第九章終了時・登場人物紹介
スズカゼ・クレハ[涼風 暮葉](第三街領主・伯爵)
イトーに治療を受けてからサウズ王国に戻って以来、謎の卵を暖めるのが密かな楽しみになっている少女。
一見すればいつもと変わらないようだが、その実、彼女の周囲の者達は変化を感じ取っているようだ。
強さを求めることに取り憑かれたとでも言うべきか、ゼルですら迷い無く殺そうとした少女の思惑を計り知る物は居ない。
彼女が選んだ変化の道が正解か間違いか。二つに一つとも限らないこの状況。
少女の行く末は如何なる道か。それは本人ですら知る由はないだろう。
また、後の各国首脳会談では一切の説明を理解出来ておらず、ほぼオーバーヒート状態だったようだ。
現に言われた事にはいそうです応答状態で、会議時の記憶は殆ど残っていないらしい。
彼女らしいと言えば彼女らしいのだが、第三街領主としてこれはどうなのだろうか。
だが、間違いなくフレースの処分に関しては彼女自身の意思だっただろう。
余談だが、彼女は前から胸の小ささを気にしており、最近はそれに拍車が掛かっているらしい。
自身が密かに女色家の疑いを持たれている事に彼女は気付いていない。
ゼル・デビット(サウズ王国騎士団長・男爵)
スズカゼ相手に模擬戦を行い勝利するも、本人曰く「スズカゼが自分を殺しに来ていなければ負けていた」とのこと。
以前から言っているように、剣術の腕だけを見ればスズカゼには決して勝てないようだ。
しかし今回のように実際の戦闘ではその実力を上回っており、どうにか互いに無傷で模擬戦を終わらせることが出来た。
その後、彼はスズカゼと会議のためリドラ別荘に向かうも、海水浴では鮫に喰われ会議場では何が何だか解らぬ内に物事が進んでいき、結局は受け身の体勢しか取れなかった。
また、ジェイドとの話し合いでスズカゼの異質なまでの力への執着を敢えて放置することに決めたようだが、その事にも一抹の不安を感じているようだ。
リドラ・ハードマン(鑑定士・子爵)
トレア海沿いに別荘を持ち、今回の首脳会議の場を提供した人物。
決して自分から望んで勧めた訳ではないのだが、メイアが丁度良いだろうと選んでしまったことにより強制的に決定する。
その後の結果としては言うまでもなく散々で、修理には数百万ルグ掛かったんだとか。
サウズ王国からある程度の補助金は出る……、などと言う事もなく、全て彼の自腹である。
理由としては極秘裏の会議だったのでその痕跡を残さない為だとか。
流石にメイアのポケットマネーからある程度は出して貰えたが、補助金には遠く及ばず、彼の懐は寒くなるばかりである。
……何が言いたいかというと、結局の所、今回の被害者三傑の内、一人は間違いなく彼と言う事だ。
デイジー・シャルダ(王国騎士団・第三街領主護衛)
だいたいコイツのせい。
……と、冗談は置いておいて。
元々はスズカゼが死んだと勘違いしてゼル邸宅に突撃して来るも、彼女の姿を発見して化けて出たという結論に至る。
その後は見ての通りの顛末でバボックが尋ねて来た後もろくな事になっていない。
まぁ、その後の海水浴でスズカゼに怨み晴らしと言わんばかりの猛攻撃を受けるのだが、自業自得と言った所だろう。
紐の水着はその後、堅く封をされて彼女の荷物の中に眠ったんだとか。
因みに普段軽甲で胸を隠しているのは戦いに邪魔だから。
現代で言うサラシ的な物でしっかりと巻き付けてあり、その上から軽甲で押さえつけている。
因みに一度だけサラシを紛失したために薄布で代用したことがあり、訓練中に鎧が爆ぜ飛んだことがあったり。
サラと他女性騎士達のフォローによってどうにか危機を乗り越えることが出来たが、その後、彼女は毎日のそのセットに一時間近い時間を掛けているんだとか。
サラ・リリレント(王国騎士団・第三街領主護衛)
デイジーの保護者。これで大体合ってる。
今回の一件でも彼女のサポート役と言うかフォロー役に周り、色々と気苦労をしたようだ。
彼女曰くデイジーは「悪い子じゃ無いけど馬鹿な子」なんだとか。
今回の会議では待機一本だったが、海水浴が楽しかったのでそれで良いとのこと。
何かといって今回の一件を一番楽しんだのは彼女かも知れない。
ジェイド・ネイガー(獣人・闇月)
スズカゼの異変に気付くも、彼は放置を選択する。
自衛の力を付けさせるためとの事だが、本人は望ましく思っていないようだ。
それでも貴族パーティーで彼女を守れなかった事からも、自身に力が付くならば超したことはないという意味合いでそれを選択したのだろう。
自らが姫を、スズカゼを守ると選択した彼が犯してしまったミス。
