表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_80 『魔王軍』消滅? 激闘の第四陣!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

941/1358

Bonus Track_80-5 やったね、それでも、どうか、~ハナナの場合~

 どのスレッドを開いても、話題は第四陣のことばかり。

 街角の大型ディスプレイでも、カフェ店内のテレビでも、特集番組が流されていた。

 とくに熱っぽく紹介されていたのは、出陣する人たちのそうそうたる顔ぶれだ。


 カルテットの四人。アスカ君、ハヤト君。

 マルヤム、オフィリア、ケイジ君、ユキテル君。

 ソリステラスの留学生たち。かれらにつきそう、ハルオミ君とハルキ君。

 ルリさんをはじめとした、月萌軍の人たち。

 そして、ノゾミ先生と、トウヤ・シロガネ。


 わたしは思わず言ってしまった。


『これって……やりすぎじゃないの?』

『しいっ』


 ルイがあわててわたしの口をふさぐ。あぶなかった。

 ふたりで入ったカフェも、お祭りムードであふれてる。

 そこでそんなことを言ったら、追い出されかねない。

 わたしとルイはだまってランチを食べきり、外へ出た。



 高天原の町はどこも、熱に浮かされたようだった。

 ある意味、イツカ君とカナタ君が、女神ステラを救って凱旋したとき以上の盛り上がりよう。

 でも、あのときふたりは、みんなの英雄で。

 いまは、倒されるべき『魔王』だ。


 仕方ないのだ。わたしたちこのセカイに生を受けたものは、『大女神グランドマザー』には逆らえない。

 彼女の『大神意』が命じれば、一日前まで英雄だったふたりを、敵と『思って』しまう。そして、狩りたくなってしまう。


 そうして月萌軍は、最強の布陣で二人を打ち倒そうといきまいて。

 二人を敵と思いきれなくなってしまったわたしたちは、愛想笑いをはりつけ歩く。



 さいわいなのは、幼稚園のこどもたち――まだティアブラキッズカウントの解禁がされていない子たちには、『大神意』の影響も小さいこと。

『ただの、リアル連動の大規模イベント』とのみ聞かされているこどもたちは、よりポップな演出に書き換えられた戦いを見て、どっちもがんばれ! とむじゃきに声援を送ってる。


『みんなすごい、かっこいいね!』『ボクたちもはやく、あんなふうにプレーしたいな!』と、つぶらなひとみを輝かせはしゃぐ子たちに、『ほんとうのこと』なんか言えやしない。一生懸命、笑顔をつくってあいずちをうった。


 けれど、わかるひとにはわかってしまう。

 園長先生はわたしとルイに、月曜火曜のお休みを命じてくれた。


『気になる子たちが出陣してるんでしょ?

 大丈夫、きっときっと、無事に帰ってくるわ。

 ……そしたらそこが最大のチャンスよっ。うまくおやりなさいっ!』


 そんなふうに、冗談めかせて。



『シエル・フローラ・アーク』は実用化レベルになった。コウ君の覚醒で。

 さらにはシロウ君も覚醒して、その安定度は完璧なものになった。

 水曜にはそう、アスカ君から教えてもらってた。

 本番で披露するから、きっと見たって!

 ウキウキとそういわれた時には、わたしたちも飛びあがったものだけれど、そのきもちは出陣者特集であっという間にしぼんでしまった。



 そして今。画面の向こうでは、完成した『アーク』が飛んでいる。

 桃花色の、どこか透き通るようなきれいな色は、晴れた空によく映えた。

 舞い散る花びらをまとったその船体は、きっとふんわりいい香り。

 素敵だった。まるで、妖精の女王様が乗る船のよう。


 すごい。やったんだ。

 コウ君たちはやったんだ。

 見ているだけで、胸ときめいた。



 けれど、あの船が着いたなら――

 イツカ君とカナタ君は戦わなきゃならない。

 あの船に乗った最強たちと。

 かなうわけない。きっと、つかまってしまう。


 もちろんノゾミ先生たちが、イツカ君やカナタ君、仲間たちを悪いようにさせるはずなんてないけれど、わたしたちは知っている。

 高天原には、ふたりを嫌いな大人もいるってこと。

 ふたりやアスカ君たちを陥れようとして、ことごとく失敗してきた『赤竜管理派』が、タダで引っ込むわけなんかない。


 そらわたる、美しいふね。

 やさしい人たちが作ってくれた、奇跡の箱舟。

 そこに乗っているのは、お世話になった人たち、大好きな友達、そして、気になる男の子たち。


 でも、でも。

 かなうなら。

 あのふねが、つかなければいい。

 なにか、なにか、奇跡が起きて。


 わたしたちの女神様は、こんな願いを聞くわけがない。


 それでも、だれか。

 どうか、どうか――



 耐え切れずに手首のミサンガに触れたその時、そらとぶ船は雲散霧消した。


昨日投稿の『ぽんぽこ たぬきの おとどけものです!』とのギャップがでかすぎて脳が割れそうです。右と左とかに。うそです入ってません。(※ステマ)

まずはこの場を借りまして、皆様ありがとうございますっっ!!m(__)m


次回、何が起きたか(またこのパターン)!

どうぞ、お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