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第三章:ダンジョンで金稼ぎ
【天城蓮視点】
一方その頃――
俺は城下町を抜け、適当なダンジョンへ向かっていた。
(勇者召喚の際に名前すら記録されなかったのは助かったな)
実は、俺には特殊な体質がある。
異世界を一度経験した俺は、通常の「召喚の枠組み」に当てはまらないらしい。
結果、異世界に来ても勇者として認識されず、存在が薄れる。
これは便利だった。
(つまり、勇者として縛られることなく、自由に生きられるってことだ)
そして、俺は金を稼ぐためにダンジョンへ足を踏み入れる。
「さて……ちょっと稼がせてもらうか」
目の前に広がるのは、低ランクの冒険者向けダンジョン。モンスターも雑魚ばかりだろう。
だが――
俺にとっては、どんなダンジョンもただの金稼ぎ場でしかない。
「さっさと終わらせるか」
俺は剣を抜き、一瞬でダンジョンを駆け抜けるのだった――。
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