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鏡の国のアリス

■鏡の国のアリス


「ふーん。どうやら《彼岸》の時と同じようね」

 アリスは両方の掌を広げて見つめていた。その少し先には宙に浮かぶ杖があった。

「はいアリス。ただイトの立方体はありませんが」

 アリス、いや、セリス2の姿はやはり幼い頃のセリスと同じ、ふわふわの長い金髪。それに水色のドレスの姿となっていた。

 セリス2が浮いているのは《彼岸》とは異なる様相の場所だった。

「どうにも奇妙な場所よね、ココ」

 あたり一面は真っ赤だった。まったく同じ色合いが広がっているのではなく、所々濃淡がある。

「位置がまったく分かりません」

「記録をリプレイしたら飛ばされた、という事と、この姿。推論されるのは《彼岸》かそれと同等のヘンな場所、って事くらいよね」

「ただ今回はセリス2自体が変容したようです」

「え?」

「セリス2のナノマシン接続情報が更新されています。現在の身長は約一メートル十五センチです」

「という事は、通常の物理空間、ってコトよね」

「はい、そうなります。《彼岸》のような異空間ではありません。ただ」

「ただ?」

「物理法則は同じようですが、相互作用に微妙な差があるようです」

「どんな?」

「重力関係です」

「説明して」

「この空間は無重力です。それも、弾道飛行のようなものでは無く、重力が存在しないようです。また、熱の伝達もほぼありません」

「ちょっとまって、それって全然通常の物理空間じゃないなじゃい!」

 浮いていた杖が、すっと浮かび上がりセリス2の顔の前に来た。

「私が杖に存在しているのは《彼岸》の時と同じですが、この移動は思考するだけで移動が可能です。作用反作用無く移動できます」

「それって」

「はい。霊脈関係を使っての移動、という事になります」

「あ、つまり、ここは高密度霊脈の中、って事になる訳ね」

「そう推論されます」

「ね、なんかヤバくない?」

「大変、危うい状態と思います」

 アリスの視界、その赤に塗りつぶされた中に、赤い光りが見えた。

「何?」

「視認しました。ですが、何かについては不明です」

「行ってみるしかないわね」

 セリス2は緩やかにその光りに向かって移動を始めた。宙を滑るように。

 赤の背景はそのままだったが、赤い光りはセリス2の視界の中で次第に大きくなっていった。そして、その様子も分かるように。

「ねえ。アレ、なんだか凄く速く回転してるみたい」

「回転というよりも、むしろ、公転するように同じ軌道を周回しています」

「それと」

 そう言うとセリス2は目を細めた。

「どうもその周回運動だけど、まるで下からの霊脈の噴出に押されて上昇、そこから外れて落下、また押されて落下、というように見えるんだけど」

「そのように観測されます。あるいは、周回運動する事で、霊脈の流れを作っているのかも知れません」

「確かに。落下、と言うには角速度が一定に感じられるから、そうかも」

 霊脈の流れを作る赤い光りのポンプ。そうアリスは結論づけた。

「まるで『赤の女王』ね」

「ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』の登場人物ですね」

「そう。同じ場所に止まるには、高速で走り続けないといけない、っていうヤツ」

「アリスも物語にならってあそこで走りますか?」

「何冗談言ってるのよ。あたしはイヤよ。ヘトヘトになるまで走らせられるなんて」

「アリス、どうやら『赤の女王』はあれ一つだけでは無さそうです」

 アリスの視界に幾つかのマーカーが表示され、その部分が拡大された。そこには、赤の女王がいくつも同じような運動をしているのが表示されていた。

「まるで、血管の弁みたいな感じね」

「霊脈を輸送するための装置、あるいは組織、という事になるでしょうか?」

 セリス2は右手のひらを頬に付けて、小首を傾げた。さながら可憐に考え込んでいるようにも見える。

「そう言えば、以前雫が言ってたっけ。霊脈は星の気脈だって」

「太陽の事件の時ですね」

「そう」

 セリス2は頬に付けた手のひらをぱっと離した。

「まさか!ここって」

 左手に持っていた杖が僅かに震えた。

「考えたくありませんが、その可能性は排除できません」

 セリス2は右手のひらを額に押し付けた。

