表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界ガールズパーティー、男は俺だけ?』  作者: マーたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
21/26

2.1話 奈落の果実 ― 禁断の女神樹 ―

21話では、物語がついに“神の領域”へと踏み込んだ。

リュウの選択が正しかったのか、それとも運命の歯車を狂わせたのかは、まだ誰にも分からない。


“奈落の果実”の継承者となった彼が、次にどんな世界を創るのか。

それを見届けるのは、もはや人ではなく、神でもない存在たちだ。

夜明けの光が差し込まぬ森――そこは“世界樹の裏側”と呼ばれる禁断の地だった。

かつて神々が捨てた実験場。

リュウたちが足を踏み入れた瞬間、空気が凍りつくような静寂が広がる。


「……ここ、本当に“森”か?」

バンが呟いた。足元には黒く腐敗した根がうごめき、ところどころに赤黒い果実が実っている。

その果実は、まるで心臓の鼓動を持つかのように脈打ち、近づく者の意識を引きずり込む。


エリカが警戒の構えを取った。「魔力反応が強すぎる……何かが、呼んでる」

「呼んでる……? まさか“女神樹”が?」

リュウは胸の奥に感じる重い鼓動を抑えきれなかった。

それはまるで、遠い昔から彼の中にあった“欠片”が共鳴しているようだった。


森の奥、光も届かぬ中心部に一本の巨木がそびえていた。

それは“禁断の女神樹”――女神の心臓を封じたという神話の木。

幹の中央には巨大な傷跡があり、そこから溢れる黒い液体が地面を蝕んでいた。

リュウが近づいた瞬間、視界がぐにゃりと歪む。


――『お前はまだ、何も知らぬ』


声が響いた。

誰のものでもない、だが確かに“女神”の声。

リュウの意識は引きずり込まれ、目の前に“二つの果実”が現れる。


ひとつは白く輝く“黎明の果実”。

もうひとつは黒く脈打つ“奈落の果実”。

選んだ果実によって、この世界の命運が決まるという。


「選べ……リュウ。お前は“世界を救う”のか、それとも“人を守る”のか」


その問いに、彼の心は激しく揺れた。

かつて守れなかった仲間、女神に裏切られた者たち、そして――エリカとひびきの笑顔。

全てが頭を駆け巡る。


「俺は……」

手を伸ばしたその瞬間、背後からひびきの叫び声が響く。

「ダメ! その果実は――!」


しかし、間に合わなかった。

リュウの指先が黒い果実に触れた瞬間、世界が砕けた。


空は反転し、大地が裏返る。

“禁断の女神樹”が悲鳴を上げ、幹から無数の腕が伸びてリュウの身体を絡め取る。

「リュウーーーッ!!」

仲間たちの叫びが、遠くに響いていく。


そして次の瞬間、全ての光が消えた。


暗闇の中、リュウは一人、声を聞く。


――『ようこそ、“奈落の果実”の継承者よ』


その声は、女神に似て、女神ではなかった。

“女神の影”――封印都市で見た幻が、今や現実として彼の前に立っていた。


「お前は……何者だ」

「私はかつて“救い”を願い、神に見捨てられた者。名を持たぬ女神、“アル=ラグナ”。

お前の選択により、私は再び目覚めた」


リュウの瞳が、わずかに黒く染まっていく。

世界は静かに軋み、何かが確実に変わり始めていた――

リュウとアル=ラグナ、二つの魂が交錯する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