82-8 到着、お弁当! もとい、探索隊!
おれたち――ふたりとふたりの魔王ズが、めでたく第四覚醒の完成形をみつけ、めでたいムードになったところで、『到来の間』――現状はまっ四角にドア窓が付いただけのいわゆる『豆腐ハウス』だ――のドアが開いた。
「皆さんおつかれさまです!」
最初に出てきたのはフユキとコトハさん。大きなリュックを背負っているフユキ、それよりはちょっと小さめのを背負っているコトハさん、ふたりともニコニコだ。
「父と母が一緒に、お弁当作ってくれました!
おなかがすいたら召し上がってください!」
なんと、ありがたい。
コトハさんのおうちは、町の人たちに愛される、小さな家庭料理レストラン。そのシェフの味のお弁当なんて、楽しみ以外の何物でもない。
それに、二人の雰囲気。ご両親と仲良くできたことが一発でわかる。
お弁当をいただく前に、すでにごちそうさまである。
「しっかしいーにおいだなー……ソーヤさんもうおなかへっちゃったぜー……」
「ソーやんてば。さっきごはんたべたばっかじゃなかった?」
「お弁当は別腹!!」
つづいて出てくるのはソーヤとシオン。安定のコントぶりだ。
「大丈夫よ、そういう人もいると思って、多めに作ってきたから」
「まじー!! コトハちゃん神――!!」
「くださいくださーい!!」
とたんにイツカたちがわーいわーいと走っていく。うん、やっぱりこいつ子猫でいいや。
「私もちょっともらっちゃおうかな。いいかしら?」
「もちろんどうぞ!」
いやサリイさんはいいのだ、品があるから。
曲がりなりにも『魔王』なら、イツカもこういう余裕を身に着けてもらいたいものである。
「ひとつはきついなら、サクラとはんぶんこすれば?」
「リンカおねえさまはいいの?」
「わたしは大丈夫よ」
「そういうことならワシも、おひとつばかりいただけたら……」
「もちろんどうぞ! 大きいの作ってきましたよ!」
「なんとありがたい!!」
仲良くやりとりするリンカさん、サクラさんの後ろから現れたのはなんと、イワオさんだ。
まさか、ここに来てくれるなんて。嬉しくなって駆け寄ってしまった。
「イワさん! 来てくれたんですか?!」
「ワシらは『魔王軍に派遣された人道監視団』だからな! なあライカ!」
『おういぇー!』
こぶしを突き上げ盛り上がるライカーず。いやおまえたち、これまでそれすっぽり忘れてただろ。
そんなわけで、探索部隊が到着。
これからおれたちの『家』兼基地になる、この島で一番大きな館の探索へ。
おれたちはエルメスさん、ハルキ君、イツカたちとともに、特訓を再開。
コトハさんとフユキは、海岸ぞいの施設建設のお手伝いをはじめたのだった。
作者もいつでもはらっぺらしです( ー`дー´)キリッ
おかしいな、まだ作中で一日しかたっとらんとは(爆)
次回、新章突入。この章で新生魔王軍旗揚げまでいきます。いきたいです。
どうぞ、よろしくお付き合いくださいませ!




