良くない変化
ヒヲス小学校への入学前、灯枇は母親に連れられて、事前に貼り出されたクラス発表の紙を見に行った。ナホちゃん改め柾谷君とは、見事別クラスとなった灯枇は、知人が全く見当たらないクラス編成に不安を覚えながらも、ルミや早良とも別クラスとなった事に、まずはホッとした。
いざヒヲス小学校に入学した灯枇が驚いたのは、灯枇が一人も名前を覚えていない、ヒヲス幼稚園で一時期一緒だったというクラスメイトが何人か、何故か灯枇の事を覚えていて、しゃりしゃり名乗り出て来る事だった。何人かは見覚えがあるような無いような、不思議な感覚に陥ったが、1番よく覚えていた目玉焼き小僧は、良くない変化を遂げていた。
目玉焼き小僧は、幼稚園時代から続く低身長で見た目に変化は無かったが、おままごと遊びに使うプラスチック製の目玉焼きを床に落として、これもう食べられないよね? と灯枇に訊いてきた純粋性をすっかり失い、異様に怒りっぽく、ブツブツと文句を垂れ、何か非常にどうでも良いのに、目玉焼き小僧にとっては気に入らないことがあると、運悪く近くに居た灯枇をなじった。
更に最悪な事に、目玉焼き小僧はあいうえお順で名字に由来する、出席番号で決められた最初の席が近かった為か、それとも元からの知人であったのかは定かでは無いが、灯枇の真の敵である花蜜吸と仲良しで、やはり嫌な人間同士気が合うのか、時に渾然一体となって、灯枇の学校嫌いに拍車をかけた。




