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聖獣様にお願いしてから村に向かおう!

『これが……我の香り……』


 テリーヌの指示に従ってコリトコが聖獣様の首から上全てに香水を塗り込み終わってしばらく。

 最初はかなり強かった香りが徐々に収まっていくと、誰もが優しく爽やかだと感じるであろう香りのみが残った。


「聖獣様、とっても良い匂い」

「本当に獣臭が消えてる」

「これは驚きですな。無理矢理強い香りで誤魔化しているわけで無いというのに不思議なものです」


 僕たちは代わる代わる聖獣様の体に近寄っては匂いを嗅いで感想を述べて行く。

 端から見るとそれはかなり失礼な行為に違いない。

 だけど、匂いを嗅がれている当人はとても満足げな顔で、ぶるるっと鼻を鳴らして喜んでいた。


『して、この香水の効果はどれほど続くのだ?』

「そうですね、毎日塗り続ければ徐々に効果は伸びていくと思いますが、最初は一日ごとには塗り込んだ方が良いと思います」

『一日か……問題は自らの力ではこの香水を塗ることが出来ぬということだが』

「僕たちもずっとここにいるわけにはいかないですからね。なので――」


 僕はここぞとばかり、ずっと考えていたことを口にした。

 それは聖獣様だけでなく、僕たちとコリトコにとっても必要な計画で。


「僕たちにとっても聖獣様にとっても悪い話じゃ無いとおもうんですよ」

『ふむ、その手があったか。たしかに今の我ならなんとかなるかも知れぬし、それにお主たちにも礼をせねばならぬしな』

「お願いできます?」

『うむ、まかされよう。しかし、我の言葉をその村人たちは本当に聞いてくれるだろうか?』


 聖獣様は少し不安げにコリトコを見ながら、心配事を口にする。


 それに対してコリトコは大きく頷き返すと「村の皆が聖獣様の言葉を聞かないはずは無いよ」と大きな声で答えたのだった。


「はい、決定! それじゃあ聖獣様、よろしくおねがいしますね」

『……しかたないのう』

「それじゃあ皆、コリトコの村へ向けて出発だ!」

「「「おーっ」」」

『ワフンッ!』


 そうして僕たちは、悩みを解消した聖獣様と共にコリトコの村へ向かって歩き出すのであった。

切が良いところまでということで、今回短くなってしまいました。

ですのでなるべく次話は早めに投稿する予定です。



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