84-3 ごちそうさま!『みずおと』第二話第四幕!
999部分です……!
ランチが終わったころ、華やかなダンスシーンで始まった第四幕。
ここでは完全オンライン配信ならではの見せ場があった。ずばり、メシテロ&レシピ公開だ。
サブチャンネルで見る向こうのおれたちの前には、劇中と同じごちそうが並んだ。
ソーヤシェフ協力のフルコースメニュー。ちなみにミッドガルド各所のレストランでも、同じメニューが提供されている。
今日この場にも、パンとスープは輸送されていたけれど、あのサラダ、このメイン、そしてデザート。一体どうしてこの時間帯にした。
さらっと画像が出るだけなのに、またおなかが減ってきたおれである。
ともあれ、話は進む。
クレハにとりついたグリード、通称グリハは、とある国の王宮で歓待を受けていた。
王様役のハルオミはニコニコとグリハの話を聞き、商談の感触は良好。
『我が国のことをそんなに案じてくださるなんて。ありがたい限りです。
とはいえ、我が国も今、予算を調整しているところ。改めて使者をお送りします』
最後は握手をかわして宴は終わった。
しかしドローイングルームに引き上げたハルオミ王は、メイドのナナさんとこんな会話を。
『へいか。
やはりクレハ殿は、独断で武器の輸出を準備しているようです。
国王陛下も妃殿下も、そのような話はご存じないと、ユキから報告が参りました』
なんでか不思議なんだけど、ハルオミにむける『陛下』だけひらがなに聞こえる。やはり愛か。愛なのか。
『そうですか……おふたりは何とおっしゃっておりましたか』
『クレハ殿たちを普通に帰還させてほしいと。決着は、サクラ国でつけるということで』
『わかりました。では、そのように。
……そうですね、道中の守りということで、だれか騎士をつけましょう。いざことが起きた時は、国王陛下、妃殿下に助力せよと』
『かしこまりました。そのように手配いたします、へいか』
『お願いします』
すっと一礼したナナさん、滑るように退出していく。
なんかとっても『できるメイド』感が漂っているが、部屋を出る際に振り返り、再びハルオミと目が合った時には、ラブラブに微笑みあってほのぼのだ。
場面変わって、バルコニー。
騎士服の初々しいハルキ君と、ドレス姿のあでやかなエルメスさんだ。
エルメスさんが、気づかわしげに言う。
『ハルキさま。
明日、サクラ国に参られるというのは本当ですか?』
『はい。
騎士として、王の弟として。クレハ大臣ご一行をお送りして参ります』
『そうですか……』
晴れ晴れした様子のハルキ君とは対照的に、エルメスさんはうつむいてしまう。
その、可憐な様子。『かっこいい系』の素顔を知るおれたちには新鮮だ。
『大丈夫です、必ず無事に帰ってきます。
だから、そのときには。
またふたり、こうして。お話をさせては、いただけませんか』
『ハルキさま……
ええ、よろこんで』
微笑み、手を取り合い、見つめあうふたり。
こちらはこちらでラブラブだ。まったく、ごちそうさまである。
『よしっ! いいぞ! がんばれハルキ!!』
『ふたりともがんばって!!』
物陰にはタクマとエルマーをはじめとするお城の人たちがずらり。ぐっとこぶしを握ってエールを送っている。なんかかわいい。
そうしてほのぼのと、幕はおりた。
次の第五幕は、みんなお待ちかねボスバトルとなる。
グリードはめんどくさがりだが、頭は切れるし、実力もある。
ハルキくん、ユキさんはもちろん、その場に間に合った王女&メイドコンビが加わってなお、ガチで苦戦することになったと聞いている。
コトハさん一行はもちろん、サクラ王女の父上母上、すなわち国王と王妃が登場してようやく、勝ちとなると。
8人パーティでやっと……と聞くとしょぼいとかいう輩がいそうだが、この話の中ではコトハさんは戦えない設定、フユキは彼女を守るだけで動けない。さらにはテラフレアボムもここにはない設定なので使えない。
すなわち対3S戦をハンデつきで戦い、勝つようなもので、ぶっちゃけ一般的な新卒のレベルなんかぶっちぎっている。目の離せないバトルになるのは間違いない。
ランチ会会場はバトル展開を予測したり、はたまたエンディングがどんな形となるか、ラブラブシーンはどれだけあるかと、みんなで盛り上がるのだった。
ついにここまできた! 次回、1000部分目です!
例によってエクストラな記念話をお送りするほか、ここまで支えてくださいました皆様への感謝のイベントも企んでおります。
とはいっても、ほんとうにささやかなものですが^^
どうぞ、お楽しみにー!!




