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願いは呪いとともに  作者: 氷雲しょういち
第一章 戦い(バトル)と遊び(ゲーム)
6/21

第6話 さぁ、ゲームを始めよう

約一か月ぶりな第6話。戦闘描写など稚拙に感じますが、戦闘シーンのほうが乗って書けると感じる今日この頃です。では、どうぞ。

 楽しい楽しいゲームの時間

 君らにステージを与えよう

 僕が楽しむ、そのために


1-門中颯良

「で、さっきの話してくれよ」

 俺はそう聞いて耳を傾けた。後ろに置いて行った奴のことは考えないで。

 高田は軽くため息をついた後に「あのよ、」と口を開いた。

「俺たちはどうやって戦士の力を持った?」

「そりゃ、お前もモンスターと契約したからだろ?」

「まぁそれもあるが、それも契約のカードがなけりゃ、たぶん死んでたろ。俺ら」

「ああ……確かに」

「で、カードはお前はどう手に入れた?」

「えっと黒服の男がいた。そいつから渡されたんだ」

「やっぱお前もか」

 高田は赤信号で車を止めた。

「俺もそうだ。たぶん、この戦いは仕組まれてるんだろうよ」

「……それと、あるゲームでよ、あの世界と同じ世界でモンスターと戦うやつがあるんだよ」

「ほう」

「EndlessEndってんだ」

「ああ、聞いたことあるわぁ。なんだっけ、ヴァーチャルなんちゃら、」

「VRMMOな。まぁ確かに空想世界で本当に戦ってるみたいに感じられるようなもんなんだ」

「ふぅん。お前はやったことあんのか?」

「ああ。ちょっといろいろあって、その製作者か?ゲームの開発者の奴にも会っててよ。あいつもこの世界のことや戦士のことを調べてるらしい」

「ならそいつも一枚噛んでのか、面倒くせぇ」

「そいつ曰く、俺たちの味方なんだと」

 一瞬で一気に溜息を吐いてから、再び車を発進させた。

「話を戻そう。戦士の力の源とも言える変身道具をよこした男は何者だと思う?」

「……そいえば、知らねぇ」

 俺がそう言うと、答えを気にせず続けた。

「こないだよ、それっぽい奴を見かけたんだよ」

「黒服の?」

「いや、金色の戦士だった。ほら、こういうボスっぽい奴って、金色が多いだろ?」

「それは安直すぎるだろ。本人を見たり、確かめたりはしたのかよ?」

「いや、一瞬だったからよ。姿見えたの」

「ってことは、」

「勘だな。刑事としての勘。あと、声が近かった」

「……それは本当に信じたほうがいいのかよ?」

 俺は言いつつ、席に寄りかかる。高田は少し言葉を強くして言う。

「最低でも、あいつはヤベェと思ったぜ。それは本当にさ」

 俺はいまいち信用に、それ以上に説得力に欠ける話に盛大にため息をついた。

 そのまま遠くを見ていると、急に車は停められた。

「なんだよ、いったい」

 そう言葉を出そうとしたが、目の前の光景を見て、察した。一体のモンスターが現れたのだ。

 俺と高田は急いでそこへ行き、モンスターを蹴飛ばし、鏡の世界へ送り返した。

「んじゃ、やりますか」

「おぅ」

「「変身!」」

『青!青!青!All drink!!』『緑!緑!緑!Back the life!』

 そのまま、突撃して二人で分担して戦いを始める……と思ったのだが、

「おいっ、高田!なに休んでるんだよ!!」

「いいじゃないの。どうせ一体くらい、君だけで十分だろ?」

 ζナックルとαソードで何とか応戦しながら、見学でもするかのような高田を横目に拳をふるった。

「お前、覚えてろよ……」

 憎々しくそう呟きながらも、なんとか善戦し、勝つことができた。

 ふぅ、とため息をつき、さらに文句を言いに行こうとしたら、さらに三体ものモンスターが現れた。オレは反射で武器をふるうが、さすがに三体をいきなり裁くのは無理があったのか、徐々に傷を負った。

