表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

08:『 ネタはあがってるんだし正直に白状しなさい』的な♪

魔魍街に到着そうそう、魔界のお偉方々に囲まれる羽目になったヘルシングは、滝の様な冷や汗を全身から流しながら、今正に取り調べを受けようとしていた。

さながら彼にとって死の宣告を待つ様な思いである(笑)♪


「ヘルシング、何をそんなに緊張している?我々は君に幾つか尋ねたい事があるだけだ。もう少し肩の力を抜いたらどうだい♪」

「ば、ばってん……」

成人したばかり…しかも超が付く位田舎で暮らしていた彼にとって、こういう公の場に突然引っ張り出されて平然と出来る程、肝が座ってはいなかった。


「そうだポトニャー♪彼にあのアイテムあげても良いかしら?」

場を和ませたいのか?リリス王妃は唐突にそう言うと、胸の谷間からダイヤモンドカットを施したブローチを取り出した。

※何処に閉まってるだかこの王妃……


「あのアイテム?」

ちょっぴり…

いや、かなりドン引きしながらポトニャーは王妃に尋ねていた…(笑)

「これよこれ♪覚えてない?」

「あ~!《言語変換ブローチ》♪」

ポトニャーは呆れながらもそれを確認すると、そのブローチが何なのか検討が付いた。


「外交用にマ・ザーに作って貰ったじゃない♪さしあたって今は必要ないし、また作って貰えばいい事だから~♪どうかしら?」

実は……

※事の発端は対外貿易の際、かなり昔の事なのだが、文化の違いというか言葉の壁で危うく喧嘩になりかけた事があったのだ!


「そうですね、こちらも今後の事を考えると助かるわ♪」

「はい、ヘルシング♪これ着けて♪」

「…これをね…」

ポトニャーは納得すると、リリス王妃からブローチを受けとりヘルシングに渡した。


恐々と受けとるヘルシング(笑)♪

その際警戒心からか、つい余計な事を聞いてしまった。

「…着けても死なんと?」

笑顔で頷くポトニャー♪


「…変身して巨大化せん?」

多少ひきつりながら頷くポトニャー♪

※念の為に言うが、ウ○○○マンではない!


「…まさか…満月に向かって遠吠えしたくなるとか…」

あ!こめかみに怒りマークが!

※それは時々ウィルがやっている事!

(別作品の登場人物です♪)


「えーい!四の五の言わずにつけんかーい!!」

「は、はい!!」

半ば鬼の様な形相で迫るポトニャーに恐れをなしたヘルシングは、慌ててブローチを胸元に付けた!


すると……

「どうよ?」

「どうよって言われても……あれ?」

ちょっぴり癖の強い方言が抜けている……

「ヘル君、試しにこれ読んでごらん」

ポトニャーはそう言うと懐から《カンペ》を取り出した。

「え~と、《絶賛恋人募集中~》」

……をい…ポトニャーさん……

何処で使うの?そのカンペ?


「え?!あ!違った、こっち!!」

慌ててカンペを取り替えたポトニャー…

何気に顔が真っ赤である(笑)♪


「え~と、《自己紹介》?」

「あ!僕はヘルシングと言います。この街で錬金術のお店を開きたいと思って田舎から出てきました。よろしくお願いします!」

事の趣旨を理解したヘルシングは、聞き取りやすい言葉で軽く自己紹介を始めた。


今までのポトニャーとヘルシングのやり取りを、笑いを堪えながら見ていたルシファー…

周りを見ると他のメンバーも笑いを堪えている♪


「聞けばドラキュラ伯爵の甥っ子なんだってね♪じゃ~御父上はバンなんだ♪」

何とか平静を取り戻そうと話題を変えるルシファー…

「父さんを知っているんですか?!」

そんな意図に気づきもしないヘルシングは早速この会話に食いついてきた。


「何度かパーティーを組んだ事があったからね(笑)」

実は前話で話していたルシファーが以前パーティーを組んでいた地元の冒険者とは、どうやらヘルシングの父親バンらしいのだ!