そのミスが彼に苦渋の決断を行わせたのだ。
自らの信念を自らで裏切るという行為が如何ほどに彼を傷付けたかは、本人以外、知る由も無いだろう。
ハドリー・シャリア(獣人)
サラ曰く「美乳」。スズカゼ曰く「大き過ぎず小さ過ぎず。ベストサイズと美しい体型が美を奏でている」とのこと。
今回は大きな出所の無かった彼女だが、その分、平和に過ごせたことだろう。
だが、それは同時に平和以外を知らなかったという事でもある。
スズカゼを裏から支えると誓った彼女が裏に気付けない、否、気付くことが出来なかったというのは何とも皮肉な話だろう。
バルド・ローゼフォン(王城守護部隊長・武器召喚士)
メイアの側近として会議に同行。後にギルド統括長と接触する。
尤も、結局は当たり障りの無い会話をして終わったようだ。
バボック達、西の一団は特に問題無しとして看過したようだが、やはり疑い芽は捨てきっている様子はない。
だが、メイアウスに忠実な笑顔の仮面を被った男、バルド。
彼の表情を読み切るのは容易ではないだろう。
ファナ・パールズ(王城守護部隊副隊長・第三街領主護衛・魔術師)
彼女もハドリーと同じく目立った様子こそなかったが、それこそが普段通りと言う物だろう。
ファナは基本的に戦闘面専門なので戦いが無いときは大人しいのだ。
……まぁ、今回はまた胸が強調されて色々と酷い事になっていたようだが。
基本的に胸の大きさで言うと、デイジー>ファナ≧サラ>>>ハドリー>>>スズカゼなんだとか。
割とどうでも良い情報である。
メイアウス・サウズ・ベルフィゼア(サウズ王国女王・四天災者[魔創])
サウズ王国の長として首脳会議に出席し、無事に終了させる。
させるーーー……、とは言っても彼女が行ったのは場のセッティングだけなのだが。
今回の条約でもほぼ傍観の立ち位置に存在し、特に意見を出すことは無かった。
とは言え、流石に四大国の一つ。条約内では視線を張り巡らせていたようだ。
しかし、その後は傍観者が如く舞台外へ出た役者へと接触した。
先述の通り当たり障りに無い会話で終了したようだが、何を思って彼をギルド統括長へ接触させたのかは解らない。
詰まるところ、それを知るのは彼女含め、ごく小数なのだから。
メタル(放浪者)
被害者三傑筆頭。以上。
ーーー……という冗談は置いておいて。いや、冗談ではないのだが。
四天災者の二人に囲まれて戦争開始直前の場所で話し合いに付き合わされるわ、海では鮫に喰われるわ、四天災者に囲まれるわ、その後は置いてけぼりされるわ。
被害者三傑筆頭の名に恥じない被害者振りだった。
彼が特に何をしたという訳でもないのだが、不幸星な星の下に生まれてしまったが故の運命だろう。
余談だが、彼の不幸振りにゼルは少し安堵しているんだとか。
自分の不幸率が吸収されている気がする、だとか。
バボック・ジェイテ・ベルルーク(ベルルーク国・大総統)
流石と言うべきか、いつも通りと言うべきか。
今回の条約提案者であり殆どの騒動の元凶とも言える。
彼の部下達からすれば息をするように皮肉を述べ、人を嘲笑う人間なのだとか。
その性格のせいで条約会議でもひやりとする場面が多々あった。
とは言え、本人もやってしまうといった風に考えているのではなく、全て本気で、全て態と行っている。
それは相手の腹を探る物であり自らの話に乗せるための物であり何かを見抜くための物でもあるのだ。
……尤も、それに彼の趣味が全く入ってないと言えば、それはそれで嘘になるのだが。
イーグ・フェンリー(ベルルーク国・将軍・四天災者[灼炎])
サウス王国ではメイアと条約を交わす為の会議を行い、その後はリドラ別荘でバボックの護衛を務める。
四天災者の中でも攻撃的な彼は突如現れたギルド統括長に対する戦闘態勢を即座に整えていた。
当然と言えば当然の対応であるが、室内でそれは勘弁して欲しいというのが家の所有者の意見である。
また、海で逆ナンパされた彼は眼光により相手を気絶させてしまう。
本人曰く「豚と歩く趣味はない」だとか。
流石の他の面々もドン引きであった。
ネイク・バーハンドール(ベルルーク国・少佐・魔術師)
ベルルーク国より条約説明者として連れてこられ、今回の一件では呆気にとられるばかりであった。
本国でないのを良いことに毒舌振りを発揮し続けていたようだが、流石に首脳会議中は何も言えなかった。
良くも悪くも一般人な彼だが、だからこそ平穏に過ごすことを望んでいる。
結果的とは言えバボックのフォローをさせられ、四天災者の中に放り込まれ、危機極まる会議で進行役を勤めさせられた彼も、間違いなく被害者三傑の一人だろう。