「そう、よね。そう考えるのが」

 手のひらを額から離すと、セリス2の瞳が現れた。それは険しい色を浮かべていた。

「どこかの惑星の内部。ここは、そういう場所の可能性」

「それを元に演繹すると、候補地は竜の星、の可能性が高くなります」

「あー、やっぱりそうなるわよね」

 セリス2は肩を落とすと、ため息を吐いた。

「前回の赤い光りの時、天の竜通って《彼岸》に行った。その時、イトの立方体を胸に仕舞ってた。多分、その影響で竜の星への経路ができてたんだわ」

「その推論、かなり正確な認識だと支持します」

「ここが赤いのって、アカネが竜の女神だからだから、なんて符合じゃないとは思うんだけど」

「アカネちゃんが巫術を使う時の髪の色。同じ場所を周回する『赤の女王』、赤い空間」

「なんて言うか、言霊ことだまのミルフィーユみたいになってるのよね」

「それもやはり、ここの霊脈、つまり巫術関連だからでしょうか?」

「そうね。そういうしゅを折り重ねて技にするのって、確か雫が昔言ってた気がするのよ」

「では、ここが竜の星だとして、どうします?アリス」

 セリス2は口の端をニッと上げた。

「もちろん、冒険と探索よ!」

 アリスの好奇心は、如何なる苦境でもすり減りはしないようである。


■壊れた赤の女王

「形状が異なる『赤の女王』を見つけました」


 アリスがそのメタアリスの報告を聞くまで、アリスの好奇心のおもむくまま、セリス2は赤い空間の中を探索した。

 その空間のどうやら中心と思われる辺りには、白色に近い赤く光る球体。むしろ何かの噴出口というように霊脈が溢れ出ている箇所があった。

「流石に、あそこに近づくのは危険そうね」

「同意します。もっとも近づけないと思います」

 霊脈の噴出の勢いは、セリス2の移動を楽に妨げると予想された。

「じゃ、外側に行ってみましょ」

 セリス2はくるりと向きを変えると、霊脈が噴出する球体を背に外側に飛翔した。

 霊脈が外側へと消える境界。そこに右手のひらを触れるようにセリス2は伸ばした。

「なんだか、この先も」

「侵入禁止、だと思います。おそらくこの先は、通常の惑星の内部空間のようです」

 セリス2は、軽い嫌悪の表情を浮かべた。

「出たら、圧力でぺっちゃんこ、ね」

「おそらく。セリス2は地球上や宇宙空間での活動を想定していますから、耐圧性能は高くありいません」

 などと言う探索をしている最中に、先のメタアリスの報告が入ってきたのだった。

「形状が異なる『赤の女王』を見つけました」

「どういうこと?」

 セリス2のおもてには、輝く好奇心と怪訝そうな雰囲気が混じり合っていた。

「表示します」

 アリスの視覚にその赤の女王が表示された。

「なに、これ」

 セリス2の口の端が引き攣っている。

 赤の女王の球体の動きがゆっくりになっており、何よりその形状が奇態だった。赤い事は赤いが、所々どす黒くなっている。また、綺麗な球体ではなくこぶ状の隆起があちこちにあった。

 醜い。

 そういう感情がアリスの心中に芽生えた。

「あれ、機能してない、わよね?」

「そう観測されます」

「生体なら免疫系に攻撃されるタイプじゃない?」

「組織不全かガン化している状態と推測されますから、おそらく」

 アリスは嫌な予感を感じた。

「でも、ここはおそらく惑星の中心部。ウィルスみたいな外敵の侵入や、これだけの霊脈の量、それを考えると遺伝子変異みたいなのが発生するとは、考えにくい」

 セリス2は小首を傾げて頬に右手のひらを付けた。

 可憐に考えている仕草だが、その双眸は険しかった。

「考えられるのは、中心部分からの侵入。赤の女王自体が何の外部刺激も無しに、あんなに変貌するなんて、おそらく無いはずだから」

「アリス、中心部分からの霊脈の噴出。それを考慮するとその接続先は」

 セリス2は右手のひらを頬から離した。きっ、と変貌した赤の女王を睨む。

「《彼岸》の光りの柱。そこからの霊脈の流れが繋がっているのね。とすると」

「そこから来て、霊脈の流れの秩序を乱す存在、という事になります」

 黒い幽霊。

 アリスの脳裏に、その姿が蘇った。

 漆黒のマントを羽織ったような外観、そして、頭部と見受けられる箇所には、ぼんやりとした蒼い炎のような影。首から肩にかけては、黒曜石でできたバラの花のような鋭い切っ先がいくつも突き出ているその姿を。

