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03:『なんだか思い出しちゃったんですけど~』的な♪

こんにちは~作者の神威ルートです♪


クロスオーバー作品《異世界物語オーバー・ザ・クルセイダー》もよろしくです♪

《虚無》という世界を表現するのは難しい…

それにこの世界が果たして《虚無》なのかどうかも誰にも解らない。

ただここには、確かにおよそ人が持つ五感…いや六感でさえも認識できない世界が広がっているのだった。


そして今、刹那とも言えるこの瞬間、この世界に二つの意識が生まれた……

「△△△△よ、これからどうするのだい?」

「どうもしないわ、ここから先は落し子達が紡ぐ歴史が始まるだけよ」

会話ではない、まるで音色にも似た響きがこの世界全体に広がっている。

そう、まるで波紋の様に……


「導きし者は?」

「それは必然的に生まれ、そして消えて行くでしょうね。」

「我々の関与は不要という事か…」

「そうです。いずれの者達の前には神と呼ばれる者達が現れるでしょう…ですがそれは私達ではありません」

「…私達の役目はここまでと言う事か…」

「△△△△、貴方こそこれからどうするのですか?」

「私は…今は眠りにつこうと思う」

「次の啓示が来るまで?」

「そうだ、貴女は?」

「私は…別の宇宙そらで人として生を謳歌おうかしてみたいと考えています」

「ほう、何故?」

「《好奇心》というものでしょうか?何故か《人生》というものに興味が湧いてしまいました」

「そうか…では我々はここでお別れか…」

「はい、いつかまたお逢いしましょう」

聞く限りに置いて、我々が知る神よりも遥か高位の存在であろう…

そしてこの二つの流れる様な波紋は、この言葉を最後に忽然こつぜんとその場から消え去って行ったのであった……


そして…

「……思い出した………」

崖からまっ逆さまに落ちたヘルシングは、気がつくと仰向けのままいきなり目を見開きポツリとそう呟いた。

「俺…半分は俺や無かったやんか……」


実は彼は七歳の時、一度死にかけていたのだった。

それは親にナイショで一人で薬草採取の為に近くの森へ入った時の事である。

目的の薬草を手にいれて、上機嫌で家路につく途中、いきなり現れた『はぐれモンスター』に襲われ大怪我をしたのだった。

なんとか相討ちに持ち込んだ彼は、出血の為に意識が朦朧もうろうとする中で死を覚悟していたのだが、

その時である…

誰かにささやかれたのであった。

{ここで死ぬかまだ生きたいか}の選択を…

そして選択したのである。

『まだ生きたい』と……

彼は自分の中にその誰かを取り込む事で助かったのであった。


崖から落ちた事を自覚しているヘルシングは、恐る恐る起き上がりながら怪我の有無を確認するとそのままゆっくりと立ち上がり崖を見上げた。

「運が良かったごたるね、怪我はなか……」

「さて、どがんするか…」

この高さから落ちたにも関わらず、怪我一つ無いことに不思議がりながらもヘルシングは次の行動を考えていた。


「取り敢えず上に戻らんと…」

直ぐにキャラバンの事が気になったヘルシングが、そう呟くと、

「?!」

不意に身体に重さを感じなくなった。

「なんやこれ…俺どがんなっとると……」

その途端いきなり身体が空を飛び、崖の上まで一気に辿りついたのだ!

呆気にとられながらも兎に角、襲撃場所まで戻ったヘルシングは、辺りに死体が無い事を確認すると取り敢えず胸を撫で下ろしていた。

『死体がなかけん皆助かったとやね…』

実際、崖から落ちて何日立っているのかも解らない彼は、キャラバンの面々の安否確認の後、次にどうするかを考えようとしたその時である!


{ステータス・オ~プン♪}

「は?す、すてえたすおうぷん?」

突然頭の中に直接声が響いたかと思うと、目の前に教科書の様なページが突然出現したのだった!

「な、なんこれ!!」


《ステータス》

名前:ヘルシング

種族:蝙蝠族

年齢:16歳

性別:?(18歳になったら選択可)

経験:無し

好物:野菜(特にトマト系)

嫌物:人型モンスター全般

趣味:実験

特技:何処でも寝れる

スキル :錬金術・複合術

レベル:測定不能

体力:測定不能

魔力:測定不能

耐性:総てに対応可

チート :隠蔽・鑑定・創造・身体強化

称号:創造主の依代・〈∋∈〉の紋章持ち

補足:∞ディメンションバッグ

※追加補正=随時自動更新及び追加


そこには個人情報と同じく規格外の名称がズラリと並んだ一覧がヘルシングの前に並んでいた。

『…よく解らんけど、これが噂の《ちいと》とか言うもんなんか…』


ヘルシングは以前《冒険者》だった母親から聞いた事があった言葉を思い出していた。

何でもこの世界には、規格外の能力を持った者がいるらしく、その能力を総じて《ちいと》と言うそうだ。


{そうですよ♪}

「なん?誰ね!頭ん中で話すとは!」

するとまた突然彼の頭の中に直接声が響いてきた。

{覚えていませんか?あなたが幼い頃助けてあげた…}

「あー神様ね!」

{ちょっと違いますが、まぁ似たような存在です}

「また助けてくれたんね、ありがとう♪」

{いえいえ、ここであなたに死なれたら私もちょっとつまらないものですから(笑)}

…なんだか然り気無くダークなニュアンスが含まれている気がする…


「…俺これからどげんなるとかね…」

{今までと変わりませんよ、只折角思い出したんですから、ちょっとだけあなたがこの規格外な能力を自覚するだけで良いんですよ♪}

「そうね、そん位で良かつやね♪」

{…あなたに尋ねます…この能力を使って世界の王になりたいですか?その気になれば出来ますよ…}

すると不意にその声の主は、少し声色を変えヘルシングにそんな質問を投げ掛けてきた。

「そげんか怖かこつせんよ!俺は自分の店を持ちたかだけやっけん!」

{《…やはり……》そうでしたね(笑♪)では私はそれを楽しみにしていますよ。ではお休みなさい♪}

いつもの口調に戻った声の主は、最後に眠りの挨拶を彼に済ますとスーとその気配を消していった。


{…忘れないで下さいね、あなたが見るものも感じる事も経験する事も想いもです。総て私と共有する事を……}

この最後の言葉を聞いてヘルシングは何だか監視されている様な気持ちになったのだが…


「まぁ別にどがんでもよかろ、そんな事♪」

いつもの調子(深く考えないと言うかお気楽と言うか)に戻った彼は、あっさりと何事もなかったかの如く、差し当たって当初の目的通り王都を目指して再び歩きだすのであった。



次回

04:『は~るばる来たぜ魔魍街~』的な♪

読者諸君、シリアスとコメディどちらがお好き?

次回投稿は5/15です♪

うっかり忘れていなければいいんだけど……

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