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<ウサうさネコかみ>もふけも装備のおれたちは妹たちを助けるためにVR学園闘技場で成り上がります!~ティアブラ・オンライン~  作者: 日向 るきあ
Stage_77 新たな仲間と新たな敵と? VS『ダンサーズ』な第三陣!

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77-9 新型ツリーアーマーと轟音の決着!

 そのときだ。月萌側本陣を飛び交っていたモモンガ型光弾が、すっかり一つに合体しきった。

 上空にもふもふしく君臨するは、光り輝く超巨大モモンガ。

 触り心地はもっふりふわふわながら、甚大なプレスダメージをくれるそいつは、本陣全体を押しつぶすように落ちてきた。

 モモカさんの覚醒必殺技、そのクライマックスである。


 対抗する再現版『セント・フローラ・アーク』はというと、明滅しつつも持続している。

 おかげで月萌本陣はダメージゼロ。圧倒的もっふもふを堪能してもらうだけの結果に終わった。

 それでも、役割は充分に果たしてくれた。あとは、おれでもなんとかできる。

 上空のモモカさんに向けそっと親指を立てて見せれば、ミツルからの通信が入る。


『モモカさんBP切れ。俺が下がらせる。支援、少し待ってて』


 バックにちょっとだけ、だいじょうぶ、ポーション飲んだら自分で行けるから、という声が入ったが、ミツルは譲る気はないようだ。モモカさんをしっかり優しく抱えて基地へと飛ぶ。


「うわあんりあじゅーばくはつしろおおお!!」


 (セント・)(フローラ)(・アーク)の管理で精神をすり減らしたコウの叫びが響く。残念なことにこのワザは、この手のダメージを防いではくれないようだ。

 それでも、消えかけていた花の結界には、優しいかがやきがふわりとかぶさってきた。

 きっと、いや間違いない。SFAを託したハナナさんとルイさんから送られた、祈り(エール)だ。

 その仕掛けを作った張本人アスカは当然それを把握している。にんまりとまぜっかえした。


『はあーあ。あっちもこっちもりあじゅーばっかでやけちゃうな~?』


 よしよし、ならばおれものっていこうじゃないか。

 気楽な笑顔と、軽い口調で言ってやる。


「なにいってんのアスカだって充分リア充じゃん?

 いっちばん頼れるパートナーがいっつも一緒でさ!」

『……!!』

『カナぴょーん! なにほんとのこと言っちゃうのそんな大声でっ!

 ったくもう照れるじゃんもうはずかしいっ』

『おいっアスカッ』


 アスカ、照れるそぶりでひとっことも否定してない。もはや開き直ったらしい。

 ハヤトが赤くなって突っ込んだ。ほほえましくも貴重なショットだ。

 一方でイツカが思惑通りぶーたれる。


「えー?! 俺たよれねーのカナタ~?!」

「ほほー? 頼れるところみせてくれるー?」

「何すりゃいーんだよぅ……」

「うん、ハヤトに勝って?

 で、もしその間に本陣がしかけてくるようならそっちもストラーダでよろしく☆」

「まじかあああ!! いややるけどさぁ!!」


 イツカがニャーニャー叫べば、月萌本陣の何人かがぎくっと身を引く。よしよし、これで本陣への牽制はオッケーだ。


『しゃーないなー。みんな、攻撃はいーよ~。『ゴーちゃん』への支援だけお願い。

 イツにゃんにはハーちゃんと集中してやってもらいたいからね!

 つーわけで回復したけりゃしていいよんカナぴょん☆』


 ぶっちゃけると、月萌側にとってもこれは望ましい展開なのだろう。

 おれとイツカが勝負にかまけ、『ゴーちゃん』が基地にダメージを与えれば、おれたちの手は修復にとられ、第四陣の勝利がスムーズになるのだ。

 かまわない。ならば、くらいついて食い尽くすまで!


