秘密の畑?
「あ、お帰り。おもちゃは買えたの?」
「いえ、また今度来ることになりました」
外で待ってくださっていたお2人と合流し、私の家ーー旧図書館に向かいます。その道中で工房の中の様子や街の情報、面白い素材の話などをしました。笑い茸の話は少し気の毒でした。キノコを見つけた人が胞子によって笑いが止まらなくなってしまい、リアルで2日間治らなかったそうです。
「ーーあそこです。あの大きな建物が私の家であり、旧図書館です」
「おー思った以上に大きいし、本当に周りに何もないね」
「こういう場所も良いのう」
家の前までたどり着くと鍵を使い中に入ります。うん、相変わらず圧巻の光景ですね。たくさんの本がズラリと並んでいる情景はいつ見てもいいものです。何よりこの空気感がたまりません。…ちょっと変でしょうか?
「旧図書館だから本はそれなりに揃っていると思ってたけど…これはすごいね…」
「おぉ。ここまでくると感動ものじゃ」
「本は読むことはできないんですけどね。それでも見てるだけで満足感が得られますよ」
「いやー本当にすごい。こんなところに住めるとか、非日常って感じで楽しいだろうな~」
「妄想が捗るのう。本棚の前で意味深に悩んだりしてみたいものじゃ」
オールドさん、それは好きにやってもらって構いませんよ。ただ本を読めないことだけ理解してもらえれば。
とりあえずお2人を天井に星が描かれている部屋に案内します。
「わ!天井一面が星だ」
「儂は星については何も分からんが…。これは見事じゃのう」
お2人はしばらく部屋の中をウロウロしていました。天井を見ながら歩いているので、後で首を痛めそうですね。部屋の隅からルノーと様子を見ています。フォスは服の中に潜っているので、何してるのかは分かりません。…これ、どれくらい待つことになりますかね?
・・・
・・
・
「いやーすまんすまん。待たせてしまったの」
「ほんっとごめん。色々気になっちゃって…」
「いえいえ。ルノーがいたのでそれほど待っていませんよ。他に気になる場所とかはありますか?」
「んー…」
「おぉそういえば、畑は見てみたいのう」
!すっかり忘れていました。早速花屋のおばあさんに教えてもらった方法をやってみましょう。旧図書館の畑はどのような感じなのでしょうか?ワクワクしますね。
まずはオリオン座の下に立つんでしたね。オリオン座、オリオン座…ありました。
「それじゃあ、いきますよ」
「うん」
「うむ」
「プレアデス、プレアデス、プレアデス」
教えてもらった通りに3回言いました。すると部屋の奥がひとりでに動き出し、少し待つと扉が現れました。隠し扉です!カッコいい!隠し扉と隠し部屋は子どもの憧れではないでしょうか。
「扉が出てきたよ!」
「こういう仕掛けも面白いのう!儂の幼心もくすぐられるぞ」
私を先頭に、扉の奥に歩いていきます。通路はしっかり整備されており、光源もしっかり確保されていますね。通路の幅はひと1人分ぐらいです。
「ワクワクするのう」
「こういう秘密の通路って良いよね~」
「…あ、もうすぐ外ですよ」
通路の先には畑が広がっていました。ここはどこに繋がっているのでしょうか?周囲を見ても、旧図書館の周辺の風景ではありませんでした。
「ここ、旧図書館の裏手とかではないですね」
「ふむ。異空間、とまではいかないが、別の場所に繋がったのかもしれないの」
「こういったことも起こり得るんだ。やっぱりこのゲームは面白いね!」
畑は一区画につき作物を5×5の25個まで植えられるみたいです。その他自動水まきとかの機能もあるようですね。まあ畑に関してはまた今度、時間があるときにやりましょうか。うまく育てられたら、おばあさんにおすそ分けしたいですね。
「いやー色々見せてもらってありがとう。長々とお邪魔しちゃってごめんね」
「とても楽しかったぞ。今度は儂が招待できるように頑張るぞい」
「楽しみにしてますね」
「それじゃあ、またね。ステラ!」
「ではの」
畑を見終わると、お2人はそれぞれ帰っていきました。もういい時間ですからね。私ももうすぐログアウトしなければ。
「それにしても畑、意外と広かったですね」
「ホッ」
「…」
「農業もできるなんて、まさにゲームって感じですよね」
ゲームを始めた当初は農業をするなんて思ってもみませんでした。ですが運がいいことに畑と種が手元にあります。これは農業にも力を入れなければいけませんね!あとで農業ギルドにも行ってみましょうか。畑をやる際のアドバイスなどが聞けるかもしれません。
「それじゃあルノー、フォス。またあとで」
「ホッホ」
「…シュー」
今回は少し短めです。次からはまたステラにクエスト頑張ってもらいたいですね。




