表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_83 整備・ざ・魔王島!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

981/1358

83-0 魔王島、ふたつの『再会』(回想)

『貴様ティーゲル!! どういうつもりだ!!

 もう許さん! 今こそ成敗してくれる!!』

「はっ?! 待てよなんで」

『問答無用!! とりゃあああッ!!』


 半透明の御老公は、抜いた剣先をビシッとトラオに向け、啖呵を切るや斬りかかってきた。

 どうしてこうなった。そう思いつつもおれたちは、ボスバトルに突入したのだった。



 記録によればこの島は、月萌に移り住んだ元ステラ人とゆかりがあるという。

 立ち入る名目としては、子孫らによる学術調査。

 しかし実態としては、利用価値の乏しさから放棄されて久しい公海上の島の内見。

 一回ごと手続きされるのもめんどいし、つかどこの所有とするにもビミョーだし、ちゃんと整備するならもう私有しちゃっていいよ、ということで『おっつけられた』いわくつき物件である。


 豊かな自然、たくましく生きる命たちのパラダイス。

 そう表現するとリゾート感たっぷりだが、実際のところは廃墟がちょっとあるSランク超の小島フィールドだった。


「やべえ……やべえぞこいつら……」

「神獣に乗ったイツカナに襲いかかるとか、恐れを知らなすぎだろ!」


 いつももめてるレンとトラオが意見一致してる。

 無理もない。島が見えてからもう五回、パーティーは襲撃されている。

 その度ルゥさんの翼で吹き飛ばし、シャシャさんのブレスで追い払い、それでも振り切れないときはおれたちで撃破したのだ。

 リンカさんが言い出した。


「かなり数が多いわね……

 ここで消耗するのは得策じゃないわ。聖水を使ったほうがいいんじゃないかしら」

「賛成。島の主がどんなつわものかもまだわかってないからね。

 話し合いでなんとかなれば、それに越したことはないけれど」


 生前の島の主は、哀しみのうちに天に召されたという。

 この島がこうなったのも、一つには主の悲しみと恨みがあるらしい。

 この先この島に住まうなら、それを晴らすことは避けて通れない―そしておそらく、彼との戦いも。


 反対の意見はなく、島の主がおわすはずの居館跡が見えるまでの間は、聖水まものよけをたよりに進もうと決めた。

 だが、まだ使わない。領域への立ち入り許可を得るためだ。

 ルゥさんに島のギリギリまで近寄ってもらうと、その背の上、リンカさんとトラオがぎりぎりまで前進し、優雅に一礼する。


「領域のあるじよ。わたしは――」

『おお、フラン!

 帰って来てくれたのか。

 お前に閉ざす門はない。さあ、入っておくれ』


 聴こえてきたのは、気品ある、老いた男性の声。

 船着き場から、一筋の光る道が島内へのびた。


「フラン……?

 いえ、ありがとうございます」


 主はリンカさんと彼の娘さんを重ねているようす。

 ともあれまずは、入らせてもらうことにした。

 ルゥさんシャシャさんには待機してもらうことにして、その背から飛び降り、光の道をたどった。



 光の道にはモンスターは近寄らず、辿ってゆけばすぐに館が見えてきた

 ぼんやりとした光に包まれたその門の前には、ジェントルに装った老貴族が立っていた。

 彼の体もぼんやりと輝き、そして半透明。この世の住人ではないことが容易に見て取れた。


『ほんとうによく戻ってくれた、フラン。父さんはうれしいぞ。

 ひさびさに親子水入らず、語り明かしたいところだが……

 その前に、しなけりゃならんことがある』


 資料によれば、生前の名をアルムというそのご老公は、リンカさんにいとおし気なほほえみを向けるが、その横に控えたトラオを見るや、ギロリと目をむいてにらみつけて抜刀。


『貴様ティーゲル!! どういうつもりだ!!

 もう許さん! 今こそ成敗してくれる!!』


 そうして、激しい戦いが始まった――いや、始まってしまったのだった。


書いてみてプロットの不整合に気づくあるある……。

今回で回想編を終えたかったのだけれど、そんなわけで次回に続きます。

よろしくお付き合いください!!m(__)m


ブックマークいただきました!! しかも三つ?!Σ(・□・;)

セーブボタンはどこだっ!!

まことにありがとうございます! 励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