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09:『トラブルは~歩いて来ない…勝手にね(笑)』的な♪

え~と…作者がうっかり説明するのを忘れていた為、最初に説明しておこう♪

魔界で冒険者や商いをしている者には必ず等級というものが存在している。


先ず冒険者は5等級あり、一番下から《白・青・赤・銀・金》となっており、その殆どが青か赤の等級者ばかりなのである。

※ちなみに銀等級は冒険者全体の0.5%、金等級に至っては全体の0.1%しか存在しないのであった。


次ぎに商いに関してだが、これは三つの等級に分類されている。

街外から行商目的で商売をする場合《黄》、露天販売で商売をする場合は《緑》、街で店舗を構えて商売をする場合は《茶》となっている。

※ちなみに納税もこの色それぞれで異なる。それに同じ街で複数の店を構える際は、それぞれが個々に登録し、納税しなければならないのと、一店舗で複数の登録をしている場合(例えば、《緑》と《黄色》の両方の登録をしている場合)はその両方の税を納めなければならないのだ。


勿論、冒険者にしろ商いにしろ、登録カードの色の偽装は完璧に不可能な魔法がかけられている。


ただし!

偽装に関しては、誰かさん(まぁ~ヘルシングの事だが…)はやろうと思えばできると思うのだが、ここではあえて伏せておこう…



以上♪では本編をどうぞ♪


『冒険者登録と商業登録しに来ただけなんだけどな~』

ルシファーへの謁見の後、ポトニャーと二人慌ててギルドまで向かったヘルシングは、総合受付にドラキュラ伯爵とルシファー王の紹介状を差し出した途端、いきなり客室まで連行?され今に至っているのであった。


本日二度目、萎縮しながら固まってしまうヘルシング…

心の中でそんな愚痴をこぼしている彼の目の前には、じぃ~っとこちらを見つめ威圧している強面のオッサン(笑)と呑気にお茶を飲んでいる年齢不詳の幼女?がソファに座ってそこにいたのだった…



「まぁ~こうなるわね…ごめんヘル君…」

ヘルシングの背後に立ち、すまなそうに冷や汗を流しているポトニャー…

彼女もまた事前の配慮が足らなかったと反省していた。


「…ヘルシング君だったね…」

重い口を開いたのは冒険者ギルドのギルドヘカトンケイレスであった。

身長2M以上、脳まで筋肉ではないかと思わせる位ムキムキな彼のその顔は、まさに悪党が泣きながら裸足で逃げ出す様な強面であった!


「…はい…」

…半べそのヘルシング…

その気持ち解らないではない…(笑)

暗がりでは決して会いたくない一人である。


「ドラキュラ公 の紹介状は解る…親戚だしな…ただ…」

「…」

「何故ルシファー王の紹介状まであるのかな?しかも連名でリリス王妃とアスタロト公の名前まで記載されている…」

ますます威圧感がUPするヘカトンケイレス!

ヘルシングの萎縮は絶好調である(笑)♪


「…な、何ででしょうかね…」

辛うじて口から出たセリフはそれだけだった。

ヘルシングにとってこれが限界なのだろう…


「ねぇ~ヘカトンケイレス♪もうよさない?この子怯えてるじゃない(笑)」

「そう言うがなブーネ、このメモを見ろよ」

ヘカトンケイレスの隣に座り今度はお茶菓子を食べている《ブーネ》と呼ばれるこの幼女…

笑いを堪えながら助け船を出してはいるが内心その真意は計れなかった。

※ちなみに彼女…商業ギルドのギルド長なのだが、何気にヘカトンケイレスの奥さんだったりする(驚)!


そう言いながらヘカトンケイレスが懐から取り出した三枚の書面…それは…


【ナ・イ・シ・ョ~♪詮索しちゃダ~メ♪】

「…この筆跡…リリス様よね…」

彼女とは付き合いが長いせいか、人目見て呆れ顔になったブーネ…

他の二枚も確認すると…

【滞り無く登録が済む事を希望する】

【今度奢るから~♪】

「これって王様とアスタロト公からよね…要は《黙ってさっさと登録しろ》って事ね…」

流石ブーネである。

物わかりが早い♪


「折を見てちゃんと経緯いきさつは話すからさ~取り敢えず登録をお願い♪」

とどめにポトニャーが補足した。

ヘカトンケイレスは天を仰ぎため息をした後、改めてヘルシングに顔を向けた。


益々萎縮して小さくなるヘルシング…

※只今ハムスターサイズである(笑)♪

「解った…ポトニャーまでそう言うなら登録しよう!ブーネもそれで頼む」

「それは良いけど…ヘルシング君、念の為に聞くけど…君の目的はあくまでも《この街に自分の店を持ちたい》だけなんだね?その《資金調達の為に冒険者になる》で良いんだね?」

何かを察したのか、ブーネは彼に念を押す様に問いただしていた。

流石隣の筋肉ダルマとは大違いである!

「は、はい!よろしくお願いいたします!」


「あ!それとドラキュラ伯爵にはルシファー達の紹介状の件伏せといてね♪」

ポトニャーは忘れない様にその事を念を押した。


「ん?何故だ?」

「ちょ~っとデリケートな部分に関わってくるから♪ね!こっちも折を見て私から話すからさ~お願い♪」

「…承知した…ただし変な事には巻き込むなよ!」

「解ってるわよ♪」

諦め顔のヘカトンケイレスに、笑顔で何の根拠もない自信を込めて返事をするポトニャー…


「ヲル、ワム♪」

「お呼びですか?」

ブーネが客室のドアに向かってそう呼ぶと、二人の秘書官らしい兎族と犬族が現れた。

「彼、ヘルシング君って言うんだけど、受付で冒険者登録と商業登録の手続きをしてくれない?」

「承知しました」

「ではヘルシングさん一緒に来て頂いて宜しいですか?」

「は、はい!」

二人はそうヘルシングを促した。

彼は二人の巨乳に圧倒されながらも慌てて立ち上がると、この場にいる面々に会釈し客室を出ていくのであった。


それから30分後…

「やっとこれで帰れる……(涙)」

思わず大粒の涙をながしながら、登録が間に合った事を喜ぶヘルシング…

リアクションに困るポトニャーは、ドラキュラ伯爵の屋敷までの道すがら、帰りが遅くなった言い訳と明日からの行動予定を考えていた。


「ヘル君、ドラキュラ伯爵には私に街を案内して貰ってたから遅くなったって言うのよ」

「ポトニャーさん、沢山迷惑をかけてごめんなさい…」

丁度屋敷の門迄たどり着いた二人…

たった一日で色んなショックな事が身に起きたヘルシングだが、元を辿れば統べて自分の身から出た錆びだと認識しているせいか、ポトニャーに深く頭を下げお詫びと礼を言っていた。


「良いのよ、乗り掛かった船だし♪それよりも明日から早速指導に入るからよろしくね♪」

ポトニャーそう言うと明日の待ち合わせ場所と時間をメモした紙をヘルシングに渡した。


「こちらこそよろしくお願いいたします♪」

それを受け取った彼は、改めてポトニャーに礼を言うとそのまま屋敷の門を潜るのであった…


その姿を確認し微笑むポトニャー…

だが彼女はまだ知らない!

明日から違う意味で自分に試練が舞い込んで来る事を!



次回

10:『忘れ物?忘れてた!忘れないで♪』的な♪


ポトニャーよ…

作者も読者も君の流した涙の事は忘れないよ♪


………たぶん………♪





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