73 ワーカーホリック
窓枠の外を眺めていると――電子音が鳴った。
開きっぱなしにしていたパソコンが発生源で、通知は上の兄からのものだった。
「そういえば、最近は連絡なかったっけ」
ブラコンが過ぎる上の兄の、それでも世話になっているので頭が上がらないルヴィは、眠っているネムをコンパートメントに残し、控えていたアテンダントに行き先を告げて移動した。
道は前後の二つしか選択肢がない。
迷いようがないが、それでもルヴィはいつも口を酸っぱくして周囲に道を尋ねるようにと言われている。
「大げさなんだよなー。道に迷うことくらい誰にでもあるだろっとと……ここだな」
目当ての場所を見つけた。仕事や連絡用に通信網が安定して使える区画だ。この現代社会においては不可欠の設備となっている。向かって左側が古めかしい電話が備えられたカウンターになっており、右手が衝立で区切られた簡易の机付きの書斎になっている。男性がカウンターの電話線でつながれた受話器を耳に当てて話していた。
ルヴィが言うのもなんだが、この昼でも夕方でもないような微妙な時間帯に利用するような客が他にもいたものだ。
「やあ。…………いや、他の乗客が来ただけだ」
電話を使用中の男性は、顔だけこちらに向けてにこりと笑って手を上げた。相手は電話中なので、ルヴィは笑顔で会釈だけをして、声はかけずに書斎スペースへ滑り込んだ。パソコンを開く。
届いたアドレスからファイルを開いて、特別なセキュリティ保護のかかったサーバー(詳細は知らない)に飛び、イヤホンをつけて小声で通信を開始する。
「はよー、兄貴。しばらくぶり」
『なんだ、欧州貴族の城にでもいるのか?』
開口一番に怪訝そうな顔で言われるのがそれだった。
「すごい豪華だよな。今ネムと一緒に、大陸横断鉄道に乗車中なんだ――兄貴の金で」
画面の前で胸を張って続ける。
「どうだ、オレも兄貴の弟をやってるだろ?」
『ほうほう。いい調子だ。そんな感じでじゃんじゃん使ってくれ。俺は年末調整が世界で一番嫌いだよ』
そういえば、世の社会人は冬季賞与の時期だ。
ルヴィたちが期末試験に奔走し、その結果を戦々恐々と待つのと同じように、何かと浮足立つ月だ。
「となると……また小遣いくれるってことか?」
『小遣いというか、使ってくれなきゃ困る金だな』
この鉄の箱の中で身動きできないルヴィたちにどれほど使えるかは未知数だが。
加えて――
「あのう、もうじき今月が終わるんだけど……一体今度はいくら使えばいいんだ?」
ぼそりと二つの金額を呟く兄に、ルヴィは内心舌を巻く。
「第一希望の額はさすがに今からじゃ厳しくね?」
『使ってくれなきゃ、俺が困るんだ。用途不明でいくらかは政治家の懐に入るような国に払うか、可愛い弟たちに貢ぐかじゃ、俺の仕事へのモチベに関わるんだよ! どうせなくなる金なら身内に使った方がいいだろ?』
「その気持ちは分かるけども……」
仕事をするのは得意だが、金勘定などは大の苦手なのだ。入って来る金に対して、管理がずさんで、人の手によって手伝ってもらっている状態だ。怜悧な容姿ながらお人好しで苦労人のその人物の顔を思い浮かべて兄に代わって両手を合わせる。おかげで上の兄は、こうして税金の控除として身内に使え使えとこまめに連絡を寄越してくるのだが。
「このレベルでじゃんじゃんなんてとても使い切れる額じゃ……サフィ兄とかは?」
『長年欲しがっていた楽器をようやく見つけて購入したそうだ! 期待できる額が減り、第一目標額が近づいたというわけだ。サフィはいい子だなぁ』
「――お金を多く使った方がいい子なわけぇ?」
あんまりだ。思わずむくれる。
