度言おう、名乗りました。
「ほら何してるのおじさん、ルゥの後ろに乗りなよ」
「ちゃんとネルにしがみついてね!」
もういいや、恩人だし大目に見てやろう。
しかし、もう一度だけ言わせてもらおう。
「さっきも言ったがおじさんはやめろ。そして俺は……」
――サタンだ――
皆さんが思う魔王とはかなり違うと思いますが、まあフィクションですので大目に見てください。
タグは、とりあえず今後の展開も踏まえて載せていますが、ハッピーかバッドかは載せません。
指摘ありましたら、お願いします。