進むべき場所へ
『妖怪とか神様みたいな類いのものには出会わなかったのー?』
ビーさんが鈴ちゃんに問いかける。
鈴ちゃんはビーさんの言葉には、フルフルと首を横に振った。
「人間になってから、そういう感性が落ちてるだけで気付けなかったって可能性もありそうだけれど、そういうモノの存在は感じ取れなかったかな」
それでも、行く価値は十二分にあるだろう。
偶然にしては出来すぎてる社。
そこにきっと、僕達が生まれてきた意味を教えてくれる存在がいる。
確信では無いけれど、それに近いものを僕は感じていた。
『行こう。三人で。その場所に』
だから、僕はその言葉を口にしていた。
「うん、私は異論ないよ。ビーちゃんはどう?」
『異議なーし。正直な所、あたしはこの体でも文句無いけど、ここまで来たら、二人と一緒に行動するよ。記憶が無くなっても、特に悔いは無いし』
二人とも僕の発案に乗ってくれた。
その場所に鬼が出るか、蛇が出るか。
行ってみるまではわからない。
勘違いとは言え、僕は無力だと今さっき痛感してしまっている。
それでも、きっと……この先はハッピーエンドだ。
自分に言い聞かせるように、心の中で呟いた。
「鈴ー! お風呂入りなさーい!」
唐突に、お母さんの声が響いた。
「うん。それじゃ、次の休日に、向かおうね」
鈴ちゃんは僕たちに向けてそう言うとはーいと言って部屋を後にした。
テレビでは、順調に土砂をどかし、別の鈴森家の救出作業が進んでいた。