「アレの仕業、だとすると」

 セリス2は小さくため息を吐き出した。

「退治とか治療とかみたいなのができると良いんだけど、《彼岸》の時は、結局、雫の助力があったからなんとかなったけど」

「現状の能力範囲では、《彼岸》のような解決は困難だと考えます」

「そうよね」

 少し下を向くような表情を打ち消して、変貌した赤の女王を見据えて、セリス2は言った。

「けど、良く観察する事はできるわ。きっと何かの役に立つ」

 そしてセリス2は変貌した赤の女王の側へ飛翔した。


■アリスの危機

「ひぃ〜。ちょっとなんで触手みたいので攻撃してくるのよ。気持ち悪いわね!」

 セリス2が変貌した赤の女王に近づき、周辺を回った時、赤の女王の黒く変色したこぶ状の箇所から急に触手状のものが生えた。

 そしてそれは、セリス2目掛けて急速に伸びて来たのだった。

 触手をひらりとかわしたセリス2。嫌悪の表情を浮かべている。

「アリス。第二波、第三波が来ます」

「なんですって!」

「かわした第一波が戻って来ます」

「挟み撃ちじゃないの!」

 セリス2に迫る三本の触手。その位置関係を素早く把握する。口の端がにっと上がった。

「同一平面上での挟み撃ちなんて」

 セリス2は上昇してすべての触手を回避する。

「三次元空間では、無意味なのよ」

 目標の位置を通り過ぎる触手を見下ろして、セリス2は腰に手を当て自信満々に言ったのだった。

「第四波が来ます」

「って!」

 慌てて真上から迫る四本目の触手を回避するセリス2。

「ちゃんと頭、使ってるじゃない」

 などと余裕を見せていると、メタアリスが告げる。

「真下から第五波来ます」

 これもかろうじて回避するセリス2。

「い、一旦退却!」

 少々慌てたアリスは、変貌した赤の女王から距離を取る事にしたのだった。

 アリスの視界には、無数の触手を生やした赤の女王が映った。

「ほんとに気持ち悪い」

「どうやら一定範囲に入らないと、攻撃して来ないようです」

「防衛本能みたいな感じね」

 右手のひらを頬に付けて小首を傾げた。

「でも厄介だわ」

 セリス2が観察していると、触手を生やした赤の女王は、触手の先から何かを放出したように見えた。

「何?」

 アリスの視界に、放出された何かが拡大表示された。

「ま、まさか」

 視界に写ったのは、小さな漆黒の球体が多数。

「『鬼』!」

「そのような形状に見えますが、断定はできません」

 放出された小さな漆黒の球体は、他の赤の女王に向かって行った。

「他の赤の女王にも感染しようとしているワケ!」

 アリスの嫌な予感は的中する。

 小さな漆黒の球体と触れた赤の女王は、所々が変色し、こぶが生じて行った。そして周回運動が遅くなっていく。

 そして。

「あー。なんかヤバい状況じゃない?」

「あの速度で感染が拡大していくと、先程の攻撃射程範囲内に包囲される可能性が高いです」

「こ、困ったわね」

 いざとなったら、位置を変えて竜の星の衛星軌道に脱出するしかない。

 そうアリスが考えた時、杖のメタアリスが嫌な事を告げた。

「ワープシステムはダウンしています。おそらく形状変化の際の負荷が原因と思われます。復旧には数時間必要と見積もられます」

「絶対絶命、ってコトじゃないの!」

「最悪、セリス2を投棄して、帰還という事も検討しましたが、現状の巫術レベルでは困難と推論されます」

「悪い知らせのオンパレードね」

「はいアリス。いわゆる絶体絶命、という事です」

「ソレさっき、あたしが言ったわよ!」

 などとコントめいた会話が進行する裏側では、赤の女王が次々と感染していっていた。事態は刻一刻と悪化していく。

 セリス2は辺りを見回す。

「あの空域がまだ安全そうです。現状なら到達可能です」

 アリスの視界に、緑に色付けされた空域と移動ルートが表示された。

「了解、管制官」

 セリス2はそう言うとその移動ルートに乗った。


■白い守護者

「全然安全じゃない!もうメチャクチャ」

「アリス、意識リソースを言語から回避運動に集中してください」

「あーもう、なんか腹立つわー!」

 割り出された安全なルート。しかし赤の女王の感染速度の方が上回っていた。途中まで進んだ所で、触手の猛烈大歓迎を受けたのだ。

「気持ち悪い、気持ち悪い!」

「その調子です。安全範囲に到達できそうです」

 触手をひらりひらりとかわしつつ、目標のエリアを目指すセリス2。アリスは文句を言い続けたが、意識は完全に触手とそれを回避する行動に向けられていた。しかし、意識が触手に向く度に「気持ち悪い」が口をいて出る。

