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「春くん、イカ焼き食べよう!あ、でもチョコバナナも捨てがたい・・・
あ、綿あめ!あ、たこ焼き!!」
「ちょ、ちょっと落ち着けって。以外に食いしん坊なんだな。」
「あ・・・」
つい、いつも通りになってしまった。
引いたかな?
食い意地が張ったやつだ、とか思っちゃったかな。
「ふふっ、そんな見るからに落ち込まなくても、引いてないよ。
いっぱい食べる子、俺好きだもん。」
俺、好きだもん。
俺好きだもん。
俺好き・・・
そういう意味じゃない、ってわかってても
ドキドキと胸が高鳴ってしまう。
「食べ物は逃げていかないからさ、
一個ずつ回ってこう?」
「うん!」
「んじゃ、まずはイカ焼きからだな。」
春くんは、本当に全部回ってくれた。
量が多いかな?と思いつつ、ぺろりと平らげてしまう。
春くんは小食なようで、ニコニコしながら私が食べるのを見ているから
気恥ずかしくて、開ける口もだんだんと小さくなってしまった。
その度に春くんは くふくふと笑って
「いつも通り食べなよ。」と言うもんだから
いつも大口で食べているのかと、自覚がなかった自分にまた真っ赤になって
ますます口を閉じてしまった。
「お、ヨーヨーつりじゃん。」
「懐かしい・・・小さい頃はよくやったなぁ。」
「妃、やりたい?」
「うん、やりたい。」
と、言ったはいいものの
一つもとることができないまま、終わってしまった。
「うう~~小さい頃から、できたことないんだよね。
いっつも、健太くんにとってもらってた。」
そう漏らすと、若干むっとした春くんが
お金を払って、一発で4つとってしまった。
「春くんすごい!!4つもとった人、初めてみた!!」
「これくらい、朝飯前よっ」
まだ紙は切れていないのに、隣の女の子に渡して
4つのヨーヨーを掲げた。
「ちょうど4つだし、あいつらにもあげるべ。」
「うんっそうだね。」
真っ赤なヨーヨーをもらって、パンパンとはじいた。




