初めての戦闘?
『エルフー』
『ステラ!』
『ヒト、ミツケタ』
『ミツケタヨ』
それなりに時間が経ったとき、妖精さんたちが戻ってきました。リンリンと音を鳴らしながら空中を飛び回っています。どうやら人を見つけてくれたみたいです。…それがドナお爺さんだといいのですが。
『ヒト、オクイッタ』
『ランボウ、サルノトコロ』
『クサ、オシエテクレタ』
『ハナモミテタ』
『ソノアト、ワカラナイ』
「皆さん、探してくださりありがとうございます」
お礼にクッキーをもう1枚進めると、ワラワラと集って来ました。順番ですよー。妖精さんたちの列にちゃっかりルノーとフォスも並んでいます。
「ふふっ。ーーそれにしても、乱暴な猿ですか…」
妖精さんたちの話から、おそらくモンスターの類ではないかと思いますが…。そんなところに推定ドナお爺さんが行ったんですか?
『エルフ、イクノ?』
『サルノトコロ、イクノ?』
「…行くしかないでしょうね~。現状、目撃情報はそれ1つだけですし」
『ナラ、アンナイスル!』
『サル、タオス、テツダウ!』
『オイシイモノ、オレイスル』
どうやら妖精さんたちはやる気満々のようです。クッキーをあげたお礼をする、ということでしょうか?…私、その猿を倒すこと決定なんですね。このゲームでは初めての戦闘ですが、上手くできるでしょうか?ちょっと不安ですがルノーとフォス、それに妖精さんたちもいます。心強い味方ですよね。
「よし、頑張りますよ!」
「ホ!」
「シュー」
『ガンバル!』
気合を入れ直したところで、乱暴な猿とやらのところに案内してもらいます。かなり森の奥まで行かなくてはならないようですね。辺りも少し暗くなってきました。妖精さんたちが放つ光が今は有難いです。
『モウスグ』
『モウスグ、ダヨ』
『ランボウ、サルノナワバリ』
「分かりました」
いよいよ猿の住処?に突入ですね。ちょっと緊張してきました…。ドナお爺さんがいるかも分かりませんし…。なんて、今になって弱気になったって駄目ですよね。ここは男らしく堂々と行きましょう!
『注意 ボスエリアに侵入しました』
「…えっ?」
急に目の前にアナウンスが出たと思ったら、物凄い地響きが轟きました。そして現れたのはーー木よりも大きな、鋭い牙と爪を持つ猿。
「…ボスとは聞いてないですよ!」
せいぜいクエスト専用の特殊モンスターくらいが出てくると思ってました!ボスエリアに入ったからなのか隔離された空間にいます。どうしましょう、何も準備してきてませんよ。どうやってあのボスを倒せば良いんですか?!
『ヤルヨー』
『タオスヨ』
『サル、キライ!』
『マホウ、イッパイ!』
「あ、妖精さん!」
「ホッホ!」
猿と睨みあっていると、妖精さんたちが前に出て攻撃の構えをしました。それに気付いたのか、ボスモンスターも油断なく立ち回っています。ど、どうすればいいのでしょうか。私が今できる攻撃手段は水魔法と木魔法ぐらいです。これでどうにかーー。
そう考えていると、妖精さんたちの大規模な魔法が展開されました。壁のように魔法が押し寄せると、そのまま避ける間もなくボスモンスターごと飲み込んでいきます。
『北の森のボスモンスター、バイオレントモンキーが討伐されました』
≪メイン職業のレベルが1上がりました≫
≪サブ職業のレベルが2上がりました≫
≪種族レベルが2上がりました≫
≪ルノーのレベルが1上がりました≫
≪フォスのレベルが2上がりました≫
『タオシタ!』
『カチ!』
『サル、ヨワイ』
『ワーイ!』
「あはは…何もしなくても勝っちゃいました」
「ホー…」
「シュー…」
本当に私、何もしていませんよ。妖精さんたちが全部やっちゃいました。…ボス戦って、もう少し苦戦するイメージだったんですけどね。それよりもあのボスモンスター、バイオレントモンキーっていう名前だったんですね。鑑定する前に倒されてしまったので、名前を今知りましたよ。
『コノサキ、イッテ』
『ヒト、イルヨ』
『マタネ、エルフ』
『ステラ、バイバイ!』
「あ、はい。皆さん、本当にありがとうございました」
妖精さんたちは自分たちの役目は終わったとでもいうように去っていきました。彼らはこのクエストにおける助っ人だったのでしょうか?とても助かりましたけど…。謎は多いですね。まぁ妖精は気まぐれな存在らしいので、深く考えても仕方ないのでしょうが。
「ホー」
「あ、そうですね。行きましょうか」
バイオレントモンキーとやらが立ちふさがっていた森の奥に進みます。さてさて、ドナお爺さんは見つかるのでしょうか?
「ドナお爺さん~!」
「ホーホー」
「…もうすぐ森から出てしまいますね」
ドナお爺さんはこの森にいないのでしょうか…。一度森から出てみるのも手かもしれませんね。そのまま真っすぐ進んで森の出口へと進みます。
「…おや、あっちに街がありますね」
「シュー?」
「ホッホホ」
「あの街にドナお爺さんについて知っている人がいるかもしれませんね」
というわけで、あの街に向かってまた歩き続けます。…今日私、歩くことしかしてませんね。戦闘もしたとはいえないですし、平和と言えば平和なんでしょうけどね。
かっこいい妖精さんを書きたかったんです。妖精無双!それはそれとして、ステラはもう少し戦わせてあげたかった。




