79-2 ザ・プランオブミライ~カナタの回想、再び~(2)
書き上げての感想。
いや、ほぼほぼつっこんでないやん(汗)
というわけでサブタイを修正しました……orz
『お兄ちゃん、まえにいってたよね。
『覚醒レベルは、すなわち権限レベルだ』って』
ミライは、ひとつ息をつくと言葉をつづけた。
エメラルドの大きな瞳をキラキラさせて。
『だから第三覚醒のできたイツカは、『0-GX』で、ふつうのものやバリアなら、すりぬけたり壊したりできる。
けど、第四覚醒者であるセレネさんのホンキバリアはむり。
でも、イツカは第四覚醒技を使えてる。
不完全形かもだけど、それでも闘気のリボンで月萌軍の防御を一掃してた。
だから、もしかしたらがあるんじゃないかって。
セレネさんだって、イツカとはやくなかよくしたいはずだもの。
だから、なんとかちょっとむりにでも『月晶宮』にいれてもらって、そこでセレネさんの本体におれたちのエンブレムをつけられたら……
『大神意』の影響もなくなって、セレネさんは楽になるでしょ。
そしたらセレネさんに協力してもらって、ソリステラスでもそうする。
これで、このたたかいも終わりに向かうっておれたち思うんだ!』
かわいらしい微笑みと、まるみのある優しい声で語るミライ。
その愛らしい姿を見ていると、おれたちも笑顔になってしまう。
こんなときに突っ込み、もといチェックを入れるのはノゾミお兄さんなのだが、やっぱり笑顔だ。というかミライが話してる時点でニコニコ。
高天原にいるときは一応抑えてたけど、ここじゃもう全開だ。
そのきもちはよくわかる。
ミライもあれから一年。いくつもの試練を乗り越えて、ぐっと成長している。
もちろんちゃんと背だって伸びてるし、すこしおとなっぽさも加わって、かっこよさ右肩上がり……のはずなのに、かわいい。どうやってもかわいい。むしろかわいさがどんどん増している気すらする。
そんなミライが望む未来なら、全力でかなえてあげたい。そう思わされてしまうのはおれだけではないはずだ。
けれど、おれたちはこころを鬼にしてツッコミを入れるのだ。
ミライを泣かせる羽目にならないためにも。
ミソラさんとうなずきあったノゾミお兄さんが、眼鏡を直して言う。
『『月晶宮』への侵入、『マザー』本体へのエンブレム装着。
不可能ではないだろうな。
けれど彼女らの解放、イコール戦いの終わりではない。そのことは、わかっているんだな?』
そう、スーパーコンピューター『マザー』の位置づけは『施策補助コンピューター』。
助言を与え、方針を示し、各種処理計算を行い――
結界で国を守り、必要ならば自ら立って戦い、さらにはアイドル的存在『女神』として君臨しても。
現場に、人間に背かれれば、どうにもならない。
最強だけれど、はかない存在なのだ。
『うん。
月萌にも、ソリステラスにも、戦争をしたい人たちがいる。
イツカとカナタにひとあわふかせたいってひとも、悲しいことだけど、やっぱりいる。
だからこれは、第一歩。
いまふたりを憎みたくない人が、せめてそうしないですむように。
もしかして板ばさみのバランスが変わるだけのことかもしれないけれど、すこしでも助けてあげたい。そして戦いの終わりを引き寄せるお手伝いをしたい。
……そう思うの』
対してミライが言い切れば、ノゾミお兄さんはひとつ大きくうなずいた。
『そうか。……
よくそこまできちんと考えたな。
『マザー』を解放しても、ほかの味方たちを解放しても、おそらく『対魔王戦』は終わらない。
俺たちにはまだ、本心から戦いたい奴らをどうにかするという仕事が待っている。
ことばのチカラで、知力で、武力で。
相手が『どうか交渉をさせてください』と言ってくるまで。いや、その交渉を終えるまで、やり抜かなきゃならない。
その覚悟は、あるみたいだな』
『うん。
イツカとカナタと、ミズキとタカヤさんと。
五人だけで飛び出した日から、覚悟はしていたよ。ね、みんな』
もちろんおれたちは、大きく大きくうなずいた。
『そうか。
それなら、もうおそらく、作戦の案もすでに持っているな』
『うん。
それはね、……』
ミライが教えてくれたプランは、大胆のうえにも大胆なもの。
けれど、だからこそベストのものといえた。
一度持ち帰り、アスカとも詰めてみる。
今日中にライカネットで伝えるから、待っていてといわれて、その場はお開き。おれたちは車から出た。
そして、アリサカ家、ハヅキ家のみなさんと話を続けていてくれたアイラさんたちにお礼を言うと、それぞれの行く先へと向かったのだった。
サブタイを正確に付けられる頭脳がほしいです(切実)
いや、せめてそれを糊塗する時間が欲しい。
そしてWi-Fi様は今日もツンデレ。
へるぷみー、にゃんこちゃん。
次回、プランオブ……といったらケイジです。
どうぞ、お楽しみに!!




