エンド様の正体3
「さて…どう説明すればいいのやら……」
ジークグリアスが起こした騒動は、私があいつをぶっ飛ばしたからいいとして…私は本来の姿をほぼ全校生徒に見せてしまった、教師陣にもだ。私としてはこの生活は続けていたいんだがな…いい友人もできたし、手放したくない…。
「うわ?!な、ナルシア!離れないか!」
「嫌ですわ!聞きたいこと沢山ありますもの!」
「そう抱き着かなくてもいいじゃないか、はしたないぞ!?」
「そんなのは知りませんわ!」
「貴族令嬢の自覚はないのか?!」
どうこの学校に残ろうか考えている間にナルシアが教師が抑えを振り切り私に抱き着いてきた…いつもの感覚で抱き着くな、今はエンド、じゃなくて魔王エルドなんだぞ…??アシュレイとレヴィも私に近寄ってくる、もう教師が諦める勢いで。おい、それでも教師か生徒の身に何かあったらどうするんだ。
「アシュレイとレヴィまで…ほいほいと近づくものじゃないぞ」
「なんで友達に近づいちゃいけないんだ??」
「そうだよ、いつもこんな感じじゃないか、今更だよエンドちゃん」
「今はエルドだ…。はぁ、教師たちと話をしなければならないから、またあとでな。」
「私たちを優先してください!!」
いや、割と重要な話だから…寄付して知恵を貸そうと持ち掛けて残らせてもらえるように圧をかける方法が思いついたんだ、学校長を頷かせた後にでも…。はぁ~、私達に先に話せって顔だ…これは何を言っても駄目だな…。
三人を連れて学校の応接室で三人と教師達に私が人間界に来た理由を詳しく話した。そしてこれからどうしたいのかも…。
私は三つの誓いを立て勇者育成学校に残ることを許可された。金と圧。
『生徒に危害を加えない。』
『私が学校にいる間は学校に危機が訪れた時に手を貸す。』
『私の指導の仕方で勇者達の育成をする。』
どの種族でも破ることのできない誓いを立てた、教師達は手練れだ私に悪意がないのは分っていたようで、結構すんなりと事が進んだ。なんなら国の許可も下りたぞ。貴族たちの中では反対するものもいるが…まぁそれは私の態度次第で変わるだろう。
エンド・シュバイア→暇人魔王のエルド様が人間の少女に化けた姿。
エルド・シュバルツァー・ルドベウト→エンドの本来の姿。
ナルシア・メレヴィス→魔王エルドの初友(人間の)、お淑やかでか弱い乙女のような容姿をしているがかなりお転婆
アシュレイ・ザクフィスト→魔王エルドと侯爵令嬢ナルシアの友人。頭のいいお馬鹿、まるで犬。
レヴィエール・ロンソン→魔王エルドと侯爵令嬢ナルシアと伯爵子息アシュレイの友人。外見詐欺。
ジークグリアス・バゼッツ→魔王エルドの部下。勇者育成学校に攻撃を仕掛けようとしたが魔王エルドに怒られ始末書千枚かくことに。