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司書さんは無自覚でいいのです!  作者: 黒色猫


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ペルルの宿屋


「ドナ爺さんを知ってるかい?」

「…いえ、多分存じ上げないですね」

「そうかい…。いやね、北の森に出かけて行ってから一週間宿に帰ってこなくてね。何かあったんじゃないかって心配で…。お兄さん、冒険者なんだろ?ちょっと探しに行ってくれないかい?」


ドナの捜索ー北の森で消息不明のドナの行方を捜す

報酬ー?


 人探しのクエストですね。報酬が不明なのが少し気になります。それよりもドナさんとやらを探しに行きたいのは山々なのですが…。


「私は強くないですし、戦闘も一度もしたことがないのですが…」

「北の森はちょっと特殊なんだよ。お兄さんがドナ爺さんを探しに行ってくれるなら、森を歩く時のコツを教えてあげるさ」

「…分かりました。荷物を配達し終わったらでいいのなら、お爺さんを探しに行きます」

「!そうかい。なら配達が全部終わったら、またここに来ておくれ。その時にコツを教えてあげるよ」


 クエストを受けることになりました。まぁ一週間も行方知れずとなったら心配になりますよね。力になれるかは分かりませんが、私でよければ全力で捜索に当たらせてもらいましょう。…その前に荷物の配達ですね。気持ち足早になりながら、次の配達先へと向かっていきます。


・・・

・・


「ステラさん!お疲れ様でした。荷物を全て配達してくださり本当にありがとうございます。こちらが報酬、6100Gになります」

「ありがとうございます。あ、リストをお返ししますね。それとこちらが受け取りのサインになります」

「お預かりしますね。それにしても2日で終わらせてしまうなんて…ステラさんは仕事が早くて助かります」

「そう言ってもらえると嬉しいです」

「このまま他のクエストも受けられますか?」

「あ、いえ。ちょっと用事があるので」


 ミリアさんに挨拶すると冒険者ギルドを後にします。向かうのはペルルさんの宿屋です。私はかなり弱いのですが、本当に問題ないのでしょうか?ちょっと不安になりながらも足を進めます。

 ペルルさんの宿屋は4階建てで、他の宿と比べてもかなり大きいです。それに比例するように利用するお客さんも多く、遠目で見てもいつも賑わっている印象です。


「…こんにちは~」

「いらっしゃいませー。ご宿泊ですか?」

「あ、いえ。ペルルさんにご用があるのですが、いらっしゃいますか?」

「…お名前を伺ってもよろしいですか?」

「ステラといいます。あ、ドナお爺さんを探すといったエルフの冒険者、と言えば伝わると思います」

「…あ、先ほど荷物を配達していた方ですね。分かりました。少々お待ちください」


 通行の邪魔にならないように、通路の端で待っていることにします。それにしても、宿屋の中もかなり綺麗ですね。掃除にも力を入れていることが伝わります。ルノーが興味深そうに壺を覗き込もうとしています。…落ちないでくださいね。これ、とっても高そうですよ。


「待たせたね。お兄さん、もう荷物の配達は終わったのかい?」

「はい。報告にも行ったので、ドナお爺さんの捜索に集中できますよ」

「それは嬉しいね。あぁ、北の森を歩くコツを教えるんだったか。ちょっとこっちに来ておくれ」


 ペルルさんの後を付いていきます。談話室?応接室のような場所に通されました。ペルルさんがまずソファに座り、その対面に私も腰を下ろします。


「北の森は別名惑いの森って呼ばれていてね。魔物は滅多に出ないのさ。アンタ、妖精を知ってるかい?」

「知っていますが…」

「それじゃあ話は早い。妖精は無邪気でいたずら好きだろう?北の森は妖精の遊び場と言われていてね。まぁ森を歩きなれた者でも迷う迷う。だから森を歩くコツは、妖精の興味を引かないようにすることさね。妖精も面白くない奴にはいたずらなんてしないだろう?」


 …ペルルさん、私、妖精たちとちょっと仲良いです。興味を引かないというのは難しいお話かもしれません。とは言わないほうがいいのでしょうね。内緒にしておきます。アランさん、私も少しは常識的な行動をしていますよ。


「黒い服を着て、仮面をつける。そして何があっても騒がず慌てない。そうすると妖精の興味は他に移ると言われているよ。あとは万が一妖精に会ったときは、お菓子なんかを投げてそっちに興味を引いているうちに逃げればいいらしいね」

「あはは…分かりました。お菓子はどこかで買っていきますね」

「おや、だったら今クッキーを焼いたばっかりなんだ。持っていきな」

「良いんですか?」

「良いに決まってるさね。遠慮せずたくさん持っていきな」


 ペルルさんに山盛りのクッキーを渡されました。本当に申し訳なくなるくらい大量のクッキーを。そのまま北の森に向かいます。


「…妖精さんに会ったら逃げなきゃいけないのでしょうか?」

「ホッホー」

「東の森で会った子たちと同じなのかは分かりませんが、クッキーがあればひとまず話を聞いてくれそうな気がするのですけどね」

「ホホッホ」

「シュー」

「まぁ目的は妖精さんではないですからね。まずはドナお爺さんを探しましょう」


 滅多に出ないと言われている魔物と出会わないことを祈りながら、北の森に足を踏み入れました。


次の更新は3月26日になります。

感想、リアクション、誤字報告いつもありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
妖精さんにドナお爺さんの行方を聴くに1ペソ(*´艸`*)
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