15:『頑張れ!強いぞ!僕らのニャ魔化?』的な♪
通称 《メイクアップ・ダンジョン》
ドゥモワーやポトニャー、ウィルが見守る中ヘルシングが挑もうとしているダンジョンの通り名である。
間違っても《◯に変わってお仕置》等は無いが、一週間単位で内部がリニューアルする為
冒険者達からはそう呼ばれていた。
それともう一つ、このダンジョンにはある特性がある。
それはアンデッドやリッチ等、物理攻撃が余り効果が無い人型モンスターばかり出る事で有名なのであった。
「と、言う事でヘル君頑張って行ってらっしゃい♪」
「え?」
「ちなみに言っとくけど、あんまり強い魔法を使うと崩落する恐れがあるから気をつけてね♪」
「ぼ、僕一人でですか?」
「まさか(笑)私達は後方で見てるから♪」
「おいヘルシング!目標はこのダンジョンの奥にある《アダマンタイト・クリスタル》の採取だ♪頑張れよ~」
何だか嫌なニヤリ顔をするドゥモワーに不安の色を隠せないヘルシング…
しかしアダマンタイト・クリスタルの採取と聞いて錬金術師としての好奇心が勝ってしまった彼は気を取り直してダンジョンの入口を潜るのであった。
余談なのだが説明だけはしておこう。
この世界に現存する最高級の希少鉱石…
それが《アダマンタイト・クリスタル》だ。
その加工は非常に難しく、並みの錬金術師では到底無理な代物であり、またそう滅多にお目にかかる事ができない鉱石なのである。
故にその鉱石が発見された場合、その管理・所有は国の管轄になっているのだ。
まぁ~それでも錬金術師にとって喉から手が出る程扱ってみたい鉱石なのである。
『小さい頃見たアダマンタイト・クリスタルがここにあるんだ…今度こそ触ってみたいな…』
実はヘルシング、幼い頃一度だけその鉱石を見た事があった。
名の知れた一流の鍛冶職人である父親がその鉱石を使って剣を作って欲しいと依頼された事があったからだ。
太陽の光を反射し、七色に輝くその美しい鉱石…
それを使い父親が一週間もかけて作ったその剣は、噂では国王であるルシファーが所有していると聞いている。
この鉱石はヘルシングにとってその頃からの憧れの鉱石なのであった。
ダンジョンの奥深く不意に現れるモンスターを駆逐しながら進むヘルシング…
「なぁ~ポトニャー…あいつまだまだ自分の魔力をちゃんと制御できてねぇが、それができる様になったら…化けるぜ…下手すると俺やアーシュに並ぶんじゃねぇか?」
後方で彼を見守るドゥモワーはポトニャーにそんな事を話始めた。
初対面の時、ヘルシングから無意識に溢れ流れる魔力の波動を感じていた彼は、内心脅威と警戒心を抱いていたのだった。
「やっぱりそう思うでしょ、だから暫くドゥモワーに預けたいのよ…私じゃ役不足だし、それにウィルだってそう感じてるみたいだから」
「何ウィルがか?」
「良く見てよ、ほら」
ポトニャーから促されてウィルに目を向けたドゥモワー。
良く見ると、尻尾を含む体毛が段々と総毛立ってきていた。
「ありゃ…」
「そう…私もさっき気づいたの…多分本能的にヘル君に対して防衛本能が働いているのよ」
「不味いな…」
「バステトから聞いてた《神獣化》…もしかしてするかもしれないわ…」
ポトニャーが言う《神獣化》とは?
俗に言う《魔化》現象の事である。
稀にウィルの血族者の中に現れる現象であり自らの意思でコントロールする事が非常に難しくなる変化なのであった。
しかもその力は世界を滅ぼすとまで言われている!
現状、自分の意思で神獣化をコントロールできるのは父親であるラー国王のみである…
「つまり、俺を呼んだ理由ってのはそれも含んでって事か?」
何故この場にウィルが同行しているのか疑問を持っていたドゥモワーだったが、これで合点がいった様だ。
「…ルシファー国王を通じて、ラー国王からの極秘依頼よ…」
「ヘルシングの魔力制御訓練とウィルの神獣化のコントロール…か」
「最悪アダム王からはアーシュにもフォローに入ってもらう様に許可を貰ってる」
「アーシュが了承したのか…了解した、最後まで面倒見るぜ」
魔界と友好を持つ国家ロムトレート…
国王であるアダム・フリード・カイザーが率いる18人の親衛隊の中でも特殊な《ジョーカー》の称号を与えられているアンシャード・レミュートン…通称アーシュ…
ドゥモワーですら一目を置く彼?までも今回の件に一枚噛んでいるらしい。
「ありがとうドゥモワー♪」
ポトニャーは多少なりと安心したのか、ホッと胸をなで下ろすのであった。
ただ……
作者としてはこんな尻上がり…じゃなくてシリアスな展開は望んでいなかったりする…
次回
16:『何てこったい!!』的な♪
次回こそシリアル…じゃなくてシリアスを全面撤回する事を公約に掲げる作者だニャ♪
(オイオイ、ウィルの口癖に感染してるし)




