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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_82 新生魔王軍、準備開始です!

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82-4 目指せ、ブレイクスルー! イツカとカナタ、特訓開始!

2022/05/02

レンが抜けとりましたぁぁ!!

修正いたしました!!

 初錬成で『賢者の石』。

 理論上、なくはない。けれど、レア中のレア中のレアケースだ。

 すくなくとも、ミッドガルドでは起きたことがないはず。


「ちょ、賢者の石できたんだってー?!」

「おいマジか?!」

「イツにゃんすっげえええ!!」


 いまこの島にいるのは女神さまと神獣たち、クレハとチナツ、トビーとアッシュ、そしてルシードとマユリさん、エルメスさんとハルキ、レン。

 その全員がすっ飛んできた。


「これ使ったら建築ちょー進むー!!」

「マジたすかるよイツにゃんさん!! よかったねシャスタさま!!」


 もろ手を挙げて喜ぶのはトビーとアッシュ。

 対して慎重な見解を述べるのは、シャスタさまとルシードだ。


『二人とも待つがよい。わらわも嬉しいが、これはもっと大変な時のために取っておくほうがよくはないか?』

「俺も温存に賛成だ。近いうち『サフタフ』も動員されるだろうし、ソリスのパレーナ八世にも苦戦させられるだろう。

 俺とマユも含め、多くの仲間たちが水上や水中の戦闘には慣れていないからな」


 と、エルメスさんが手を挙げた。


「皆。考えたのだが、この賢者の石があとどれほど手に入るか。その見通しをつけてから議論した方がよくはないか?」

「なるほど!」


 さすがは皇女様。おれもふくめて全員納得である。


「それじゃイツカ、それもう一度やれる?」

「っしゃ!」

「やってみるっ!」


 ――結果。


『……エリクサーね。

 こっちはアンジェリカルストーンよ』

「すげええええ!!」

「もはや生きるレアガチャじゃないですかあああ!!」

「……やばいな。マジやばい。」

「ポイント消費もやべーけどな……」


 アンジェリカルストーン。賢者の石やエリクサーの陰に隠れて知名度低めだが、これもまた錬金究極アイテムの一つだ。

 なんてこった。まえまえからトンデモだと思っていたけれど、こんなとこまでトンデモか。

 だが、それは頼りにしていいトンデモじゃないようだ。

 イツカのTPBPは、この二回でがっつりと減っていたのだ。

 それこそ、初心者クラフターならとっくにぶっ倒れているレベルで。

 レンが携帯用端末ポタプレを取り出しぽちぽち計算。眉間にでっかいしわが寄る。


「水と草だけってーとオトクな気もしないじゃないが、このポイント消費はいただけねーな。

 これだったらカナタが『プラムン』で作った方がトータル安上がりだ。狙ったものを作れるって安定性からいってもそっちのほうがいい。

 イツカはトップアタッカーとしてそのポイントでガンガントレーニングしなきゃいけねえし。これで打ち止めと考えた方がいいとオレは結論するぜ」


 賢者の石、エリクサー、アンジェリカルストーン。おれは当然作っている。

 ただし、それは『プラチナムーン』になった後、個人的興味から。

 おれたちのみちゆきにそれは必須でなく、大きな手間や資材、ポイントを費やしてまで、作る予定はなかったのだ。

『プラチナムーン』になったことで、それまでおれが把握していたのよりずっと少ない資材とポイントと工程で作れることがわかり、そっと作ってみたのであるが……

 それらは『月萌杯』に向けての研究と鍛錬であっさりと消えた。

 平穏に生きるNPCたちが摂取すれば、長きにわたり若さと健康をもたらしてくれる秘薬たちは、おれたち――バカスカと必殺技をぶっぱなす暴れん坊どもにとっては、アイテム錬成や、完全回復数回分と引き換えに溶ける、貴重な消費アイテムでしかなかったのである。


「そうか。ならばこの二個とエリクサー。アンジェリカルストーンだけで用途を考えることにしよう」


 しかし。


「あのさ。

 結論出かかったとこでマジわりぃんだけど……」

「もう少しだけ、続けてみていいか。

 この……なんていうかこう、ぐるぐるたまってすうっと流れて」

「「たぶん、こっちだ。もうすこしこっちに行けば、きっとストラーダが変わる!」」


 顔を上げたイツカたちの目は、確信を宿していた。

 そうして声を揃えられちゃ、うなずくよりほかはない。

 ここで、もうひとりのおれも言い出した。


「それじゃさ。悪いついでにおれたちも、必殺技練習してみていいかな。

 一瞬これは、おれたちの森でポイント供給し続けるか、ポーション漬けにしなくちゃならないかなって思ったんだけど……

 イツカの言うのを聞いてると、今必要なのは『チカラの操作感』だ。なら、魔力流量制御(レギュレーション)リングでポイント消費を抑えつつ、試行回数を増やす方向で行けば、おれたちが付きっきりである必要はないかなって。

 とくにおれはご指名受けちゃってるし。シグルドさんは絶対に強くなってるはずだから。みんないいかな?」


 帰ってきたのは、賛成の声たち。

 そして、エルメスさんからのありがとうだ。


「ありがとう、カナタ殿。

 貴殿らには本当に何もかも、世話になり通しだ」


 エルメスさんは丁寧に頭を下げてくれたが、もちろんそんなのいいのだ。


「頭なんか下げないでください、エルメスさん。

 おれたちはもう、仲間じゃないですか。

 そうだ、エルメスさん。それに、ハルキ君。一緒に特訓しましょう。

 まずは『ステラ杯』です。できるならば、全勝を狙っていきたいですからね!」

「ああ、頼む!」

「頑張りましょう!」


 するとトビーとアッシュ、シャスタさまも声を上げる。


「それじゃー俺らはガンガン建築進めましょうっ!」

「俺たちのつくる設備が、『ステラ杯』のステージにもなるんですからねっ!」

『おお。『ステラ杯』のバトルでもぶっ壊れないようなさいきょーのやつを作るぞ!!』


 ルシードとマユリさんも気合十分だ。


「昨日おとといは休ませてもらいましたし、今日は俺たちが警備を頑張ります!」

「えいえいおーっ!」


 クレハがマネージャーを買って出、チナツとレンはハイテンションでこぶしを突き上げる。


「それじゃあ俺たちが、イツカたちについてます」

「チナツさんきょーは別の果物生やしちゃうぞー!」

「っしゃあボムならまかせとけ――っ!」


 午後からは、農園を見にエアリーさんたちが来てくれる予定だ。

 とりあえずは、そこを目安にがんばろう。

 そう言いあっておれたちは、それぞれ散ったのだった。

話はサクサク進むほうがいいと知りつつ……やっとサックリ感が出てきました。


次回、カナタたちの特訓予定です。

どうか、お楽しみに!!

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