「じゃあ、サフィ兄にもっと楽器使ってもらったらいいじゃん」
顔を逸らして言う。
横目で盗み見た上の兄は、予想に反して俯いている。
『あいつはなあ……必要と思ったものには値段に糸目をつけず豪快に使ってくれるんだが、そうじゃないことには一切使わなないんだよなあ……梃子でも動かん。面倒を看てくれるイカロが居なきゃ、食事もとらずに餓死しかけたくらいだからな』
下の兄は、何かと金がかかる世界にいるので、支出一つ一つの額が大きい。一等地に家が建つような金額が吹っ飛ぶこともある。きっとこうして上の兄から金を使えとせっつかれることもほとんどないのだろう。……これはまたネムに金の使いどころを増やしてもらわねば。
『俺を助けると思ってここで一つ奮発してくれ、急遽入ったこの臨時収入で』
心新たに決意していると、再び念押しされる。
よっぽど差し迫っているようだが、それは言われた金額と、今年が終わるリミットを考えると納得だ。一体どうやったら9桁近くになる額を、今月の残り二十日も満たない日数で消費すればいいのか。
「ネムに言ってみるけどさ」
ルヴィは考えてもいい案が思い浮かばない。
物は試しで、困った時の年下の幼馴染を頼ることにする。
『ネムちゃんならいいようにしてくれそうだよな!?』
食い気味だが、ルヴィは現状の説明を試みる。
「あのさ、オレたち今、遠出先でさ……」
『知ってる。鉄道会社アクイラが運営するニュームーン号とハミングバード号に続けて乗るんだろう? 俺は詳しくはないが、例の40年前まで国営で運営されていたアムトラックの時代とは違い、たいそう大幅なリニューアルが行われたって聞いた。最初はどこぞの城か別荘かと目を疑ったが、なかなかアクイレギアの鉄道会社もいい趣味してるじゃないか』
「なんでそんな詳しく知ってるん……?」
最近は期末試験が忙しくて連絡をとれていなかったのに加えて、この旅行計画は期末試験最終日にネムから発表されたので直前までルヴィも知らなかったのだが。
『お前……なんのためにお目付け役が付けられたと思ってるんだ? ネムちゃんからの爺さんへの報告書は俺も見させてもらってる。――だからネムちゃんに内緒で行動するのは辞めるように』
困るのはネムちゃんなんだぞと言われ、肩を落とす。
その節は、この上の兄にも余計な仕事に関わらせた。
『お前が何の考えもなしでやったことじゃないとは思うけどな』
「兄貴……」
こういうとき、ルヴィは自分が末っ子だと再認識する。
普段、ネムといると年長者としていいところを見せたいと思ってしまうが、根は男三人兄弟の末弟なのだ。
『はい、湿気た顔は終わりだ。俺は豪遊する弟たちの姿を癒しにしてんだ。満喫してるか?』
「それはもう! 豪華客船を縮小したと言われるプルマン式の寝台車を参考にしているってネムが言うだけあって、めちゃめちゃ高そうな造りなんだ。セレブになったみたいでさ」
欧州で古くから普及していたコンパートメント式の寝台車を導入しているそうだ。兄が欧州貴族の城と間違えるのも仕方ない。この辺りにも、ネムの欧州の列車旅の未練が感じられる。
兄は感心した素振りで深々と頷く。
『セレブ気分を堪能してくれ。ネムちゃんもいい子だな。お小遣いを10倍にしよう』
「さすがのネムもびっくりすると思うからやめて」
せめて倍増からで。
『画面が時折揺れるのは、走行中だからか。そうじゃないかとは思ったが納得した』
「そうなんだ。だから、すぐにすぐ散財するわけにもいかなくて。食事だって毎食ついてるからさ、乗車料金に込みで」
旅行で最も金がかかるのは、移動費、宿泊費、そして食費だ。
このうち、鉄道に乗っている最中は、すべてが揃っているので、これ以上掛けようがない。
