Bonus Track_80-6 フォルド、月萌軍の臨時旗艦になりました! ~『ドラオさん』の場合~
2022.05.20 激しくミスってた!! 修正いたしました!
『シエル・フローラ・アーク』←『セント・フローラ・アーク』
2022.04.06 誤字修正いたしました……m(__)m
叫んでる。←叫びんでる。
『ちなみに正式名称は『グランドラゴンズ』だ』←『ドラドラブラザーズ』は俗称ですので、説明を追加しました。間違えてたわけでは……ちょっとあります……!!
グレート・フォレスト・ドラゴンとなったフォルドのチカラはほんとうにすごかった。
軽く念じるだけで、すいと体が宙をかける。
咆哮一つで、やすやすと木を生やし、『魔王城』結界に食いつくことができる。
なんと、カナぴょんと競り合うことさえできたのだ。
すごい。ほんとうに、すごすぎる。
ササキさんや社長には、感謝感謝だ。
もちろん、カナぴょんにはやっぱりかなわなくて、途中から植物への力を引き上げ、ブレス攻撃に切り替えた。
今日の俺のしごとは、『シエル・フローラ・アーク』のエスコート。すこしでも、その着地がスムーズに行くように、行く手を阻むものは排除しておかねばだ。
肩で息をするカナぴょんの横で、イツにゃんが俺に剣を向けてくる。
まともに食らえば、きっと一発。でも、黙ってやられはしない!
気合を入れたその時、起きたのは予想外の連発。
屋上にソーやんがいきなり飛び出してきて、後続隊に向けなんかをぶん投げると大爆発。
そしてその一秒後、『シエル・フローラ・アーク』が消えた。
「ええええっ?!」
俺たちはみんな叫んでしまった。
ログアウトして様子を見ていたスケさんとササキさん、マリオさん。
神虎ちゃんとソラミツ相手に奮闘中のゴーちゃんも。
もちろん俺もええええだ。
ぼうっとしちゃいられない。『アーク』のコアとなっていたコウちゃん、シロちゃんの二人は疲れ切ってるはずだし、ほかにも飛べない人がいる。
全速で『アーク』の下に回りこんだ。背中と翼を大きく広げて、落ちてくるひとを受け止める体制に。
予想通り、コウちゃんとシロちゃんは機材ごと落っこちてきた。非常事態用の冷静沈着なタマちゃんと、豪胆なダイちゃんに位置と速度を微調整されて、ぶじ背中に着地。
何が起きたのかはすぐわかった。イツにゃんの『ブラックムーン』だ。
ツヤマさんの『シュートザムーン』をなんかのカタチで回避したらしい。
『ブラックムーン』は一瞬だけで解除され、『魔王城』結界も復活したけど、『アーク』は復活しなかった。コウちゃんもシロちゃんも俺の背中でぐでっとしている。
そんなふたりにカナぴょんが声をかけると、ツヤマさんが濃紺の翼を羽ばたかせて耳元にやってきて、丁重にこう言ってくれた。
「ありがとうございました、ドラオさん。
今からはもう、『アーク』は作れません。ですので……ここからは、あなたが我々、突入部隊の旗艦となってはいただけませんでしょうか。
あなたにしか、お願いできません。どうかひきつづき、そのお背中をお貸しください」
俺が月萌軍の臨時旗艦に!
こんなカッコいいことってあるだろうか。
もちろん二つ返事でOKした。
こっくり、でかい竜のアタマでうなずくと、ツヤマさんはほっとしたように『ありがとうございます!』と言ってくれた。
『はいはいはいっ! ほかのみんなもこっち来ねえ? マジに!!』
と、さっそくの誘惑がやってきた。イツにゃんが、太陽みたいな笑顔でおててふりふり、スカウトをかけてきたのだ。
そのはかいりょく、ヤバい。スケさんが「イツにゃああん!!」なんて叫んでる。やめたげて、スケさんはもうメロメロよ。
俺もぐらっと来てしまったが、いけないいけない、ぶんぶんと頭を振った。
そうこうしてるうちに、『月閃』がさくさくと『イーブンズ』に挑戦。
『ドラドラブラザーズ』――タクマ君エルマーちゃんの留学生バディだ、俺的に大ヒットである。ちなみに正式名称は『グランドラゴンズ』だ――が、イツにゃんカナぴょんと戦うことに。
俺の眼下で始まった戦いは、想像を超えるものだった。
イツにゃんとタクマ君はラスボス同士の激突と言っていい斬り愛をはじめ、『月閃』と『イーブンズ』の姿はもう、俺の目では見えなかった。
アタッカーは花形だけど、サポートをばっちりキメられるのもかっこいいのです。
次回、始まる異次元スピードバトル!!
どうぞ、お楽しみに!!




