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「健太くんと美也ちゃん、今家出るって。
もう暗いし、2人で向かうみたい。」
「そか。」
2人が来る嬉しさも、もちろんあるんだけど
2人きりはもうおしまいか、と思うと少々残念だ。
だって、2人きりで出かける用事など
きっと今後ないだろうから。
「あ、・・・」
「ん?射的もやりてーの?」」
「あ、やりたいっていうか、あそこにあるネックレスがかわいいなって。」
「ふーん。」
おもむろに、春くんは射的のほうへと向かって、そのままお金を払おうとする。
「春くん、いいよっ」
「なんで?ほしいんだろ?」
「でも、さっきからずっとお金払ってもらってるし。」
「んじゃ、後で俺に綿あめおごって?」
「でも・・・」
綿あめ一個じゃ、とても代わりになんて・・・
「俺がやりたいからいいの。
女の子なんだから、素直に甘えときなさい。」
ぽんぽんと、頭に手を置いて
子供を諭すように言った。
3発1回のそれは、見事3発目で落ちた。
「はいよー、すごいねぇ。」
「射的は昔から得意なんだよね~」
「彼女も、よかったね!彼氏からのプレゼントッ」
「か、か、彼・・・っ」
「彼氏も、こんな可愛い彼女の前でキメれてよかったね。
おめっとさん。」
「ははは、まーね。」
「・・・っ」
顔が熱くてあげられない。
だって、例え冗談だとしても、嬉しすぎるんだもの。




