第二章:自由な異世界ライフ、開始(続き)
【佐倉悠真視点】勇者、目覚める
「勇者様! これがあなたのステータスです!」
白髪の魔導士が紙を差し出した。そこには、俺の名前とともに、異世界特有の「スキル」や「ステータス」が書かれている。
(おお、これが俺の能力……!?)
【名前】佐倉悠真
【職業】勇者
【レベル】1
【HP】1000
【MP】500
【スキル】
・【剣聖の資質】(剣の技術が飛躍的に向上する)
・【神聖魔法Lv1】(聖なる魔法を使える)
・【経験値ブースト】(レベルアップが通常の3倍早い)
すげえ……これ、本当にチート能力じゃないか!?
「これが俺の……!」
まるでゲームみたいな状況に興奮していると、隣で紗奈が不安そうに自分のステータスを確認していた。
「私の能力は……?」
【名前】藤崎紗奈
【職業】賢者
【レベル】1
【HP】500
【MP】1500
【スキル】
・【魔導の才】(魔法の習得速度が飛躍的に向上する)
・【全属性魔法適性】(あらゆる魔法を扱える)
・【高速詠唱】(詠唱時間を大幅に短縮する)
「え、これ……すごい……?」
「すごいなんてもんじゃねえよ! お前、全属性魔法使えるってことだろ!? 最強クラスじゃねえか!」
「そ、そうなの……?」
紗奈はまだ戸惑っているようだったが、俺はワクワクが止まらない。異世界転生して、勇者になって、特別な力を得る……まさに王道展開!
これからの冒険が楽しみで仕方なかった。
……だが、そのときだった。
「あれ……?」
ふと、周囲を見渡し、違和感に気づく。
「蓮が……いない?」
さっきまでここにいたはずの天城蓮の姿が、どこにもなかった。
「えっ……どこ行ったの!?」
紗奈も驚いている。
召喚された直後に姿を消すなんてありえるのか? いや、ありえないだろ。召喚された俺たち勇者は、普通なら王様の前で説明を聞くはずだ。
なのに蓮だけが消えている。
(まさか、何か事件に巻き込まれたのか……?)
俺は焦りを感じながら、王に質問した。
「あの、もう一人いたはずなんですけど……」
「もう一人? いや、召喚されたのはお二人だけですが……」
「……は?」
俺と紗奈は顔を見合わせる。
……おかしい。蓮のことを誰も覚えていない。
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