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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_84 森コン、グルメ、そして観劇! 新生魔王軍始動、前夜祭!

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997/1358

84-2 観劇、『みずおと』第二話第二幕!

※ラスト部分がちょっとこわいです。

997部分! 緊張します^^;


 懇親会を兼ねたランチパーティーの会場は、ほどよい賑わい具合。

 モニターの中では、白リボンズとシオンによるトークが終わるところだった。

 いよいよ『みずおと』こと、『湖の乙女と七つの魔神』第二話の上映が始まる。

 ここで長々スピーチするのは野暮だ。笑顔で会場のみんなに一礼し、席に座った。


 チェシャたちから『任務完了、あとを引き継いだ。詳細は後程』とのメールが携帯用端末ポタプレに届いたので、感謝とよろしくの返信を打つ。

 そうして目を上げると、大画面の中、第一幕が始まった。


 新築の湖の館。その居間で語られたのは『七つの魔神』の正体、かれらが生まれる理由だった。

 ほぼまんま、3Sとミッション『エインヘリアル』といって差し支えなかった。

『エインヘリアル』と違うのは、神の定めた使命の詳細。

 戦争ではなく、人生そのものを通じて成長するべし、とされてある。

 さらに、戦いの中生まれた『憤怒の魔神』すら、人間同士の戦いに対して肯定の立場をとってはいない。

 これは、おれたちの目指すところとも一致している。

 プロパガンダといっちゃなんだが、グッジョブシオンである。


 イケメン魔神たちによるちょっとの茶番も盛り込み、最後はけなげなコトハさんの旅立ち宣言で、第一幕は終わった。



 第二幕。『数日前』のプラカードを持ったお仕着せスーツのチナツが、手を振りながら上手から下手へと歩いていく後ろで幕が上がる。

 笑ったのはそのあとだ。チナツはプラカードをひょいと下手隅に置くとそのまま、舞台中央に立つ人々のもとに走って行った。

 それだけでなんか笑える。チナツならではのコメディ感たっぷりムーブである。


『遅いぞチナツ。もう殿下がいらっしゃるんだ。

 丁重にお見送りをしなけりゃな』


 チナツに物申すのは、貴族や使用人たちとおぼしき一団の中で、一番豪華な服を着た人物。

 クレハだ。しかし、その言い方は気だるげ。

 どんなときも無駄にテンションを上げないのがクレハだが、こんなふうにだるそうにすることもまた珍しい。


 ともあれ一団が待ち受けていれば、旅姿に装ったサクラさんとリンカさんが上手側から現れる。

 こうべを垂れる一団の中、クレハは一歩進み出て見送りの言葉を告げる。


『サクラ王女殿下、どうか道中、くれぐれもお気を付けを。

 リンカ殿、殿下をどうぞ頼みます』

『ええ、クレハ卿』

『クレっちゃんたちには苦労ばっか掛けるわね。

 ゼニーを更迭したと思ったら、こんどはあたしが魔神にやられるなんて。

 すぐに強くなって帰ってくる。しばらくの間だけ、お願いね』

『ははっ!

 あとはお任せくださいませ。

 われら一同、しっかりと国を守り、お帰りをお待ち申し上げております。

 良き修行の旅を!!』

『いってらっしゃいませ!!』


 クレハが最敬礼で声を張れば、従う者たちも一斉に頭を下げる。

 サクラさんは「いってくるわ!」と手を振り、リンカさんは一礼し、ふたりして下手側へと消えていく。


 そうして一秒、二秒、三秒。

 クレハが頭を上げれば、ほかの人々もそれに倣い、三々五々消えていく。

 見送るクレハにスポットが当たり、ミズキのナレーションが入った。


『この青年は、クレハといいます。

 さきの大臣ゼニー・クレイマンの不正を暴き、その代わりに大臣に任じられた若者です。

 相棒で助手のチナツとともに、毎日勤勉に仕事に励む姿は、人々の信頼を集めていました』


 前大臣のネーミングにイツカが吹いた。会場でも笑い声があちこちで起こる。

 名は体を表すというか、どれだけお金が欲しいんだという感じである。


『けれど、最近はすこし、お疲れ気味の様子。

 チナツもちょっと心配です』


 スポットライトが消えると、チナツがクレハに駆け寄ってくる。


『なあ、クレっちゃん。ちっと休んだら?

 昨日もほとんど寝てないっしょ?』

『いや、……まだ、資料の整理が終わってない。

 ゼニーの所業のケリは、後任の俺がつけなくちゃ……

 わるいけど俺のぶん、やすんどいて……』

『っておーい、クレっちゃーん?!』


 いつのまにか、舞台の上には二人だけ。クレハは疲れた足取りで、チナツはそれを追いかけて上手に消えていった。


『けれど、このときは予想もしていませんでした。

 まさか、あんなことになるなんて。』


 トーンを落としたミズキの声。舞台の照明も暗く落ちていく。 

 やがて舞台上が闇に包まれた時、それは始まった。


『それはクレハがひとり書庫に残り、資料の整理をしているときでした』


 舞台中央にぽつんとスポットライトが落ちる。

 疲労困憊した様子のクレハが、ゆっくりと光の輪に入ってくる。


『まだ……しごとがあるんだ……やらなきゃならない、ことが……

 この程度で……くそ……疲れてなんか……いられない……のに……』


 ふと、舞台奥側。闇の中に視線をやったクレハはびくっと身をすくませる。

 一歩、二歩。後ずさるけれどそれ以上は動けず立ち尽くす。


『やっとここまでたどりつきやがったか……

 単刀直入言うわ。オレを受け入れろ。オレの手足となれ』


 聞き覚えのある声が響くと、闇の中に、黄色く光る目がふたつ。


『う、……うわあ――――――――!!』


 絶叫の中ばん、と明かりが落ちる。

 やがて舞台の上に、静寂が満ちる。

 ナレーションが語るのは、まさかの事態。


『こうしてクレハは、七つの魔人の一人『強欲』に取りつかれてしまったのでした』


まだ、今日のぶん書けてない……わるいけど私のぶん、やすんどいて……orz


火曜日にワクチン接種三回目なのです。

申し訳ありませんがその日は念のため、お休みをいただきますm(__)m


次回は第三幕。グリード有能無双の予定です。

どうかお楽しみに!

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