ピュマの時もそうだが、改めて多くを語らない寡黙な父親の過去を垣間見たヘルシングであった。


「所でヘルシング君、そろそろ本題に入るけ訳だが…」

咳払いを一度して姿勢を正したルシファーは、やっと本題に入ろうとしていた。

「ご両親や伯爵が知らない君の秘密を教えてもらえないかい?」


『あ~やっと話が進む…(汗)』

最初の緊張感も何のその、あまりにも脱線ばかりの展開に当初の目的を忘れていたアスタロトは、思い出した様に心の中で呟いていた。


「秘密ですか…?」

「…解りました、実は……」

ヘルシングは観念して正直に話そうと覚悟を決めた!


…決めたのだが…

「こんにちは~ご注文のカツ丼六人前お持ちしました~♪」

「ア、アーシュ……?」

何故にこのタイミングで出前が来るんだろう…?

しかも出前を頼んだ店が近所じゃなくて、別次元の喫茶店…?

そもそも何でいきなり美術さんが取調室の舞台をここにセッティングしてるの…?

※だいたい別の小説のメインサブキャラがいきなり顔を出すのはいかがな物だろうか…?


「まぁ~先ずは食事を先に済ませようか…」

一瞬で王の玉座の一角が刑事ドラマの取調室に変わった事は置いといて~、皆お腹が減っているのかどうか知らないが、各自打ち合わせしたかの様に同時に頷くと、とりあえず食事タイムにするのであった……


一時間後……

食欲が満たされたルシファーは、全員食事が終わっている事を確認すると早速《簡易取調室》に皆を集め話を聞き始めた。


「早速《取り調べ》…もとい《尋問》…じゃなくて~あ~そうだ!《説明》をしてもらおうかな?ヘルシング君♪」

「は、はい!え~と~カクカクシカジカ…」

ヘルシングは観念して第一話から第七話までのストーリーをダイジェスト形式でかいつまんで話し始めた。

※ オイオイ!そこは簡略化するんかい!


「成る程…そう言う事なんですね…」

※それで解るん?!ねぇ解るん?!

全員何度も頷きながら最後まで話を聞き終えていた(驚)!


「…解りました、にわかには信じられませんが君が嘘を付いてるとは思えませんし、暫くはポトニャーが面倒を見るのですから、様子観察とさせて頂きます。良いですか?」

「はい、勿論です。僕も急な事で実際解らない事ばかりですから…」

「ポトニャー、よろしく頼みますね。それとドラキュラ伯爵には私の方から折を見て話をしようと思いますから、それまでは隠蔽していて下さい」

ルシファーは最終的にそこを収まり処に話を終わらせた。


「了解♪さてと~ヘル君、話も終わった事だしまだ間に合うからさっさとギルドに行って登録しようか♪」

「おや、冒険者ギルドに登録するのかい?」

「はい♪それと商業ギルドにも顔を出そうかと思ってます」

「そうですか♪ではこれを持って行きなさい」

ルシファーはそう言うとディメンション・バッグから一枚の紙を取り出した。


「私からの紹介状です。伯爵の紹介状と合わせて提示すれば、スムーズに手続きが済みますよ♪」

「あ、ありがとうございます♪」

「何か困った事があったら相談に来なさい」

「はい!」


ヘルシングはルシファーにお礼を言うと喜んでその紹介状を受け取ったのだが…


彼はまだこの時点では気づいていなかった…

この紹介状が新たな騒ぎの火種になる事を…



次回

09:『トラブルは~歩いて来ない…勝手にね(笑)』的な♪


さぁ~ヘルシング!お役所が閉まるまで後残り一時間だ!

夢のマイホーム兼工房(お店)を持つ為に!行け~走れ~♪


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