フェベッツェ・ハーノルド(スノウフ国・教皇)
スノウフ国の教皇である老婆。
非常に柔らかく愉快な性格だが、やはり一国の長らしく腹の中には何かを抱えているようだ。
また、自国では氷に覆われた海しか見た事が無かった為、トレア海岸での海水浴場を見てはしゃいでいた。
端から見れば愉快な老婆であり、スズカゼも水着売り場ではそうとしか見えなかった。
ある人物に言わせれば、だからこそタチが悪いんだとか。
ダーテン・クロイツ(スノウフ国・聖堂騎士・四天災者[断罪]・獣人)
曰く、四天災者の中で最もまともな人物。
獣人だというのに彼が魔法や魔術が使えるのは魔法石や魔具による物だろう。
今回も[チャペル]という少女を召喚ーーー……、されたと思われる。
獣人とは言え四天災者、強い弱いの次元では無いと言うのがゼルの意見だ。
実際、偵察用とは言えイーグの[灼炎の猟犬]を貝を捕りに行く程度の時間で破壊している。
四天災者の中でも最もまともーーー……。
この言葉ほど、ある意味、その人物の異常さを表す言葉はないかも知れない。
シャーク(シャガル王国・国王)
見た目や口調は完全にチンピラだが、これでもシャガル王国の王である。
趣味はサーフィンで今回の首脳会議が延びた原因である彼の失踪理由もそれである。
無類のサーフィン好きなのは良いが、それで首脳会議の時間まで忘れるのはどうなのだろうか。
とは言え、こんな男でも民を案じる良き長でもある。
だからこそ自身の、自国の力の無さを悔いているのだろう。
尤も、その力の無さを払拭できる力を持たない彼のその悩みが無くなることは無いのだろうが。
モミジ(シャガル王国・国王側近)
シャークの実の妹であり、名目上は彼の側近でもある。
だが、それは正しく名目というだけで今回の首脳会議では早々に退席している。
側近としての技能は充分にあるのだが、彼女をあの空間に残したくなかったというのが実の兄、シャークの思惑だろう。
それが正解かどうかと聞かれれば、正解に違いはない。
あの空間は余り、良い場所では無かっただろう。
ヴォルグ(ギルド統括長)
ギルド統括長と名乗る、傲然な男。
四天災者達を前にして恐れすら成さない辺り、大物なのは地位だけでは無いのだろう。
世界中立の存在だからこそ、この会議に出席したのは理に適っている。
招待されていない、という点を除けばーーー……、だが。
未だ謎多き彼がこれから如何に関わってくるのは不明である。
ヌエ(ギルド所属・諜報部員)
ギルド統括長の側近として、影を使用した方法により潜入する。
未だ魔法か魔術かも解らない物だが、四天災者達以外に気付かれなかった所を見ると、かなりの高等技術らしい。
今回、本人は特に喋らず付き添っているだけだったが、四天災者に囲まれる緊張感は計りし得ない物だったに違いない。
レン(行商人・獣人)
最近は移動用に使われている少女。
ただしその分の料金は貰っているので不満はないーーー……、はずだったが。
サウズ王国の女王と二人きりで旅をするのは金輪際無しにして欲しいというのが本音だそうだ。
まぁ、当然と言えば当然かも知れない。
読んでいただきありがとうございました
取り敢えず一つ良いですか? 戦闘書きたい。
と、本音という名の愚痴は置いておきまして……。
因みに編集君にこれを呟くと「ハンッ」って感じで笑われました。畜生。
まぁ、その前に「おい、登場人物紹介が本編の二倍近いぞ」って怒られたんですけど。
ですが、今章は一部を除いて真面目な話でした。一部を除いて。
物語内では基点と言うよりも基点始めですねぇ。何か前もこんな事言ったような。
物語はこれから徐々に徐々に動き始めていきます。
どうかその時までお付き合いいただければ嬉しく存じますデス、はい。
それは放り投げちゃって! 話はインザネクストトピック!
現在執筆時、お気に入り登録153件! 総合pt457!!
累計ユニーク27,132人!!
もう感謝が……、何と嬉しい事か……!
読者の皆様には頭が上がらないとかいう次元じゃないです。
この感謝の気持ちで冥王星を食い尽くせるかも知れません!
これからもチリチリ続けていきますので、皆様の生暖かい視線を良薬に頑張っていきたいと思います!
して、相変わらず付き合ってくれる編集君にも感謝を。
大きいか小さいかで争ったりしたけど私はどっちでも良いのよ!
天地にそれぞれ生物が住むように、大きいのにも小さいのにもそれぞれ好みがあり適正があるのだから!
……え? 勿論、おっぱいの話です。
「別に否定はしないけど、黙れよ……」by胸は小さい方が好きだけど、最近は胸よりも太股好きな編集




