計画通りに追放されよう!
ほのぼののんびりスローライフ開拓ファンタジー……の予定です。
ノンストレス・ストーリーを目指してがんばりますので、よろしければとりあえずブックマークだけでもしていただけますと幸いです。
※こちらはオリジナルバージョンとなります。
※書籍・コミカライズ版基準のものはカクヨムにて連載中なのでそちらもよろしくお願いいたします→https://kakuyomu.jp/works/1177354054922766682
「キエダ、まだ島影は見えてこない?」
「空の星から予測しましたが、あと半日ほどで到着する予定ですぞ」
「まだ半日もあるのか……はやく揺れない地面に下りたいよ……うえっぷ」
僕の名はレスト・カイエル。
半月ほど前までは、このエンハンスド王国の上級貴族であるダイン家の跡取りだった男だ。
「レスト。お前の跡継ぎとしての身分と、ダイン家の家名を剥奪する!!」
あの日、書斎に呼び出された僕は突然父にそう告げられた。
突然のことに僕は「ど、どうしてですか!」と詰め寄った。
だが、父は冷たい目を僕の方に向けると「お前のような出来損ないがこのダイン家を継げるわけがないと、私がそう判断したからだ」と答え、その視線は直ぐに手元の書類へ戻ってしまう。
だけど僕は知っていた。
その裏で、僕ではなく腹違いの弟であるバーグスを跡継ぎにしようと暗躍していた継母の策略を。
僕は父に背を向けると無言で書斎を出る。
廊下ですれ違う使用人たちの目には、さぞかし僕の姿は悲哀で満ちているように見えていたに違いない。
だけど、僕がそんな演技をしていたのは自らの部屋に入り、扉を閉めるまでだった。
「やったぞ!! これで僕は自由だ!!!」
僕は部屋の外に聞こえないようにしながら、喜びを爆発させたのである。
継母は僕を自らの力で次期当主の座から引きずり下ろしたつもりで居ただろうが、実は僕がそれを逆に利用していたのだ。
なぜなら僕はこのダイン家を継ぎたくなかったからだ。
上級貴族社会の慣習や儀礼。
様々なしがらみや義務。
そして上級貴族の権力を利用しようとする人々。
強大な権力が手に入るとはいっても、そのために課せられるあれやこれやに僕はもう辟易としていたのである。
「そもそも、僕なんかよりバーグスの方がよっぽど次期当主にふさわしいだろ」
いつも逃げ出したいと思っている僕と違って、弟は優秀だし、真面目だ。それに優しさだけじゃなく厳しさも持ち合わせている。
継母が裏で手を回さなくても、自然と周囲は僕より弟を次期当主へ推すようになっただろう。
「まぁ、おかげで僕は楽に自由を手に入れることが出来たわけだけどね」
ベッドに腰掛けながらこれからの予定を頭の中で組んでいく。
僕が今まで調べた限りだと、上級貴族家から追放された者は無下にはされない。
王都から遠く離れた地と適当な爵位を授けられ、一生普通に暮らすには問題ないだけの資金が与えられるという。
「これからは上級貴族の教育も受けなくて良いし、そこで自由にのんびり暮らすんだ」
僕には家族や友人にすら教えていない秘密のギフトがある。
それを知っているのはごく僅か。
僕が心から信用している人たちだけだ。
そのギフトとある程度の資金さえあれば、どんな田舎に追放されたとしても苦労することはないはずで。
王国の寂れた辺境だろうとのんびり暮らしていけると信じていた。
だけどこの時の僕は継母のことを甘く見すぎていたことを後で思い知ることとなる。
あの女は僕のことをよほど嫌っていたのだろう。
いや、もしかして弟の政敵として僕が思っていた以上に警戒されていたのかもしれない。
だからただ単に僕を辺境の地へ追放するだけでは安心できなかったようで。
数日後渡された辞令を見て、僕は思わず演技することも忘れ叫ぶこととなる。
「どうしてこうなった!!!」
その辞令で宣告されたのは、田舎の領地でののんびりした生活などではなく――
王国の広大な版図の南の端にある巨大な島でのサバイバル生活だったのである。
これは貴族家を自主的に追放された青年が、自らのギフトを使い様々な人々や種族を助け、やがて新たな王国を作り上げる物語。
読んでいただきありがとうございます。
これからレストくんによるクラフト無双のんびりスローライフが始まります。
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