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二分の一茶番劇

 野々下 灯枇(あけび)が不得手とするものの一つが、飛び込み式の長縄跳びだった。最初から長縄の中に入った上で飛ぶならまだしも、もし当たったら鞭のように痛い、廻され続ける長縄を見ていると、灯枇(あけび)はその中に飛び込むタイミングと度胸を失って、やがて二の足を踏んでしまう。


「早く飛べよ、もう野々下さんだけなんだよ!」


 灯枇(あけび)以外は、既にクラス全員が飛び終わっていて、この時は灯枇(あけび)が飛ばなければ、いつまで経っても終わらなかった。そのせいで、男子の誰かがキレた。


「おいおい、そんな言い方はないだろう」


 そう言って、灯枇(あけび)達のクラス担任である郷土愛先生は、たかが長縄如きに熱くなる単純漢なクラスメイトをたしなめ、その場をきちんとおさめてくれた。ここまでは良かったし、その後もきちんと配慮はされていた。


 しかしこれまた郷土愛先生は、4年生担任教師としての職務を忠実に果たす為、「二分の一成人式」という、全くもって訳の分からない、親達用の見世物小屋の出し物として、これを元にした茶番劇を提案した。


 茶番劇はその舞台をドッジボールへと変更され、勿論モデルとなった灯枇(あけび)本人を矢面に立たせるような愚は犯さず、その時たまたま同じクラスであり、その頃にはすっかり疎遠で、灯枇(あけび)にとってもただの一クラスメイトでしか無かったルミが名乗り出たか何かで、きちんと親達の目の前で、上手に主役を張ってくれた。




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