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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_84 森コン、グルメ、そして観劇! 新生魔王軍始動、前夜祭!

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996/1358

Bonus Track_84-2 モフはモフ屋、もしくはリガーさんの壊れた日~『チェシャ』の場合~

996部分( ..)φメモメモ

ブロマンス、にならないコンビです。

「おい、どうしたんだテネシー! 応答しろ、バーボン!!

 くそっ、どうなってやがる!!」


 集会所の裏手に建つ、一軒の安アパート。

 二階の一室から、わめき倒してる声が聞こえる。

 俺は片耳をふさぎながらドアを開けた。


「残念だがそいつらはもうお返事できねえぜ。

 チェックメイト。おとなしくしてくれりゃア痛くはしねェよ」

「ッ?!」


 振り返った顔には見覚えがあった。

 何を隠そう、こないだまでお仲間サイドだった奴らのひとりだ。

 奴はほっとした様子で軽口をたたいてきた。


「誰かと思えば、猫野郎じゃネェか。

 なんだ? 今更混ぜてくれったってワケマエはやらねえぞ?」

「てめえはひとのハナシを聞かねェなァ。

 味方が言うかよ、『そいつらはもうお返事できねえ』なんてコトをよ?」

「はあっ?! てめえまさか」

「おお、そのまさかよ。

 投降しろや。われらが魔王様はお優しいから、悪いようにゃしねえぜ」



 あとは、お決まりの作業だった。

 今日の俺のお仕事は、これでオシマイ。

『リガー』の車に乗り込んで、携帯用端末ポタプレのブラウザを起動した。

 おお、しゃべってるしゃべってる。

 画面の向こうでは、蝶ネクタイも愛くるしい魔王様方がきゃいきゃいしてやがる。

 可愛くない、ことはない。むしろなんで同じ野郎のくせにこう愛らしくてやがるのか。まったく解せない。

 ふと気づくと、車がまだ発車していない。そして『リガー』がこっちをにらんでいる。


「おう、どした」

「てめェ、人に運転させといて一人だけで魔王様方見るつもりかええ?」

「だったらオートパイロットでてめえも見りゃいいじゃねーか」

「チッ!

 ンなことができるかってんだ。俺を誰だと思ってやがる」

「へーへー。

 ッたく、めんどくせえ野郎だぜ」

「魔王様の下僕じゃなかったら放り出してるぞこの野郎。」


 まったくめんどくせえ野郎である。

 だが本当に放り出されたらたまらんので俺は、おとなしく携帯用端末ポタプレをしまう。

 とたん、法定速度ギリギリの加速度が襲い掛かってきた。



 セーフハウスに滑り込むや否や、奴は俺を容赦なく車からおんだした。

 まったく、愛想もへったくれもない野郎である。

 まあ逆にこいつが俺に愛想を振りまいてきたらサブイボどこじゃすまないが。

 とりあえず俺はラウンジのソファーにな身を預け、こんどこそ観劇としゃれこむこととした。



 映し出されたのは、第一話ラストでつくりあげられた湖の館。その居間で茶をしばく、野郎二人とかわいこちゃんの三人だ。

 清楚なたぬみみのかわいこちゃんが、向かいにかけた野郎どもに問いかける。


『そういえば、気になっていたのだけれど……

『七つの魔神』ってどういうひとたちなの?

 あなたたちふたりと、『虚飾』。

 お友達、というわけではないのよね?』

『断じてない』


 黒っぽい猫耳イケメンがスパッと言い切ると、白っぽい羽根つきイケメンがのたまわる。


『オイオイつれねェなセンパイよ。今はともにお嬢に仕える仲間だろうがよ。

 なっ、お嬢?』

『そこは同僚と言え。』


 なれなれしいしぐさで肩に腕を置けば、しっしと払われる。

 たぬみみちゃんが微笑まし気にしているところから、これはいつものルーティンなのだろう。

 ともあれ、猫耳イケメンは堂々たる美声で話し出す。


『俺たち『七つの魔神』は、神のつくりたまいし『警告役』だ。

 この世界の人間はすべて、使命を持って生まれ来る。

 人生を通じて自らを強く鍛え上げ、神の国に住まうにふさわしい魂の持ち主となれと』


 後半はまるっきり、ミッション『エインヘリアル』だ。

 これを書き始めたころのシオンはこの情報を知らなかったと推測される。つまり、『心あるモンスター』イベント開始の頃に知ったことどもをもとに書き換えたのだろう。刺さる設定グッジョブだ。

 あとを引き継ぐのは羽根つきのほうだ。


『だが人間ってのは弱いモノでよ。その過程でほかの人間を食い物にしちまう。

 ある程度は許容範囲だ。すこしの格差は競争を生む。成長も加速する。

 だが、その『ある程度』を超えちまったときに、オレたちが『生まれる』。

 そして、並みの努力でブッこわせなくなった状況を、チカラづくでリセットする。

 すべては、人間たちの、そのタマシイの健全な成長のために。

 ……だがオレたちもまた、人間と同じイキモノでな。

 あんまりイカれたところにいるとな、だんだんイカレっちまうんだ。

 こないだのオレや、虚飾のようにな』

『そうだったのね……

 ということは、いまこの世界は』

『ああ。言いたかないがいろいろやばい。

 ここからは遠いが、すでに人間同士が武器を持って争ってる場所もある。

 ……俺はそんな所で生まれた』

『レイジさん……』


 羽根つきが声を落とし、目を伏せる。まつげ長え。ギャップ萌え狙いか。


『ああ、お嬢は気に病むなよ? もう終わったこと。お嬢は何にも悪くねえんだ』

『でも、……ほうっておけません!』


 たぬ子ちゃんが熱血けなげヒロインムーブを始めた。

 控えめに言って萌える。


『誰かと、だれかが、どうしようもなく争ってる。

 それは、ただの村娘にはどうにもできないこと。わかってます。

 でも、でも、ただここでだまっていたくなんかないの。

 だってそうしたら、レイジさんがまた、イカ……して? しまうかもしれないのでしょう。

 フユキさんもこのままじゃ、いられないかもしれない!』


 いやお嬢。いやお嬢。間違ってる。すーぱー真面目に間違ってる。

 俺はおもわず萌え転がった。


『俺はコトハがいれば大丈夫、だが……』

『まあ、な。

 確かにこのままだったら、たぶんあいつはまたやらかすだろうしな。

 止めなきゃならねえ。

 昔の『虚飾』は、あそこまでおかしなヤツじゃなかった』

『決まりね!

 それじゃあ行きましょう。

 王女さまも修行の旅に出たというし、わたしたちも旅に出ましょう!』


 たぬ子ちゃんがはればれ宣言し、ナレーションとともに舞台は暗転した。

 拍手を送ると横から声がした。

『リガー』のやつめだ。一体どっからいつのまに。

 やつはどっかりソファーに身を預け、幸せそうにため息ついた。


「ふう……ほんとモフ可愛いなあまおうぐん……

 やっぱりモフはモフ屋だろ。モフモフ可愛いモフモフ万歳」

「リガーさんかえってきて?!」


 もちろん、返事なんかなかった。


・ほんとね、投稿しようとすると電波悪くなるの勘弁して……orz

・モフ屋ってなんでしょうね紹介してほしいです熱烈に。


次回、つづき! お楽しみに!!

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