Bonus Track_78-6 僕たちはいわくつきのメイドアンドロイドを拾っちまったようですがそんなことよりライムさんのため息が気にかかる~ライカの場合~
このご時世なのでサブタイにも神経を使います……
そんなことはおいといても、一日も早い平和が願われてなりません。
『えー? マジマジ~?』
『まじまじのまーじ!
おれ『サイレントシルバー』ちゃんひろっちった!』
『えええ』
『どーゆーコトよ?!』
僕たちライカ分体のありかたは、アリやハチのそれに似ている。
ライカ本体をハブとして、瞬時に意識と情報を共有することができるのだ。
だからこんなやりとりは、本来必要ない。
でもやっちゃうのは……まあぶっちゃけ楽しいからだ。
僕たちは毎度の『ゼロブラ館』のおそうじをしつつ、こんなオンラインおしゃべりに興じていた。
『……つわけでさ、ゆきまるさんにたくされちゃったわけよ』
『あー』
『なるほどねー』
ちなみに『ゆきまる』とはユキさんの登録名だ。なんとなくだれかかノリで言い出したら定着しちまったが、ご本人には『まあかわいいしいっか』とご承認をいただいている。
『いまアスカが相談のったってる。
まーそー悪くないふいんきよ』
『ほーう』
『ハーちゃんはどーなのよ』
『茶出してやってる』
『ヤキモチやいてない?』
『それよか銀ちゃんの身の上に同情してる』
『やさし~』
『やっさし~』
だが、そんなやりとりはひとつのため息で途切れた。
ライムさんだ。
イツカナが高天原をおんだされ、お世話のしごとがなくなったライムさんだったけれど、あいかわらずここの掃除を欠かさない。
どこもかしこもピッカピカ。ふとんもいつもふっかふか。
いつ二人が帰ってきてもいいようにと、優しい笑顔で日々磨き上げる姿は、すばらしくもあり、せつなくもあった。
ついこないだは、チケットを送ってもらってライブに行ってもうウッキウキだったけど、いまは逆に、その落差なのか沈んで見えた。
「、……あらごめんなさい、わたしったら。
だいじょうぶですわ。いまのはそう、おやつを食べ過ぎてしまったから……それだけよ?」
だがおれたちの視線に気づけば、笑ってごまかす。
「だいじょうぶ。……だいじょうぶ。
わたしたちはきっと、またあえる。
それももうすぐに。
わかるの。……信じているの」
『そっか。
よっしゃ、ほんじゃ今日はこのくらいしよっか』
『おやつってきいたらおなかへっちった~!』
『おれらもスイシャンいっちゃおか?』
『さんせい!』
あえて陽気にはしゃいで見せながら僕たちは、ゼロブラ館をいったん出た。
数名の宿直が残るのがルールだったけど、いまだけは、彼女をひとりにしてあげたかったから。
少し離れて振り返ると、残照の窓をひらいた彼女は、星降町のほうを見つめていた。
じっと、祈るように。
満ちそうな月を待つように。
外出先だとスマホで書いて投稿することになるのですが、その時についつい見てしまうのです、「いいね」の数を……見ないつもり、つもりなのですけど……
でもいただけていて! うれしさで変な声出ました!!
昨日オサレなドトールで変な声上げているネコミミ美少女(16)を目撃した方、それは多分私です(※一部ホラが混じっています)
ありがとうございました!!
季節のかわりめ、体調の思わしくない方もずいぶんいらっしゃるようです(というか私もイマイチ^^;)
早く快癒が訪れますように。
次回、月萌国会での一幕。
群像劇は不人気らしいと知っているがそんな感じになっている! どげんかしたい!!
ともあれ、おたのしみに!!




