01:『少年?よ大志を抱け』的な♪
こんにちは~♪神威ルートです♪
処女作、異世界物語 (オーバー・ザ・クルセイダー)と一部クロスオーバーする作品です!
月に1~2回の更新になりますが、よろしくお願いいたします♪
我々人類が住む太陽系第三惑星地球…
に良く似た惑星《魔球》
この星は度重なる地殻変動、小惑星の衝突、ウィルス、戦争等で様々な生命が滅び去っていった。
そして最後の滅亡から約三万年…
世界は五つの王国が支配する、神秘と冒険が溢れる世界へとなっていたのだった。
人族はモンスターとなって生まれ変わり、この世界で平和に暮らす天使族や魔族等の生活を脅かしていた。
その天使族や魔族等の中には、冒険者になる者が多く、世界各地に存在するダンジョンを攻略したり、災害モンスター(人族)を討伐したりして生計をたてていた。
そしてその中には《勇者》と呼ばれるパーティーも存在しているのだった。
そんなダンジョンもなければモンスターも滅多に現れない、凄~くのんびりとした田舎の山村《暗山村》では、今日16歳の成人を迎えた一人の若者が旅立とうとしていた。
「じゃあ、行ってくんね。」
その者の名は)《ヘルシング》
蝙蝠族の両親と兄を持つ性別不明の若者は、ロリにもショタにも拉致られそうな満面の笑顔を家族や村の皆に向けながら、別れの挨拶をしていた。
「病気や怪我には気をつけやんよ(涙)!それと道中モンスター(人族)には気をつけやんけんね(涙)!」
実年齢が何歳か解らない位見た目が若い母親は、バケツが必要な程の涙を流しながら息子?の旅立に立ち合っていた。
「母ちゃん泣かんと!行かれんごつなるやん!」
ヘルシングは昔から感激屋で涙脆い母親に半ば呆れつつも、心配される事が嬉しくてつい貰い泣きしそうになっていた。
「ほら、おかん!ちょっとどき~」
そこに割って入る感じで、五つ年上の(BLの主人公の様な)兄が口を挟んできた。
「兄ちゃん、家の事頼んどくね。」
「お前も向こうの生活落ち着いたら一度位帰ってこやんけんね♪」
『戦士』のスキルを持ち、昔から家族思いで優しく頼もしい兄は、ヘルシングとって自慢の兄であった。
村人からも信頼が厚く、若干21歳の若さだが、次期村長の有力候補にもなっている。
「解っとる!それよりも早結婚せんね(笑)♪」
その兄の唯一の欠点がこれである。
とにかく恋愛事に鈍感で唐変木なのである。
その気になればハーレムなんか直ぐに出来る程、村の女性達から慕われているにも関わらず本人は全くその辺を気付いていないのであった。
「こら、ヘル!お前忘れとるやっか!これ持っていかんとでけんやろが!」
そこへ
『見送りなんか俺は行かん!』
と強がっていた頑固者の父親が一通の封書を持ってやって来た。
《鍛冶》のスキルを持ち、王都の武具商会からも直接依頼がある位凄腕の父親も、ヘルシングにとっては自慢の家族だった。
ただ、何時もぶっきら棒で気が短いのがたまに傷なのだが…!
「あ、ゴメン忘れとった。」
それは、母親の兄であるドラキュラ伯爵から送ってもらった王都への《入国許可書》と《紹介状》であった。
入国許可書に関しては、これが有るのと無いとでは、初めて王都へ入国する際の手続きが段違いなのである。
それに巷では《詐欺師》=《錬金術師》というイメージがある為、直ぐ変な目で見られてしまうのだが、伯爵家の紹介状があれば、各ギルドへの登録をする時も素性を疑われる事がなくなり、またそれが身分を証明するものにもなるのだった。
「向こうで叔父さん(ドラキュラ伯爵)に会ったら、ちゃんとお礼言わやんけんね。」
「うん、じゃあ行ってくんね♪」
父親に髪の毛がグシャグシャになる位撫でられたヘルシングは、見送りに来た皆に一礼すると、元気良くその場から走りだして行ったのだった。
そう、彼は《錬金術師》のスキルを持っている。
「よーし!向こうで必ず自分の店を持つけんね!!」
しかもただの錬金術師のスキルではない!
とてつもなくチートな《おまけ付き》のスキルを持っているのであった!
ただし本人はまだその事に気づいてはいない……
そしてその事を含め、これから王都に辿り付くまでの間に、彼?は様々な事実を知ることになるのであった。
次回
02:『一難去らずにまた一難~』的な♪
読者諸君、作者は時々知恵熱を出している(涙)