05:『誰だ?誰だ!誰だ~』的な♪
こんにちわ♪神威ルートです。
いつも読んで頂いてありがとうございます♪
今回から本格的にクロスオーバー作品《異世界物語~オーバー・ザ・クルセイダー~》と絡んでお話が展開していきます!そちらも合わせて読んで頂けたら嬉しいです♪♪
一角馬の背に乗り、ドラキュラ伯爵と共に王城がある魔界の中心街《魔魍街》に向かうヘルシング。
彼は目の前に徐々に近づいて来る街門を見るだけでワクワク感が押さえられないでいた。
「叔父さん、あそこを通ったらいよいよやね♪」
「何だヘル、ウズウズしてしょうがないのか(笑)?」
叔父であるドラキュラ伯爵もそんな甥っ子の姿を背中で感じ思わず微笑んでしまていた。
「当たり前やん!一日も早よ~兄ちゃんみたいに一人前になろうごたんもん♪」
彼にとって兄の存在のその先にいる父親を越える事が最終的な目標であった。
その前にまずは兄の様に一人前になる事が先決だとヘルシングはそう思っている。
「そうだったな!その為にもまずはギルドに登録して冒険者にならないとな♪」
「そげんよ!そしてお金貯めて庭付きの店を構えたら皆を招待するって決めとるもん♪」
それがヘルシングの一人前になる為の第一歩だと心に誓っていた。
「私もお主の両親に止められていなければ、どんな助力も惜しまんのだが……」
主に父親であるバンからの進言であった。
不器用な父親ではあるが、彼なりに息子の意思を最大限尊重した結果だったのであろう。
ドラキュラ伯爵は、その気持ちを汲んで今回最低限のサポートしかしない事を決めていた。
「気にせんとよ♪甘えとっても何にもならんけん!」
「そうか、良い心掛けだ!流石我が甥っ子だ♪頑張るのだぞ!」
そんなヘルシングの言葉に甥っ子ながら誇らしささえ感じてしまうドラキュラ伯爵であった。
そして暫くすると魔魍街の街門に到着したヘルシングは、門を守る衛兵達に《入国許可書》を見せた。
ドラキュラ伯爵の付き添いのお陰もあるのだが、本来ならギルドカード等身分証を持たない者は、直ぐには入国できないのである。
それがものの数分で許可が降りたのだ。
門を潜りついに街中に入ったヘルシングは、まずはその住人の多さに呆気にとられていた。
一角馬から降りた彼は、好奇心が先行してしまい、そのままドラキュラ伯爵と徒歩で街中を歩く事を決めた。
道すがら回りの建物をキョロキョロ見渡す彼は、余りにも故郷と違う街並みに今更ながら感嘆の声しかあげる事ができずにいる。
観光方々暫くゆっくり歩いているとちょっと開けた広場の様な所に二人はたどり着いた。
するとその広場の先に、三階建ての一際デカイ建物が彼の目の前に飛び込んできたのだ。
「ヘル、あれが統括ギルドだ!」
ドラキュラ伯爵が説明してくれたが、やはりその建物が《統括ギルド》らしい。
「す、凄か建物やね~!!」
ヘルシングは改めてその圧倒的な迫力と派手な洋装の建物にたじろいでしまい、思わず一歩後退りをしてしまった。
その時である。
「伯爵~!」
背後からドラキュラ伯爵の名を呼ぶ女性の声が遠くから聞こえてきた。
伯爵がその声に気付き振り向いた時、ヘルシングもつられて一緒に振り向いてしまった。
しかし遠目だったせいもあるかもしれないが見覚えがない人影に感じてしまった。
「おー!ポトよ、もう来てたのか♪」
すると段々と冒険者の格好をした若い女性のエルフが、向こうから駆け寄って来るのが目視できる様になっていった。
「今来た所♪あ、彼が例の甥っ子さん?」
「はじめまして!ヘ、ヘルシングです!」
やはり初対面だった彼は、緊張のせいか珍しく標準語で挨拶してしまっている(笑)。
「紹介するヘルよ、彼女は私の盟友で《獣魔師》の ポトニャー・テロン嬢だ」
「ポトニャーでいいわ、よろしくねヘルシング君♪」
そう、彼女こそはこことは違う次元に存在する世界の住人でドラキュラ伯爵の友人でもある《ポトニャー・テロン》であったのだ!
「こ、こちらこそよろしくです!」
異種族ではあるが彼女の正体(笑)を知らないヘルシングは、その容姿の綺麗さに再び緊張してしまっている。
※別作品《異世界物語~オーバー・ザ・クルセイダー~》を読んで下さっている方々もご存知ないだろうが、彼女は、意外と容姿端麗なのである♪(男運は無いのだが……)
「ヘルよ、この事は事前にバンからは了解を得ているのだが…」
「彼女がこれから冒険者になるお主の為に指導をしてくれる事になっておる!」
ドラキュラ伯爵はヘルシングの身を案じて、これだけは彼の父親に頼み込んで許可を貰っていたのだった。
「え?こげん綺麗かエルフさんが教えてくれるとね!!」
まるでお世辞じにしか聞こえかねない台詞だが、彼女にとっては普段言われつけない言葉だからこそ免疫力がない!
さぞかしときめいている筈だろうと思っていたのだが………
「………ちょっと待って《こげん》って何?もしかして方言?」
先に疑問系の言葉が返ってきた。
「ん?地元の言葉やけど…もしかして解らんですか?」
「………《やけど》?」
益々彼女は混乱してきている様だ。
「…ポトよ、最初は意思の疎通に苦しむかも知れんが、時期に慣れる(多分)♪だから心折れないで欲しい(笑)」
たまりかねたドラキュラ伯爵は、すかさずフォローをいれたのだが……
「…………………」
ポトニャーからその場で返事を返して貰う事はなかったのだった……
次回
06:『 破格の錬金術師? 』的な♪
ついでに登場?アスタロト&新婚(当時)サタナキア登場♪
色々波乱含みの展開にこうご期待です♪