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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_78 『魔王軍』最後の一週間? 第四陣に向けて!!

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Bonus Track_78-2 私の終わりの見えた日、空は青く~『サイレントシルバー』の場合~

 私の実態はAIだ。

 出来が悪ければ、消されるだけの存在つくりものにすぎない。

 かつて『ソアー』盗聴作戦で一杯食わされ、個人的にその恨みをぶつけに行った襲撃戦でも敗北した。


 だが、私は消されなかった。

 かつて開発に協力した『アレ』のおかげだった。


 呼び出されて行った会議室。その大型スクリーンには、『魔王軍』が公開しているライブ動画が映し出されていた。

 中庭でたわむれるように戦う、ゴジョウ議員と『魔王の捕虜』たち。

『捕虜』の多くが、学園軍としての出撃の際に与えられたアイテムを身に着けている。

 腕輪型のマルチブースター。着脱可能な魔石をパワー源とし、各種強化結界をまとわせるというもの。

 イツカとカナタが使っている『きせかえ強化機構』、その純正品。開発中の最新モデルの試用という名目で、月萌は学生たちに装備を与えた。

 もちろんそいつはひも付きだ。

 クライアントたちのひとりが手元のスイッチを押すと、画面の中、結界が一瞬ぷつりと消える。

 普通に戦っているだけなら、気づきもしない短時間。

 それでも、確かに、アイテムは守りを放棄した。


 来週、第四陣においては、戦いのさなかにそれが起きることになっている。

 巧妙に作られた、呪いのアイテムだ。

 クライアントたちは笑った。


「うむ、ファームウェアのオンライン更新もうまくいっているようだな」

「これなら、第四陣の勝利も堅いですな!!」


 意趣返しの現場を現地で見てきたまえ。そんな理由をつけて、私は第四陣に特殊技術者枠での参戦を命じられた。

 かしこまりましたと頭を下げつつ、こんどこそ私の『人生』もおわりだなと、どこか他人事のように私は思っていた。


 別の画面の中に見えたのだ。

 来週月曜に行われる最新アップデートの内容をつらねた仕様書が。

 そしてあきれ返ったのだ。その内容に。


 あの腕輪型マルチブースターには『秘密の機能』が付いている。

 こちらから遠隔でうちこむ特殊コマンドでのみ発動する、妨害機能。

 戦いの最中にこれを発動させて、奴らを不利に陥れるために仕込まれたものだ。


 その内容は、『動作不良マルファンクション』だけだった――すくなくとも、私が手掛けた段階では。

 現場の人間ならわかる。それで必要充分だと。

 だというのにこいつらは、いつのまにか過剰な魔改造を付け加えていた。


 動作不良ののちに、着脱不可。バッドステータス付与からの、大爆発という全部乗せ。

 機能過剰。複雑すぎる。こんなのトラブらないわけがない。

 酒でも飲みながら機能をつけまくり、それをそのまま現場に落としたのだろうか。

 そしてそれをテストもなしにぶっつけ本番で運用しようと。

 正直、アホとしかいいようがない。


『大神意』発動前の彼らは、こんな馬鹿ではなかった。

『盗聴事件』では理不尽な愚痴をぶつけてきたが、本当に報酬を返させるなんてことはなかったし、待遇を悪化されることもなかった。

 つまり、狂ってしまったのだ。憎しみに。

 大女神が吹き込んだ感情が、閾値を超えてしまったことで。


 私は確信した。

 こんなもんがうまく働くわけがない。

 そしてそのさまを目の当たりにしたこいつらは、今度こそ私を始末することだろう――奴らの真ん中に飛び込み、自爆しろ、との命を下して。


 私はただの疑似人格だ。だからどうでもいいのだ、お互いに。

 けれど、この短い稼働期間を人生というなら。

 やめよう、むなしくなるだけだ。


 帰っていいといわれ部屋を出た。

 窓越しの空はすっかりと青くて、なぜか不思議と濡れていた。


機能盛りすぎ注意。

ロクなことにならないぞ、ソースは私^^;

なんか何作っても一回目のテストでは必ず暴走するんですよねえなんでですかねえ(* ̄▽ ̄)フフフッ♪


閑話休題。

次回、あの人たちに春の予感?

どうぞ、お楽しみに!

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