Bonus Track_82-4 フライング! 『B&Gビルダーズ』、現地入りしました!
「のわー!
なにこれたのしそう……ダメ、無理、休んでるなんてむりー!!」
今日はオレたちも戦いに加わった。壁の応急処置と、あとはほぼサービスで、ノゾミちゃん先生たちを妨害した。
ティアブラでもやってたことだ。難しいことじゃない。
まあ緊張感は半端なかったが、そんだけだ。
けれどイツカナちゃんたちは優しいから、俺らも今日は休めって言ってくれた。
今思い出してもイケメンすぎてほわんほわんする。そろそろ別の扉が開いちゃう気がする。うさねこサイコー。もふもふしたい。
「でもっ、むりなもんはむりっ!
あー、測量してプランニングしてあー!!
もしもしあっちゃん?! 見てる島の画像! 女神さまたち!!」
『みてるみてるー!!』
矢も楯もたまらずコールをかけると、アッシュも島の様子をウォッチングしていた。
警備用の、外部非公開画像。けれどだからこそそのまま伝わる建築感。
『……いっちゃおっか?』
「いっちゃおう!!」
そうしてオレたちはカナぴょんさんからもらった護符を起動。島へと飛んだのだった。
護符が紐づけられた場所は、『到来の間』と名付けられた別館の広間――になる予定の場所だ。いまは50坪サイズの簡単な『豆腐ハウス』になっている。
魔王軍エンブレムを持った者だけがあけられるドアを開くと、そこに楽園が待っていた。
青い空、白い雲、はるかな海。
見渡せば、さびれた古風な島の風景。
この風情を損なわぬままに、暮らせて守れる場所をつくるのだ。
アッシュとふたり、夢物語として語り合ってた未来、それにすっごく近いものが、今ここに開けている。
おれたちはとりあえずばんざい三唱した。
「ばんざーい! ばんざーい! ばんざーいっ!」
「ハーイ! きみたちもきちゃったのね?」
そうしているとお声がかかった。ターラさんだ。
いつもながら南国風情たっぷりの魅惑的なお姿だ。これで優しくハグしてくださるのだからたまらない。天使だ。
「きちゃいました!」
「みんなたのしそうだし!」
「こんなんやらずにいられるかって!」
「むりしませんので手伝わせてくださいっっ!!」
「そうね、きちゃったらしょーがないねっ。
二人はくわしいんでしょ、こういうの?」
「はいそれはもうっっ!!」
研究所の所員としてつとめた一年近く、オレとアッシュは最新の技術を学びに学んだ。
それは、当時戦争状態にあったソリステラスの侵攻に対するため。
まさかその技術を用いて、月萌からの侵攻をも防ぐことになるなんて、思ってもなかった。
でも、後悔はしてない。
俺たちを採用後即建築科に配属し、夢のような日々を送らせてくれたエルカ所長からのご指名。内容は、イツカナたちを守ること。一秒も迷わなかった。
「それじゃ、シャスタさまのほう行ってあげて。
シャスタさま、やっぱ来たよビルダーズ!」
『おお、ならば測量半分と管制頼めるか!』
「合点おまかせー!」
オレは測量のため離陸。アッシュは管制。いつものタッグだ。
人の手を離れて久しい絶海の孤島。その海と空はどこまでもきれいで、ほんのすこしだけもったいない気持ちになる。
いつかは元に戻してやりたい。けれどいまはせめて、この青に恥じない城を。
新鮮な決意とともに、オレは飛ぶのだった。
三回書き直しましたorz
でもそっちもあとから使います。というか、つぎがそれです!
イツにゃんが初錬成でトンデモをやらかします。
どうぞ、お楽しみに!