『降りたらでいいから頼む。レンタカーで運転すると聞いたから、いい車をレンタルしてもらえ。道中の保険もしっかり掛けろ』
「リムジンにでも乗れって? 言っとくけど、レンタカーで行くのは荒涼とした大地だから……」
自然とアウトドアに適した車種になる。
その中で最も上のランクのレンタカーでも、目玉が飛び出るような高額なものはない気がする。
『ネムちゃんに任せろ』
「もう任せっきりだって」
『なんだ、なら安心じゃないか』
確かにそうだ。
ルヴィは曲げていた口を元に戻す。
『にしても、ルヴィに言われなきゃ、列車だって確信は持てなかったな。爺さんが言ってた、昔の鉄道時代とは随分と趣向が変わってて』
.「その基準で言うと、40年以上前になるじゃん……兄貴が生まれる前のことだし。かつての大国も、大事件が起こった後にはほとんど何も残らなかったって言うじゃん」
祖父の武勇伝はルヴィも何度も聞いた話だ。
『それもそうだ。……40年か』
「この国の大事件からな。どうしたんだ?」
無意識にだろう、手を顎にやって擦るのだが、無精ひげに当たったのか、嫌な顔をして手を放し、肩をすくめる。
『大したことじゃない。ただ、鉄道車両の寿命は30~40年ほどと訊いた覚えがあるからそろそろ入れ替え時かと思っただけだ。また最新技術を取り入れるだろうから、うちにも軍事関係の顧客が来るだろうと思ってな』
「軍事関係者が直接? 企業の研究所からじゃなく?」
インフラ整備には民間企業が請け負うものだと思っていた。
アクイレギアはかつて莫大な軍需産業を作り上げたことで経済が回っていた時代がある。
今でこそ表向きの形を変えてはいるものの、下地に兵器開発をしていた企業は多い。
『鉄道関係はほぼ国営……といってその実態は軍の、もっというと陸軍が運用しているものだからな。刷新されるとして導入される技術は最新テクノロジーが採用されるに決まってる。例えば、新年明けてすぐに行われる科学祭典なんかで軍のお偉方の目に留まれば、一個人でも一発当てられるだろうな……』
なんの後ろ盾もない一般人が下手に注目を集めて、消されることを危険視しているのだろう。兄の仕事の領分だ。
「それにしても、科学祭典か……アクイレギアで行われるんだよな?」
『そうだぞ。―――ああ、ちょうどいいじゃないか』
「何が?」
ルヴィは首をひねる。
『科学祭典はシンシティで行われるんだ。機会があれば行ってみるのもいいんじゃないか?』
「…………ちなみに日程は?」
一月の初めの前半だった。
「うぐっ………………ノリス教授のフィールドの見学次第だと行けるかも……?」
ルヴィは頭を抱えた。
「でもこれ以上ネムに予定変更をお願いするわけには……!?」
『後出しでいろいろ吹き込んだ俺が言うのもなんだが、軽く聞いてみたらどうだ?』
「オレの幼馴染は責任感が強いの! ちょっと言ってみただけなのに、全力で叶えようとしてくれちゃうの!」
兄は生暖かい顔をする。
『いいなあ、お前たちは。俺も要望を全力で叶えてくれる人がほしいぞ』
兄は叶える側で特化しているので、仕事が出来ると重用されているのだ。
そんな兄の願いとは、あぶく銭を使ってくれる身内……。
「………なるたけ寄り道して見聞を広められるようにネムに頼んどく」
自力ではないのでぼそぼそと申し入れると、兄は間髪入れずに頷いた。
明らかにほっとした表情だ。
「…。……うん?」
『どうした?』
兄の表情がしっかりと伺える。
画面での違和感に気づいた。部屋の隅々までがよく見える。
「そういえば、兄貴の部屋が明るいとこ、はじめて見たけど、なんかあった?」
『聞いてくれるな……いや、聞いてくれ』
