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16:『何てこったい!!』的な♪

取り敢えず今の所は順調にダンジョン内を目的地まで進む一行。

だが、徐々にだがウィルの顔色が悪くなっていた。

まるでバイキングで食べ過ぎてしまったコスプレ女子の様に(笑)


それはヘルシングも同じだ。

ダンジョンの奥へと進むにつれ、閉鎖的なダンジョン内の魔臭に当てられているからか、もしくは深層部に埋もれているアダマンタイト・クリスタルから溢れ出す魔力の影響か、兎に角二人共明らかに様子がおかしくなっている。


「まぁ~この辺でいいか…」

ドゥモワーそう言って立ち止まるとヘルシングとウィルを無言で手まねいた。

「おめぇ~らここで禅をくめ」

「「禅?」」

「何だ~!知らねえのか?こうすんだよ」

疑問符を頭に浮かべる二人に呆れて、ドゥモワーは禅の仕方をレクチャーした。


「解ったらさっさとやりな」

二人は言われるままその場に座り禅を組んだ。

すると…

「《捕縛オクトパスヘラー》」

「ごめんね…《ロックアイ》」

ドゥモワーは禅を組んだ状態で二人を動けない様にし、すかさずポトニャーが眼と口を開けなくした。

「「!!」」


「二人共…何があってもこのまま取り乱さないでね♪それに能力を使うのも禁止します」

「ちなみに…無理矢理解除しようとしたら…てめぇらでも黒焦げになるぜ(笑)♪」


『何でこんな事を!』

『ポトニャー怖いニャ!』

そんな二人の抗議の声も口に出して言えない処か、ジェスチャーすら出来ない位動けないでいた。


二人共暫くは無駄に抵抗を試みていたのだが、徐々にそれを諦め、この状態を受け入れ始める。




『何でお二人はこんな事をするんだろう?』

暗闇の中、ヘルシング はそんな事を考えていた。

訳等一切解らない彼なのだが、暫くすると今まで感じていた不快感が少しだけ楽になった様な感じをうけていた。


『あ…何だか変だ…何か見えてくる…』

そんな彼の頭の中に川のせせらぎの様なささきと、春の陽射しの様な暖かさが流れこんでくる…

『何でだろう…そんなものここで感じるわけないのに…』

確かに今は光苔の薄明かりが浮かぶダンジョンの中にいた事は自覚していた。

そこには勿論川も無ければ外の光が入り込む隙間すらなかった筈である。


《なのに…感じる…》

好奇心からか、その流れの先を見てみたくなったヘルシングは、自然と感覚のみでその流れの先を追っていった…


すると…

『あ~気持ち良いな……』

段々あの不快感が無くなり、逆に心地好くなっていくヘルシング。

しかも流れの先に微かに見えていた小さな点の様な物が徐々に大きくなり自分を包み込むのが解る。

『ア…眩しいな……♪』


「ヘル君…それが《魔渓の種 (シード)》…貴方の魔力の本質と形よ」

「ウィル、おめぇも何か見えたろ?」

ポトニャーとドゥモワーのその声を合図に総ての束縛から解放されていったヘルシングとウィル。


「センスの問題だろうな♪こいつらバカみたいに素直だし、俺みてぇに汚れてねぇからな(笑)♪」

「あら、やけに奥ゆかしいじゃないドゥモワー(笑)♪」

「抜かしやがれ!おら、もう自由にしていいぜ♪」

珍しくポトニャーに誉められて照れ臭くなったドゥモワーは、何時もの様にぶっきらぼうに二人に声をかけた。


ヘルシングとウィルはそれを合図にゆっくりと目蓋を開き口を開ける。

「アーシュのサポートいらなかったわね♪」

「おうよ♪おめぇら!何か見えたか?」

「僕は川と光…後暖かったな……」

「ウィルも凄~く暖かったニャ♪それとでっかくて綺麗な猫さんと会ったニャ♪一杯一杯お話したニャ♪」

ドゥモワーの問い掛けに、特にウィルはとても嬉しそうに答えていたと。

「二人共この体験を忘れちゃダメだからね♪この事が自分の能力や力をコントロールするきっかけになるんだからね」

「はい…何だか全部が楽になった感じがします」

「ウィルも凄く楽ニャ♪」

二人共ポトニャーが言う《魔渓の種 (シード)…魔力の本質と形の意味》はよく解らなかったが、感覚的な物は理解していた。


その証拠に…

「ヘル君、嫌な匂いがしなくなったニャ♪」

「え!僕臭かったの?!」

「そうニャ♪」

そんな事を言うウィルも全身の毛が警戒心で立ったりはしていない。


「じゃ~引き続き探索を再開しましょうか?」

「ちょ、ちょっと待ってください!!」

「どうしたのヘル君?」

すると改めてダンジョンの探索へ向かおうとするポトニャーを慌てて引き留めるヘルシング。


「その前に…これってお二人がやったんですか…?」

そうなのである。

ヘルシングとウィルを丸く囲む様にモンスターの死体が山の様に高々と積みあげられていた!


「まさか~♪ドゥモワーがいるのに私が戦う訳ないじゃない(笑)」

「はぁ~戦うだ~?!準備運動にもなってねぇぞ(笑)」

そうらしい……


バカでスケベで自分勝手で怠け者で横着で問答無用の変態(なにげに酷い表現なのだが普段恋人であるロマがそう言っている)な彼なのだが、腐っても…本当に腐っても…本当に本当~に腐っても(くどい!)自称最強の魔道士なのである(笑)


その悲惨というか、かわいそうな状況を垣間見て、冷や汗を流しまくるヘルシングなのだが、ウィルとポトニャーは何時もの事だと言わんばかりに談笑している。


「さぁ~ボサっとしねぇで行くぞ!」

ドゥモワーの号令と共に全員ダンジョンの奥へと足を運ぶのであった。




ただ約一名…

訳が解らないショックを隠しきれないまま…





次回

17『それ絶対ヤバイやつ』的な♪


次回こそ…次回こそシリカゲル…じゃなくて100%シリアスを全面撤回する事を公約に掲げる作者だニャ♪

(オイオイ、まだウィルの口癖に感染してるてば)




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