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プロローグ
「…生徒代表、綾瀬妃。」
ドクドクと鳴る心臓。
緊張で震えていた手を、キュッと握りしめて
ステージから降りた。
自分の席に戻るとき、
幼馴染の健太くんと目が合う。
「お疲れ様。」
と口パク。
自然と頰が緩んで、私も口パクで
「ありがとう。」
と返した。
さっ、と視線を戻すと、
健太くんの横に居た子と目が合う。
澄んだ、瞳。
金に近い茶髪がフワフワと揺れていて、
私をジッと見つめていた。
なんだか視線をそらすことができなくて。
どれくらいの時間だろう。
式の間、私たちは視線をまじ合わせていた。
新しく連載始めてしまいました。
みなさまのお口に合うかわかりませんが、
精一杯書かせていただきます。
桜桃