こんにちは、作業所さん
「…………あれぇ?」
三度目の退院当日、櫛田はとある施設の玄関口である人と待ち合わせをしていました。
そう、精神病患者のアフターケアに協力してくださる『保健士』さんと!
その人と今いる施設の見学にとお邪魔する予定が時間になっても来ずɿ(。・ɜ・)ɾⓌⓗⓨ?
「場所間違えた……?」
いやいや、オカンとも下見したんやし、看板も古い木の板だけだけどちゃんと施設名もあるから間違いはない。
じゃあ、予定が入ってずれたのかなと櫛田は日々の投薬でぼんやりしがちな頭でそんなことを考えてた。
「……施設の職員さんに聞いて待たせてもらうか?」
退院手続きは病院に帰ってするだけなので、時間は少しはある。
なら、見学はすぐじゃなくてもいいから待たせてもらうかと玄関をくぐった。
「すいませーん。今日見学予定の櫛田ですが……」
「はーい。……あら、1人?」
少々ふくよかなおっとりしてそうで、指導は厳しそうな女性が出て来られました。
「えーっと……保健士さんとここで待ち合わせの予定だったんですが」
「そうなの? まあ、中に入って。靴は名札のとこ以外ならどこでもいいから」
「はい」
懐かし小学生とかの昇降口を思い出す下駄箱に靴を入れ、スリッパを適当に履かせてもらって事務所に入れてもらいました。
「すぐ近くだけど、連絡しておくわね」
「はい」
ええ、目と鼻の先なのに不思議だったんだよね。
徒歩3分圏内プクク(。-∀-)
待つこと数分。
保健士さん何故かすぐ来たよ!
「こころちゃん、なんでこっちなの⁉︎」
と慌ててた。
あれぇ? と言うことは、櫛田が待ち合わせ場所間違えた?
本当は保健士さんの勤めてる保健センターの予定だったそうですバカチン...¢(-∀-○
まあ、何はともあれ見学ですね。
「事務所横の部屋では外注って、外から受けた仕事でもゴミ袋の袋詰めがほとんどなの」
高齢者近い人達が机の上に袋を乗せてて、数枚を少し大きめの袋に入れてましたね。部屋の脇ではおじさん1人がそのビニールで口を閉じる作業をされてたよ。
皆さん無言で終始作業に没頭してました。
「次は2階ね」
2階は半分が畳で、こっちも外注の作業がバイク部品のパーツ合わせやフリーメールの準備、あと細長い青いビニール袋をまとめたりと色んな外注作業があったよ。
こっちはたまーに喋ってる人いたねー。
「こっちの机では布製品。編み物も布製品になるけど」
「編み物!」
何を隠そう、櫛田は編み物大好きです!
そこまで凝ったものはせいぜいベスト止まりだけど。
「編み物ならそこそこ出来ます!」
「本当? 今出来る人来てないから助かるわ」
布製品作ってる人の後ろの棚には色々毛糸があったよ。ほとんどアクリル。
つまり、今回の入院中にいそいそと編んでたたわしスキルが役に立つ!(`✧ω✧´)キュピーン!
「あと、あっちでは革製品作ってるの」
「おお」
どんかんどんかんうるさい音は、木槌で皮に模様を打ち付けてる音だったらしい。
初入院でも作業療法にあったなぁ……あん時はてんで薬合わなかったからダメダメモードになってて作る気起きなかったけど、いつかやりたい。
(そして、それは現在も叶わず( ̄^ ̄゜))
「それと、一番奥では木工をやっているわ。下にまな板やらいっぱいあったでしょ? あれもここの人の作品よ」
ほうほう、中学にあった木工の成績は悪くなかったよ。
だけど、チェンソー的な工具見て即効やめようと決意!
万が一怪我したら洒落にならんし、基本男性だけらしいからよかった。
「作業については一通りこんなところだけど」
「ありがとうございました」
ここの就労支援施設は比較的就労日数に融通が効くらしく、もう一種類の施設よりは気楽に参加して言いそうな。
まあ、よっぽど落ちないと思うけど『審査』が一応必要らしい。(´-ω-)ウム
けど、特に心配することなく櫛田は体験を約一カ月、1日のうち半日を過ごしながらを繰り返してこうして作業所に来てますよ。
初日に櫛田が作り上げた作品は以下になります。