どっちだよ、と内心で突っ込みつつ、うんうんと頷いた。
『こんな日も差さないような施設に閉じ込められると、発狂する奴は毎月そこそこいるんだが』
「なにそれこわい話?」
兄はあまり話さないし、ルヴィも聞かないようにしていたが、改めて上の兄の職場状況が気になって来る。とんでもなくやばいところではないのか、これ以上効くのはやめた方がいいかもと思い、「ストップ」と言ったが、止まらなかった。
今朝のことだ、と兄は両手を顔の前で組んだ。
『両隣の奴らが可笑しくなって警備員に診療所に連れて行かれた。俺はそのうちの一人と昼食をとる約束をしていたんだが、おかしくなった原因が俺にあるのではないかと根掘り葉掘り問い詰められた。こっちは睡眠削りながらやってのに、んな暇ねえよってブチ切れる元気もなく頷いてたら、何故かカウンセラーを呼ばれて鬱認定され三日間静養を喰らった。俺にこの間どうしろと』
「え、休んだらいいだろ?」
ドクターストップかかってるじゃんと指摘する。
両手をおろした兄の顔は血の気が引いたのか真っ白に明るくなっていた。
『――休むって、目を閉じて呼吸しかしちゃダメなやつのことか? そんなの拷問だろう?』
まるで睡眠を一度もしたことがないようなセリフである。
「……………んー」
目をぎゅっと閉じる。
「あ、そうだ」
可愛い末弟から長兄にお願いを一つして、通信を切り、浮き浮き気分でイヤホンを外した。長く話していたが、カウンターにある電話はまだあの男性が使用中のままで、ルヴィはまた会釈をしてからコンパートメントへと足を向けたが、背中に視線を感じた気がした。
『………すべて異常なしです。ボス』
イヤホンを外した時にちょうど聞こえた文言は、少し物々しく聞こえた。
それでも最初の笑顔であいさつされたことを思い出す。
「仕事の電話、聞いちゃったと思われたんかな?」
足取り軽くネムの元へ向かった。
******
やあ、お前たち。息災か?
大薪の復活祭の前にひと仕事だ。
先のジャングルの熱帯夜の失態は非常に残念だったが……。
今回はその面目躍如の機会としようじゃないか。
先遣隊はそろそろ窮屈なシートで小さくなっている頃だろうか?
無論、寝坊も遅刻も厳禁だ。前回のような過ちは許されない。
ご老公からの直々のご用命だ。
完遂した暁には南国でのバカンスが待っている。
長丁場となるだろうが、報酬については期待してくれていい。
良い報告を期待している。
こちらからはピザが手土産だ。
新月にて合流しよう。
******
「あれね」
列車が止まり、すれ違いを待つ。
迷彩柄の無骨な装甲が車窓をいつまでも通過し続ける。
先ほど聞いた言葉がいつまででも頭に残り続ける。
改めてこの国の、一面を目撃した気がした。
「あの迷彩柄の車体を何度見掛けたかしら?」
給仕係によって案内されたテーブルに着いて料理を待っている時に、ネムはふてくされた顔だ。
「軍事色丸出しって感じだよな」
「………アクイレギアでは、旅客より、貨物運送の方が優先されるといわれるだけあるわね」
ネムが行儀悪くテーブルに肘を立てながら窓の外を睨む。可憐な口からはきつい駄目だしが飛び出て来るが、実のところは期待していた分がっかりしたショックを紛らわそうと口数が増えているだけ。しかし、そうと分からず、気難しいと誤解されることも多い。
「旅行ってのは思いもよらない体験をするためにあるって見方もできるだろ。ほら止まった外の景色もいいもんだぞ。向こうの窓を見て見ろよ」
向かいのテーブル席には、大きな窓には美しい藍色の草原が広がっていた。
「きれい……」
ネムは目を瞠ったが、慌てたような顔をした。
