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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_79 『魔王軍』最後の一週間? 第四陣に向けて!!(2)

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Bonus Track_79-5 留学最後の時間はなんでもないように~タクマの場合~

ほんとまるっきりなんでもない日常編です。そのはず。

 月萌は、いいところだと思う。

 記憶の中、ときおりうかぶ景色に、似た感じがするせいか。

 それとも、気のいい仲間たちのせいか。


 金曜日、『うさねこ』のメンバーが何人か、卒業記念エキシビションを演じる。

 なんとオレとエルマーも、それに出ないかと声をかけてくれたのだ。

 オレはもちろん二つ返事で。内気なエルマーも、『僕でいいなら!』とニッコリだ。


 そんなわけでオレたちは、『みずおと』第二話予告編への友情出演がきまった。

 帰国に向けての事務手続きもあるので、練習はあまり出られない。よって二人とも、モブ役としてガヤガヤに加わる程度のものだが、それでも仲間たちと作り上げるひとコマは、たまらなくワクワクするものだった。

 エルマーも、はにかみながらニコニコだ。


「えへへ……。たのしいね、タクマ。

 おまつりだね!」

「ああ、お祭りだな!」 

「僕ね、こういうの、……はじめて。

 僕、あがっちゃうから。いつも、大道具係とかで。

 それも、たのしかったけど。こういうのも、いいね!」

「ああ! いい思い出ができたな!」


 学食カフェテリアでのおやつタイム。コーヒーとドーナツをおともにそんなことを言い合ってると、ふいにソーヤがガシッとヘッドロックをかけてきた。


「ほほーう? おにーさんたち予告編だけ出てお帰りになるつもりですかな~?

 本編も出てもらうぜ? これ決定事項な! とシオン監督が申しております!!」

「えっマジ?」

「いいのー?」


 うれしい驚きに声を上げれば、ぴょこんとシオンも顔を出す。


「もちろんだよっ!

 あ、都合とかむずかしくなったら遠慮なくいってね、予告編の画像合成してなんとかするから!」

「それをサラッというあたりシオンもたいがいリアルチートだよな……」

「えへへっ☆」


 みじかいうさ耳をぴこぴこさせて照れ笑う姿からは、ただの弟キャラなうさぎっこにしか見えない。謎だ。

 それでも、こいつはオレとタメだったりする。

 ともあれ、うれしい誘いをうけたオレは、もちろん二人を誘い返した。


「ソーヤもシオンもさ、平和になったらぜったいソリステラス留学来いよ? ステラの町はオレが、ソリスの町はエルマーが案内するから!」

「あのね、うさぎの男の子は数が少ないんだ。だからね、すーっごくモテるよ!

 内気な子だと、こまっちゃうくらいだけど、アイドルのふたりならちょうどいいよ。

 ミズキと、ミライもいっしょに、ライブツアーしたら、すっごいよ!」


 モテるときいた瞬間、ソーヤのテンションが爆上がり。フサフサつきの灰色うさみみをぴょんぴょんさせてソリステラスの方角に向けて叫ぶ。


「マジそんなモテるのー?! うおおいくいくー!! ずぇっったいにいくからな!! まってろよ海の向こうのかわいこちゃんたちー!! みんなのハートはソーヤさんが」

「あっちなみに、男にもモテるからそのへんは気をつけろな?」

「お、おう……

 あー、はい。未知の領域ですな、ええ……」


 するとシオンがサラッと爆弾発言をぶっこんだ。


「ソーやんが男の子にもモテるのはいまにはじまったことじゃないでしょ?

 オレいっつもしんぱいなんだから。そうじゃなくっても女の子に関心がないって誤解されちゃってるし、そのうちやけくそになってもう男の子でいいやって言い出すんじゃないかって」

「ななななにをおっさるシオンさん!! 俺のシオンさんへのきもちはつねにあくまで清らかですからっ!! そんなですね、ふらちなことをかんがえたりは一ミリも、一ミリたりとも」

「……むう」

「えええええええ」


 いったいどうしてこうなった。なんだろうこのシュラバのかほり。

 うさみみを不機嫌な角度にし、ジト目でにらんでくるシオンにソーヤは慌てまくり。

 なぜかオレたちにすがる目を向けてきた。


「どっどどどうしよう俺こういうときどういったらいいの――?!」

「ちょっとまてオレにわかると思うかモテ男!」

「いやお前は主人公の香りがする! 無自覚ハーレム野郎に間違いないっ! こっちでいったらイツカみてーな!!」

「ちげーってオレはモテねえから! 年齢=彼女いない歴だから――!!」

「どうしたの、四人とも?」


 そんなふうにギャーギャーしていれば、真なるモテ男たちがやってきた。ハルオミとハルキだ。

 当然オレたちは助けを求める。


「ふたりともいいとこに!!」

「たすけてモテ男さん!! シオンさんがすねちゃったの!!」

「すねてないもん。すねてなんかないもん」

「いや完全にすねてんじゃないですかっ」

「俺はモテ男じゃないけど、相談なら乗るよ。

 なにがあったの?」


 ハルキがあわあわあわてて、ハルオミが優しく笑って。

 高天原学園最後の日々は、騒がしくも楽しく過ぎていくのだった。

花粉のせいか眠い……ひたすら眠い……


次回、迫る第四陣。ツヤマさんとエルメスさんたちの打ち合わせ。

どうぞ、お楽しみに!


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