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司書さんは無自覚でいいのです!  作者: 黒色猫


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妖精のお礼

 かなり森の奥まで来てしまいましたね…。ちゃんと元居た場所に戻れるでしょうか?

 妖精さんはキラキラとした光の道を残りながら飛んでいます。周囲には生き物の気配がなく、シーンと静まり返っていて少し不気味です。


『ココ!』

「!すごいですね…」


 急に視界が開けたかと思うと、目の前に大きな水場が現れました。この大きさは湖でしょうか?手前には花畑もあります。とても幻想的な光景です、思わず息をのんでしまいました。

 あ、花畑に小さな妖精さんが集まって楽しそうに踊っています。こんな光景を見ることができるなんて相当運がいいですね!


『エルフ』

『エルフダ』

『ドシタノ?』

『イッショ、アソブ?』

「わわっ」


 興味がこちらに移ったのか、妖精さんたちがワラワラと集まってきました。ま、前が見えません。


「こんにちは。私はエルフのステラです。ようせい草を探しに来ました」

『クサ、シッテル!』

『コレ』

『コッチ』

『アッチ』


 妖精さんが触っている、少し特徴的な葉を持っているのがようせい草のようです。お礼を言って、ハサミで慎重に採取していきます。


ようせい草

妖精の力が宿っているといわれている薬草。ポーションの材料になる


「ーーこれだけあればアランさんも喜びます」


 ようせい草は全部取ることはせず、数株だけ残しました。現実とは違うかもしれませんが、数株残しておいた方がまた生えやすくなると聞いたことがあるので。


「妖精さんたちもありがとうございました。これ食べれますか?」

『?』


 アイテムボックスからスコーンを取り出します。あ、分かりやすく顔が緩んでいます。スコーンは妖精の体には大きいので、1つだけ出しておきます。草をお皿にしておくと、みんな我先にとばかりにかぶりついていますね。…もう1つ置いておきますか。見かけによらず食欲が旺盛なんですね。


『エルフ、ヤサシイ』

『ステラ、スキ』

『オレイ』

『オレイ、スル』


 そう言うと妖精さんたちが揃って光の粒を振りかけてきました。掌にすくってみると、氷のようにスッと消えてしまいます。


≪幸運の訪れを獲得しました≫

≪称号『妖精のお気に入り』を獲得しました≫


 新しいスキル?と称号を獲得しました!これは私の方が得してしまってますね。


「妖精の皆さん、ありがとうございます」

『?オレイ、ワタシタチ、シタ』

『アリガト、ヘンナノ』

『ヘンナ、ステラ』


 クスクスと笑いながら、花畑の上で楽しそうに遊んでいます。ルノーとフォスにも興味があるみたいで、恐る恐る触ったりつついたりしています。2匹も妖精が珍しいのかジーっと見つめていますね。癒される光景です。


幸運の訪れ:ごく稀に大きな幸運を引き寄せる パッシブスキル


『妖精のお気に入り』 幸運+10 SP+3

取得条件:プレイヤーの中で初めて妖精に気に入られる


 獲得したのはどちらも幸運に関係するもののようです。パッシブスキルなんて初めて獲得しました。ごく稀ではありますが、大きな幸運が訪れるなんてちょっと楽しみですね。


「ーーあ、そろそろ帰らなくては」

『カエル?』

『モウ、イクノ?』

「アランさんーー私の師匠が待ってるかもしれないので』


 何も言わずにそばを離れてしまいましたからね。心配して探してるかもしれません。ようせい草も採取できたので、そろそろ戻らなくては…。


『ソッカ』

『マタ、キテ』

『バイバイ、ステラ』

「はい、また美味しい食べ物を持って来ますね』


 リンリンと鈴のような綺麗な笑い声が響きます。ヤクソク、というように手を差し出してきた妖精さんに指を差し出すと抱きついてきました。また遊びに来ますね。

 手を振って見送ってくれる妖精さんに背を向けて、元来た道を歩いていきます。この道であっているのか少し不安です。黙々と歩いていると、木々の音、生き物の音が急に戻ってきました。


「ステラ!!」

「アランさん」


 遠く離れた場所からアランさんが走って近づいて、そのまま抱きしめてきました。息が荒く、汗のにおいもします。あまりにも息が整わないので背中をさすります。


「大丈夫ですか?」

「…あ?大丈夫なわけあるか。お前どこまで離れてんだ?俺がどれくらい探し回ったか分かってるのか?」

「ごめんなさい」


 体が離れたかと思うと、頭を鷲掴みにされました。あ、ルノー逃げないでーー勝手に1人で行動してすみません。謝ります。とっても反省しているので、頭を握りつぶさないでください。


「…はぁ。お前にはまだ森は早かったか」

「そ、そんなことないと思いますよ」

「あ?そんなことあるだろ。薬草を採取するだけなのに居なくなるなんて、どうなってんだ」


 ご心配をおかけして本当に申し訳ございませんでした…。心配なんかしてないと仰いますが、あの慌てぶりから見てかなり探し回ってくれたみたいです。これからは離れるときは一言いいますね。


「ーーそうだ!アランさん、これどうぞ」

「あ?…!お前これ…」


 採取したようせい草をアイテムボックスから取り出してアランさんに渡します。あれ?また固まってしまいました。


「…こんなにたくさんのようせい草、どこで見つけたんだ?」

「あの、妖精さんにお会いしまして。それでようせい草が生えているところまで案内していただいたんです」

「…はぁ~」


 なんでそんなに大きなため息を吐くんですか。私の顔見てやれやれって肩をすくめないでください。

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― 新着の感想 ―
目を離すとすぐ何かしらを誑すから苦労が絶えないね
苦労人(*´∀`*)
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