「痛っ!おいっ、高田!手伝えっての!」

 それを見ながら、あろうことか高田はハハハッ、と笑いやがった。

「テメェ……後で絶対ぶちのめす……!」

「いやぁ、ごめんごめん。さすがにきついよねっと」

 高田はいつの間にか召喚したらしいεアローで俺の動きを止めていたモンスターに一撃を見舞った。そこから駆け出し、γブラストを並行して使いながら距離を詰めていく。

 俺もそのあたりでようやく自由に戦えるようになり、二体を交互に攻撃していく。

 その合間にチラリと高田を見ると余裕そうに銃を撃ち放っていた。

「さぁさぁ、面倒だからさ、早く倒れてっての」

 言葉こそ酷かったが、力は確かだった。だが、俺の目を盗んで、一体のモンスターが高田に向かっていった。

 俺の言葉は間に合わず、そいつは高田に飛びついた。

「ぐっ、なんだよ、こいつ……!!」

 続けて前で撃たれていたモンスターも高田を襲いに行く。俺は自分の目の前の敵に一撃を放ち、間に合いそうになかった。

 高田は両足に力を入れて、言っていた。

「悪いけどよ、俺はまだ死ねないわけよ。だから、」

εアローを左手で持ち、ゆっくりと右手で前に弓を引いた。

「ここはお前が退いてくれ」

 言って放たれた矢は、高田の後ろにいたモンスターを撃墜し、右手を滑らせて取ったブラストでモンスターの中心にトドメを刺した。

「じゃあな」

 二体を一気に片付け、俺もなんとか倒した。

 そして息を吹く高田を見て、ズレを感じていた。さっき見た姿と、いつものゆったりな姿の、戦いへの熱のズレを。

 だから現実世界で俺は別れ際に聞いた。

「お前は、なんでそこまで必死になるんだよ?」

と。

 高田はきょとん、とした顔からゆっくりと年月を経た男の顔になり、いった。

「永遠を楽しみたいってのもいいだろ?」

と。

 俺はそのまま別れていった。


2ー高田啓

 警察は、それなりにいや主観的にはかなり忙しい。一杯のコーヒーを煽りながら、一息つく。

 俺は俺で、最低限の仕事をしながら戦士として戦っていた。それは仮に永遠の命が手に入れられても、仕事や人生が破綻していては意味がないからだ。

 そんなことを俺は考えながら、椅子から立ち上がった。耳に妙な音が響き、手元の鏡に紺色の戦士が映っていたからだ。

 仕事を一段落させた安堵の息の後に、ため息を漏らした。また戦うのか、と。

 仕方なくいつものように、後輩に手を振って部屋を出て行った。後輩の「お疲れ様です」という言葉を背に受けながら。

 そしてまた紺の奴と向かい合った。奴は言う。

「俺は、早く勝ち残らないといけないんだ」

「ほう。奇遇だね。俺もだよ」

 俺の戻るべき場所に戻るために、そこにずっといられるように戦う。

 煩雑に積まれた書類に、頼もしい仲間に想いを馳せて。


3-門中颯良

 俺と伸幸は一体、また一体と倒していった。自衛、防衛として戦っていた。ようやく戦闘に慣れていき、俺なりの戦闘スタイルができてきたように感じる。マークド・ブレイカーも巡るように装備し、今ではモンスターを平均で三体同時に相手取って勝てるほどになった。

 伸幸も順調に強くなっているようで、剣にはより強く力がかかっていたように思う。

「で、どう思うよ、高田の話は」

 俺は高田の話をそのまま、伸幸にも話してみた。まぁ、俺よりも長くいる奴だ。なにかしら知っているかも、というつもりだった。

「さぁ……オレは心当たりないなぁ。金色の戦士も知らない。けど、――金色の戦士とかかっけぇ!!」

 振り返った伸幸は、仮面越しに目が輝いているのを感じた。まぁ、そんな反応だろうとは思ったよ。

「とりあえず、そいつがどんな人でもオレのやることは変わらない。モンスターを倒しながら、強くなっていきたいだけだ」

 俺は呆れ半分、感心半分でため息をついた。そしてまた向かってくるモンスターを薙ぎ倒していく。

 そして、覚えのある剣戟の音が響いてきた。

「またあいつら……」

「颯良!」

「ま、そう言うわな。止めに行くか」

 俺たちはそこへ駆けつけ、二人の剣を止めようとした。だがそれは取り越し苦労だった。

 俺たちがそこへ辿り着いた時、そこには三人の戦士がいて。

 蓮桐も高田も、俺も伸幸も。全員の視線が彼に集まっていた。

 彼は言った。

「さぁ、ゲームを始めよう」

 金色の戦士は腕を広げながら、そう宣誓した。

金色の戦士ももちろん、ほかの戦士たちもうまく表現していきたいものです。

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