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12.1 おまけ話 A子

おまけの話です。本文のストーリーには関係ありません。

 匿名の桜沢大学1年生です。とりあえずA子と呼んでください。

 私は桜沢南高校で生徒会長を務めていて、自分で言うのも何ですが、才色兼備の優等生です。

 勉強一筋で、男女交際なんて言語道断です。

 そんな私ですが、淡い恋心を持っています。

 相手は、同級生の高橋圭吾君です。


 高校3年生、6月に行われた文化祭の時でした。

 文化祭の成功は、私達生徒会の最大の使命です。受験勉強に忙しいのですが、手を抜くことは出来ません。

 高橋君は、役員でも準備委員でも有りませんでしたが、台風で壊れてしまった入場ゲートの修理を手伝ってくれた時知り合いました。

 文化祭の1週間前に来た台風が、完成していた入場ゲートを吹き飛ばしてしまったのです。それ以外にも屋外展示物関係で準備していた物が、殆ど使い物にならなくなってしまいました。

 残りの期間で全ての復旧は無理だと判断し、入場ゲートは諦めました。

 生徒会としては、苦渋の決断だったのです。

 その時に、入場ゲートの復旧に名乗りを上げてくれる人達が居ました。

 陸上部の3年生たちです。壊れる前のクオリティは無理だがそれなりに頑張ってくれると言って来たのです。

 高橋君は、朝早くから来て作業してくれました。彼の働く姿は人一倍元気で、見ているだけで楽しくなってしまいます。

 何とか間に合い、無事に学園祭を迎える事が出来ました。

 私は、高橋君を好きになっていました。

 


 大学に入って、高橋君との仲を模索していた時、チャンスが巡って来ました。

 法学部の知人が、コンパを持ちかけて来たのです。何とか高橋君をメンバーに入たいと思いました。

 直接誘えない私は、交渉役に岩崎菜々美さんをお願いしました。女の私でも嫉妬してしまうほど綺麗です。モデルの仕事をしているので、男女交際はNGと言っていました。高橋君を誘って頂くのに最適です。


 岩崎さんをもってしても高橋君を誘い出すことに失敗しました。男子達はとても盛り上がっていましたが、意味の無いコンパになってしまいました。



 何だか最近雲行きが怪しいです。

 高橋君と岩崎さんが付き合っていると耳にしました。

 直接見た訳では有りませんが、一緒にランチや、一緒に帰っているらしいのです。


 高校の同級生だった赤坂君から、情報を得ました。

「高橋君に問い質した所、付き合っていない」 と聞いてホッとしました。



 赤坂君から衝撃的な写真を見せられました。

 高橋君と岩崎さんがデートしている写真です。

 スカイツリーらしいのですが、女子高生に交じって高橋君達が楽しげに映っていました。

 岩崎さんは魅力全開に着飾っています。女性の私ですら見とれてしまうほどセクシーで美しいです。胸を強調した服や、超ミニは高橋君の好みでしょうか。私では、好きな人の頼みでも恥ずかしくて無理な格好です。それが出来ているのですから、2人の仲がただならぬ関係だってわかります。

 あの真面目な岩崎さんが、その気も無い男に、女を意識させる格好をするとは思えません。

 もし二人を出合わせたのが私だとしたら、人生で最大の失敗です。悔やんでも悔み切れませんが、2人の幸せを願うしか無いようです。


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