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後日譚 カエルとヘビ
不思議な感情だった。
本来なら天敵であるその生き物に、僕は友情のようなモノを感じていた。
そして、それはヘビも同じようで……
「行ってきまーす。ビーちゃん、エル君大人しくしててね」
飼い主の女の子が居なくなるのを見計らうと、
僕は自分の水槽からピョンピョンと壁伝いに出て、隣の大きな水槽へと移る。
『また来ちゃった』
言葉は通じない。通じる筈がない。それなのに。
『また遊びに来たのねー。あたしを怖がらないカエルなんて変なのー』
そんな声が聞こえている気がして
僕はヘビの背中を跳ねて遊ぶ。
ヘビはいつものように、やる気の無い動きで僕の下を這いずり回る。
たまにチロチロと舌を出す仕草で脅してくるのに、全く怖くない。
不思議な友情を作ってくれた飼い主の女の子に感謝をしながら。
僕は今日もヘビと遊ぶ。
エル君の後日譚




