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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_81 魔王軍のなくなった日~新規開店は来週です~

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Bonus Track_81-7-2 ステラの意地と、むちゃぶりと!!~タクマの場合~(2)

「……あの、ステラ様。

『ステラ杯』ってどういう形式なんですか?」


 カナタも疑問を覚えたらしい。ステラ様に確認してきた。


『『月萌杯』と同じよ。

 つまり、在任中の『六柱』と挑戦者たちがトーナメント形式で戦い、挑戦者たちが最終戦を制すれば、このわたし、ステラに願いをかなえさせることができるの。

 どんなことでもすぐに、とはいかないのだけれどね』

「となると、タクマは……」

「ああ。そういうことなら、喜んで辞任するぜ」


 オレが言えばリア(でかバージョン)もはいはいと手を挙げ、エルメスをぎゅーっと抱えた。


「そういうことならあたしもー。

 やっと帰ってきたかわいい妹をガチでぶちのめすとか、おねーちゃんにはできないもんねー?」

「姉上……!」


 照れるエルメス。仲間相手に何だが、かなりいい絵面だったりする。

 スバルや近衛兵の皆さん、さらにいうならイツカナも見とれている。

 エルメスはそんなおれたちに向けて照れ隠しにせきばらい。話を全力でそらしにかかった。


「ともあれ、そうなるとリアにべたぼれのエルナールも、ユフィールに後を任せて一緒に辞任だろうな。さすがはステラ様ですっ」

『えへっ。

 ほんというとこれ、スピカとシルヴェのアイデアなんだけれどね。

 もしかしたらユフィールも、弟と未来の義妹と戦いたくないって手を上げるかもしれないって』

「ああ……。」


 ステラ様は、ちょっと照れた様子で種明かし。ふかくふかーくうなずくオレたち。

 そうだ、ステラ様はそんなの思いつくイメージじゃない。むしろ、『だからこそ助けてあげなきゃ』という感じなのだ。

 つうか、えへっが尊い。

 なんだろう今日。サービス回なんだろうか。

 メタな発想を放り投げ、オレは話を先に進める。


「となると、ベニーとサーヤは開戦派背負ってふつーに参戦しそうだし、これで六柱はよくて三人、もしくは二人って見込みになる。

 あとは後釜にきそうなやつについて考えればいいな!」

「となると……」

「あいつだよなー…………」


 顔を見合わせる。

 どうやらこの場の全員が、まっさき同じやつを思い浮かべたようだ。


 ステラの開戦派の、リーダー的存在だったシグルド。

 オレも何度かバトルをしたことがあるが、軽く勝てる相手ではなく、ヘタするとサーヤやベニーよりも強いんじゃないかぐらいの力量の持ち主だ。

 万一エルメスが初戦で当たってしまったりしたら、『勝てる』と断言することはできない。


「レムちゃん通じてやらないよう、頼んでもらう?」

「それがいいかもしれませんね。

 けれど、彼はステラの開戦派の筆頭だった。婚約者としてサーヤさんの負担を減らすためにも、彼は立候補せざるを得ないと思います」


 やつが愛してやまない弟、レムと仲の良いリアが言えば、ルイーズがうなずく。

 けれど、彼女が続けた言葉にオレたちは『あっ』となった。


「もしも、彼が何らかの理由で立候補しない場合は。

 気は進みませんが、私自身が名乗り出ぬわけにはいかないでしょう。

 皇女二人がこの戦いに反対の立場をとり、私が中立となれば。

 戦いを望まねばならぬ者たちの反発は避けられません。

 彼らにもっとも近しく、その声をくみ上げるよすがであるセプテントリオン党の長としてある者としては、動かぬわけにはいかないのですよ。

 ただ、そうなると今度はそのほかの者たちが反発します。最悪、次期女王の座は勝ち抜きを果たし『祈願者』となったエル、もしくはその意を受けたリアに……ということも視野に入れねばならないでしょう」


 ステラ様は神妙な顔で、マリーさんとシューさんはマジメな中にもちょっとうれしさの漂う様子で、うんうんうなずいている。

 いっぽうリアは、あわてた声を上げる。


「えええ!

 ……って、なるとベストなのはー、タクマエルメスが挑戦者、あたしとエルにゃんユフィは『一身上の都合で』欠席、お姉ちゃんは次期女王として見守って、シグルドちゃんが貴族かつ開戦派~のみんなの代表としてタクマの後釜にーってかんじ?」

「『エルにゃん』…………」


 イツカがぼーぜんとしたようにつぶやいた。

 ちなみにこれはリアがエルナールをプライベートで呼ぶときの言い方だ。

 ぶっちゃけ、とてもよそさまの前では言えない。


「っあっあのっ?! こここれはですねっ」


 エルメスがフリーズ。ルイーズが珍しくテンパったようすであわあわ立ち上がるが。


「たしかにエルナールさんネコミミってアリだよなっ!」

「…………あ、ええ、はあ……」


 とうのイツカはキラッキラしながらこうのたまった。

 そう、イツカはこういうやつだ。

「イツにゃんいいこという~! さっそく次あったらネコミミつけてみるね~!」なんぞとのたまうリアと笑顔であくしゅあくしゅかましてる。


 なごみ系インテリな成人男子にネコミミ。それはアリなんだろうか。アリでいいんだろうか。

 絶句し、撃沈したルイーズにオレは『ドンマイ』と声をかけざるを得なかった。

960話目です。

1000話めは外さんようにせんと。

フラグになりそうです(爆)


次回、ステラ杯が異例の開催形式に?!

どうぞ、お楽しみに!


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