「目標エリアまであと三秒」

 メタアリスがそう告げた時、多数の触手が上下左右から伸び、まるで網目のような壁を作った。進行方向は完全に塞がれた。

 壁の前でセリス2は静止する。

「ヤバいわね」

「上方、左右から触手接近します」

 セリス2は下に回避する。

「下から多数の触手接近」

 下方からの触手の束をひらりひらりと回避するが、次第に逃げ場が無くなっていく。

「《彼岸》の破壊者がアトラクションに思えるわ。第一、気持ち悪くない!」

 アリスが自虐的な感想を漏らした。

「上方から触手の束、接近」

 セリス2が情報を見上げると、壁かと思う程の触手の束。それが降って来るのが見えた。セリス2の口の端が上がる。

「まいったわね」

 アリスが弱音を漏らしたその時。

 上方の壁とも思える触手の束の一角が崩れた。千切れて四散している。四散した触手は溶けるように消えて行く。

「安全エリア確認」

「あそこね。分かったわ」

 その一角目指し、飛ぶセリス2。

「って、触手再生してるじゃないの!」

 四散した触手。その触手が根本から再生していく。高速に。

「まずいわ。囲まれる!」

 再生した触手はセリス2の周囲を覆い尽くそうとしていた。

 セリス2の背後の触手が四散した。振り返るセリス2。その瞳には、白い長身の人型の何かが映っていた。

「何!」

 白い人型は、手招きした。日本式のやり方で。

「なんだか分からないけど、乗ってみる事にする!」

 四散した触手の隙間を抜けて、白い人型の隣へと飛ぶセリス2。

 白い人型は、己の背中を指差した。

「どうやら背中に乗れ、と示しているようです」

「この展開、どう見ても助けに来た正義の味方!って感じよね。それに他に手がない」

 セリス2はぱっと白い人型の背にしがみついた。

「触手群、こちらに接近」

「どうしても逃してくれないみたいね」

「どうやらアリスを敵認定しているようです」

「うえぇ。あんなのにモテたくないわ。ん?」

 白い人型の両手の指の間に青い立方体が現れるのを、アリスは見逃さなかった。

 両手を胸の前で交差させると、白い人型は触手目掛け、左右に四つずつ、合計八つの立方体を投じる。

 立方体は青い軌跡を描き触手を切り裂いた。

「すごいわね」

 かなりの範囲の触手が寸断され、前方に大きな空洞ができたようになっている。

「触手、再生していきます」

「まったくシツコイ!あんまりシツコクすると、レディーに嫌われるわよ!」

「アリスは既に触手を嫌っていますから、無意味な悪態です」

「良いじゃないの!」

 白い人型は、前方に開いた穴を素早く通り抜ける。抜けた直後に、洞窟は再生した触手で閉じられた。

「え?アレ」

 洞窟を抜けたセリス2の視界には、変貌した巨大な赤の女王があった。

「ゲームで言えば、ラスボス級です」

「なんでこうなるのよ!」

 白い人型は再び、両手の指に青い立方体を出現させると、赤の女王目掛け投じる。

 赤の女王の手前の触手を切り裂き、立方体は青い軌跡を描き赤の女王に突き刺さった。

「やった!」

 赤の女王は、青い立方体が衝突した箇所が凹む。衝突した衝撃が球体の表面に波のように広がっていく。こぶから出ていた触手はその衝撃で根本から寸断され、溶けるように消えていった。

「これでハッピーエンドよね♪」

 などとアリスが軽い調子で言った直後、メタアリスが不吉な事を告げた。

「触手、高速で成長中。赤の女王、巨大化始めました」

「うわ〜、これっていわゆる第二形態ってヤツ?」

「アリス、巫山戯てる場合じゃなさそうです。周辺から霊脈を高速で吸い上げて、触手を構成しているようです。相当に危険と判断します」

 生えた触手は白い人型を取り囲むように伸びてくる。

「ちょっと、正義の味方はこれくらいでやられないわよ、ね」

 語尾の方はちょっとだけ、弱々しかった。

 白い人型は、その触手の奔流に微塵も揺るがず、右手で頭上をさし示した。

「何?」

 アリスは見た。指し示した頭上にそれが現れるのを。

 触手の隙間から垣間見るそれは、碁盤の目のように直交した青白い光の筋。

 それが広がっていく。やがてそれは全体を覆った。

 そして、その青白い光りが降り注いでくる。柔らかく。

 その青白い光りに触れた触手が溶けるように消えていくのを、アリスは呆然と見つめた。

 その光りが、赤の女王に触れる。

「赤の女王、霊脈の吸収を停止」

 赤黒い箇所が次第に消え、そしてこぶも消失していく。

「元に、戻っていく」

 セリス2は白い人型の背から離れ、周囲を見回した。

「ここ全体の赤い色が」

 真っ赤に染め上げられたような空間内部。その色彩が変化していた。真っ赤から薄い赤に。

「なんだか、病気が治った、みたい」

「中心の霊脈を噴出する球体の活動が活発になっています」

「赤の女王の周回運動が早くなってる」

「おそらく、これが本来の状態と推論されます」

 白い人型はセリス2の方を向いていた。

 そして、そっとその手を掴んだ。

「なに?」

 そして、セリス2を背後に投じる動作をした。

 白い人型の背後には、漆黒の球体。

 アリスの視界は漆黒に染め上げられた。

 アリスは意識を失った。

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