キャラメイク
『オートマティック・オンラインに接続します』
無機質な音声と共に、視界が白に覆われます。いよいよゲームができるのかと思うと、胸がドキドキしてしまい落ちつかなくなります。
『オートマティック・オンラインにようこそ!』
空から少年の姿をした妖精さんが、羽をヒラヒラさせながら舞い降りてきました。笑顔がとても可愛らしくて、つられて笑ってしまいました。
「こんにちは、妖精さん」
『こんにちは、来訪者さん!』
オートマティック・オンラインでは、プレイヤーは他の世界からの来訪者という設定になっています。公式の情報によれば、プレイヤーの行動によってNPCーいわゆる住人たちの来訪者への接し方が変わってくるそうですね。
『キャラメイクを始めます!まずは名前を決めてね。ただし本名やあだ名は個人情報につながる場合もあるから、やめた方がいいよ!』
「わかりました」
いつもはナナホシという名前でプレイしていたのですが、それは使えないみたいです。自分のもう1つの名前を考えるのは難しいですね…。
『もし名前を思いつかなかったら、僕が重複していない名前を考えることもできるよ』
「…ぜひそれでお願いします」
頭をひねっても名前が思いつかない私を見かねたのか、妖精さんが素晴らしい提案をしてくださいました。
『わかった!ーーステラはどうかな?』
ステラー女性のような名前ですが…。
「ステラ、でお願いします。星という意味を持つ名前をくださって、とても嬉しいです!」
『どういたしまして!性別はどっちにする?』
「男性で」
『男性ね。次は種族を選択します』
目の前にパネルが出てきました。今選べるのはバランスのいい人間族、攻撃と俊敏が高いが魔攻と幸運が低い獣人族(犬・猫)、魔攻と幸運が高いが攻撃と防御が低いエルフ族、魔防と器用が高いが俊敏が著しく低いドワーフ族ですね。
この中ならエルフ族でしょうか?幸運のステータスが高いので、良いことがありそうです。
『種族をエルフ族に設定しました。次はアバターを作成します。これも現実の姿と近すぎるものは、個人情報保護の観点から推奨されていないよ』
「…あの、妖精さんが私のアバターを作ることはできますか?」
『うん!ただランダム生成されたアバターは、髪と目の色ぐらいしか変更できなくなるけど、それでも大丈夫?』
色が変えられるだけでも、ありがたいぐらいです!
妖精さんが作ってくださったアバターが目の前に映し出されました。身長は私と同じ160㎝ぐらいでしょうか?成人男性にしては低いこの身長、少し気にしているのですが…。顔も整っていて、耳はエルフ族の特徴らしく尖っています。髪は白にベビーブルーを混ぜたような不思議な色で、肩に届くぐらいの長さをハーフアップに。目は若葉色で、全体的に柔らかい印象を受けます。
現実の私と違いすぎて少し恥ずかしい気もしますが、変なー筋肉が発達しているアバターなどではなくてよかったです。色もエルフ族らしい雰囲気なので、このままでいきます。
『アバターの作成が終了しました。次は職業を選択します』
目の前にパネルが映し出され、そこに選べる職業が並んでいます。少なくとも50はあるでしょうか。王道の剣士や魔法使いのほかに、町人や遊び人、探偵に役者と幅広いです。
『職業はメインとサブの2つを選んでもらうね。サブ職業は転職すれば変更することができるけど、メイン職業は変更不可だから慎重に選んでね』
「なるほど。ご説明ありがとうございます」
笑顔の妖精さんの話を聞き、改めて目の前のパネルに目を通していきます。私は本を読むことが大好きなので、それに関連する職業があればいいのですが…。
「…あ、司書」
司書:スキル〈読書、記録〉
『この世界の司書は図書館の本だけじゃなくて、ありとあらゆる本を管理する立場にあるんだ!他には情報を求めている人がその情報を得るのにふさわしいか、実力を知るためにクエストを依頼して判断するときもあるね』
「私、司書になります!」
即決です。本を読むためなら、戦闘できなそうなスキルのことなど些細な問題です。
『メイン職業を司書に設定します。司書は読書したり、司書限定のクエストをクリアすると経験値が貰えるよ。戦闘をしても司書のレベルは上がらないから気を付けてね』
「わかりました」
『サブ職業は何にする?』
「えっと、テイマーにしようかと」
テイマー:スキル〈テイム、感覚共有〉
テイマーはテイムしたモンスターと一緒に行動することができる職業です。動物と触れ合う機会が中々ないので、選んでみました。
『サブ職業はテイマーだね。テイマーはテイムモンスターを増やしたり、テイマー限定のクエストをクリアすると経験値が貰えるよ。最初のテイムモンスターはキャラメイクが終わったら貰えるから、楽しみにしててね!』
最初にランダムでテイムモンスターを貰えるのも、テイマーを選んだ理由の一つなのです。私は爬虫類でも昆虫でもなんでもウェルカムなので、ランダムでも怖くないのですよ。
『最後にスキルの取得を行います』
もう少しキャラメイクが続きます。
これからは1話2000文字ぐらいを目安に頑張ります。




