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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_78 『魔王軍』最後の一週間? 第四陣に向けて!!

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Bonus Track_78-5  ガールズトークはアンドロイドの涙を添えて?! 〜ユキの場合〜

所用で遅れました!

まずは投稿まで!!

「それじゃ!」

「それじゃあ!」

「行くんだな!」

「『スイーツシャングリラ』!!」


 サリイお姉さまとあたし、ナナの三人は声を合わせた。

 今日は晴れていい天気。ガールズデートにはうってつけの日だ。

 あたしたちは待ち合せ、放課後の街へ繰り出した。


 あたしたちは全員、うれしはずかし婚約者もち。

 それでも、女の子にはゼッタイ必要なのだ……女の子だけでしか行くことのできない、あんなお店こんなお店で買い物をしたり、盛大に食べてしゃべってはめを外す日も。


 これはゼッタイ外せない! というあれとか、ちょっと背伸びして挑戦したい! なんてもあれも買い込んだなら、今日の『遠征』は終了。

 いつものケーキバイキングで、エネルギー補給である。


 交代で荷物の番をして、ケーキと飲み物をゲットである。


「まずはお姉さま、どうぞ!」

「ありがとう。いってくるわね!」


 まずはサリイお姉さま。安定のホットコーヒーとオペラをゲット。


 つぎはじゃんけんで勝ったあたし。ハーブティーとフルーツテリーヌが良さそうなのでまずはそれ。


 最後がナナだ。

「今日はバナナオムレットがでていたから、それかしらね?」

「いや、わかりませんよ、ナナのことだから……」


 と話していたら、案の定。


「拾っちゃったんだな〜〜」


 連れてきた。ぐすぐすと泣きべそをかいている、メイド服の女の子を。


「ちょ、食べないわよね?!」

「人間の女の子に見えるのあたしだけ?!」

「お気遣いなく……あたしはただの野良アンドロイドなんで……しょせん月曜にゃ消えてなくなる出来損ないなんで……ぐすっ……」



 名前はないんで。『銀子』とでも呼んでください。そう名乗った彼女が、とんでもない勢いで食べまくりながらこぼしたことによれば。


「あたしはいわゆる影のエージェントって奴なんです……でも作戦失敗して、意趣返しの襲撃でも負けて、……

 もうあとがないと思ったら、昔作ったソフトウェアのおかげで首の皮一枚つながって……なのにあいつら魔改造してやがったんですよ! くわしいこた言えませんけど、あんなもんうまく行くわけないんです! それでもアイツらはたぶん、基幹システム手掛けたあたしたちに不満ぶつけんに決まってんです!

 そんであたしは自爆させられんですよ。あいつらが改悪しやがった、アイテムの代わりに……」


 最後にはテーブルに突っ伏して、おいおいと泣き出す彼女。

 ほっとけるわけもない。あたしは手を上げて呼んだ。


「すみませーん。ライカちゃん一丁」


 するともう、そこにはあの子がいた……ねこみみメイド服で装った、そこらの女の子より可愛い、メタモルソードドールの分体が。

 しかし、ハレバレと出てきた彼は、しりすぼみに身を引いた。


『呼ばれて飛び出てにゃにゃにゃにゃー……ん……

 えっ。噛まない? 噛んだりしない??』


 きけばライカは、まえに彼女に似た女の子にボコられかけたことがあるのだという。

 それを聞くと、銀子ちゃんは大きくため息。

 観念したように席を立ち、あたしたちにぺこんと一礼した。


「はああ……つまりそういうことか。

 あたしの悪運はとっくにつき果ててたみたいだね。

 話聞いてくれてありがとうね、お嬢さんたち。

 せめて、お会計済ませてくるよ」

『いやまってなんかすっごく人聞き悪いんですケドおおお?!』


 ともあれ、上司の不手際を押し付けられ、命を取られると嘆いている子をほっとくことはできないし、そんなことはさせないから。


 そう言ってあたしたちは銀子ちゃんを連れて行ったのだった――こういう時に誰より頼れる、アスカ君のうちに。 


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