そちらを見ると、ちょうどそのテーブルに案内された乗客たちと目が合った。
……なるほど。
「こんにちは」
ルヴィは笑顔で会釈をしながら、ネムとは別の意味で目を瞠った。
「やあ。君はさっきの……」
「知り合いか、ジョー?」
「どっちとだよ。美少女? それともベビーフェイスの少年? レディの方なら僕に紹介して」
体格のいい男性三人だ。
案内していた給仕が困っていた。
「ボスに連絡するときに居合わせた」
改めて口にされると、ボスというのはやはり社長とか、上司といういう意味なのだろう。何某かの組織のボスという印象が強いのは、西洋映画のせいだ。
ネムからの疑問の視線を受ける。
「兄貴とのビデオ電話するとき、同じスペースに居合わせたんだ」
なるほど、という顔をするのを見てから、ルヴィは三人のうちの特に声を掛けてきた方へと向き直る。
「どうも。オレ、うるさくして迷惑じゃなかったですか?」
三人のうちの一人、金髪に青い瞳の如何にもな白種の男性が眉を跳ね上げておかしそうな顔で噴出した。
「うるさくして迷惑? 奇妙なことを言うなあ。移民とかでもないだろ」
「あれだ。イクシオリリオン人だ」
横幅が最も大きい、角刈りの男が親指でさしてくる。
ネムはすっかり怖がった顔で、頬がこわばっている。
「黙ってろよ、お前たち。ローレルもその手をおろせ。失礼だろう」
「あ、悪い。ジョー」
茶色の髪と同色の瞳の大柄な男性は、強面に似合わず、意外にも素直な返事で手をおろした。この一見してまとまりの無さそうな三人の関係性は、ルヴィと書斎スペースで居合わせてこの男性が他の二人より頭一つ上の印象だ。
「怖がらせて済まない、お嬢さん。この通り、荒くれ育ちなもんで。いいやつなんだが、礼儀を知らねえ」
明確に水を向けられたネムが何度も瞬きをしながら、あともうともつかない呻きを漏らす。テーブルの下で手を回して握る。見えないようにしたつもりだが、話しかけてきた男性にはそれを悟られたような気がした。
「あーあ、ローレルってば言われてやんの」
「なあ、ジョー、こいつは何を言っている?」
額を押さえて窘めるのはやはり先ほどの男性だった。
「頭が痛いな。……お前のことも言っていないと思ってるのか、バルド」
二人と比べると、特徴と呼べる特徴があまりない。強いて言えば、長身な方であるルヴィと同じか少し高いかというくらいだ。砂色の髪に白い肌、閉じているような目はすれ違えば印象にも残らないだろう。
逆立てた金髪の男性は、犬歯をむき出しにしてからり笑った。
「それってジョー、僕をいいやつって思ってるってことじゃないっすか」
「言ってろ」
優男に見えた、そのジョーと呼ばれる男性は、糸目さらに細めてネムのことを見た。
「………どこかで会ったこと――いや、親戚に女医がいたり」
しないか、と男性が言いかけ、それにネムが顔を上げた時、横から一番若い金髪の――バルドと呼ばれていた――男性が割り込んで非難の声を上げた。
「あー! ジョー、抜け駆けじゃん! その子、口説くなら僕が先っしょ!」
「うるせえ、黙ってろ。堪え性のねえ……」
煩わしそうな顔になると、人畜無害を絵にかいたようなジョーはどこか酷薄に見えた。
それは一瞬のことで、ぐしゃりと髪を掻きまわすと、何でもないと首を振った。
「――あのぉ」
そこでようやく給仕がひきつった顔で存在を示した。
通路の真ん中で立ち往生している、料理を乗せたワゴンを引く別の給仕に睨まれている。
ああ、とジョーは気づいた顔をして、ルヴィたちと案内された席――その窓とを何度か往復するように見て、頷く。
「テーブル、交換するか? 外の景色が見たいんだろう?」