「イツカ!」

「っしゃ!」


 おれは最新型ミルクポーションの大瓶を投げ渡す。イツカはノールックで受け取るとうまそうに半分まで一気飲み。そして。


「あっ。

 なーハヤトもこれ飲む? ミルクポーション最新型! うんまいんだぜ!」

『っ……遠慮しておく』


 そのピーカン笑顔にハヤトがぐらっとした。アスカが肘鉄をくらわす。なにこの構図。通常運転か。ぶれなさすぎる。後方で弱冠一名の尼僧服スナイパーが『で、でしたらぜひともわたくしめにっ……』なんてつぶやいてんのがなんでかきこえた。うん、ここは聞かなかったことにしておく。


「それじゃあさ。せっかくだからもう一度、居合で勝負しない?

 ハヤトもやりたいでしょ、見てるだけじゃなく」

『おう!』


 即答が返ってきた。

 いつも楽しくじゃれていた二人だ。それがここまですっかりお預け。ハヤトのがまんもほぼ限界だったのだろう。


 もちろん、わかっている。

 いまのハヤトとイツカで居合勝負をしたら、どちらが勝利を収めるのかは。

 おれも、イツカも、アスカも。そして、ハヤト自身もだ。


 それでも、万に一つはいつだってある。

 いや、もしもそれがなくても、挑みたい。

 そんな、純度百パーセントの闘志にこたえたい。

 それぐらいの酔狂は、許されていいはずだ――


 こうしている間にも、ミツルが復帰。ソラの水の巨鳥を主力として、『ゴーちゃん』への攻撃が勢いづいている。

 神獣フル稼働でがんばったクレハとチナツはダウンしてしまったが、フユキとルーファスはコトハさんの『スイート・ミルキィ・レイン』で活力を取り戻し、アウレアさんのアシストのもと果敢に必殺技を飛ばしている。

 さらにいうなら、シオンとソーヤはノーダメだ。

 基地への攻撃は、できても一発。そこで『ゴーちゃん』は、沈むことになる。

『ナナユキ!』も『トーラス』ももうふらふらで戦力にはならないし、カルテットとかれらの展開するSFCも、イツカの攻撃をもらえば耐えきれないだろう。


 ――すなわち第三陣、魔王軍勝利の足音は、もうかき消せないほどはっきりと、この戦場に響いているのだ。


 それよりなにより、おれたちは、『ちょうかっちょいいボスキャラ』なのだから。



 アスカとハヤトが、月萌本陣の守りの前に出る。

 おれたちも、そのまえに進み、相対する。


「タイミングは?」

「任せるよ」

「強化は?」

「もちろんフルで!」


 そんなやりとりののち、それは始まった。



 アスカとおれ。ともにプラチナムーンのおれたちは、同時に力を開放。強化の陣を高速展開した。

 地表に咲いた錬成陣が、二重、三重に重なり合う。たがいに触れた部分から、お互いを侵食し、あるいは溶け合う。

 そのチカラを受けてふたりの剣士は、もはや闘気のカタマリそのものといっていいほどの輝きに満ちる。


「バリアはっとく?」

「そうしよう。さすがにちょっとやりすぎたかも」

「だねー」


 アスカがてへぺろを決める。それでも、この場に満ち満ちた緊張感は一ミリも揺らがない。


「それじゃ、いこう。

 3、2、1……」


 GO、の響きが消えた時には、ハヤトは地に伏し。

 けれどイツカも、追うようにひざをついていた。


 ふたりのためのバリアが消えた。と同時に、月萌本陣前衛五人がそろって突撃を開始。

 アスカはハヤトを回収して大跳躍。おれはだまってイツカをかばい立つ!


 うっかりおれに斬りつけてしまった剣二本が、粉々になって飛び散った。

 正確には、おれのまとったツリーアーマーにだけれど。

 さすがに、同じ属性の覚醒技をもつダイトにはこれでわかったようだ。警戒の叫び声をあげた。


「だめだ! カナタにさわるな! 超音波まとってるっ!!」

「正解。ここは音に満ちてるからね。

『音』の幻想植物を極限までち密に編み合わせてつくったんだ。

 ほかのやつより消耗でかいってかぶっちゃけ半端ないけど、……無双くらいなら、できるかなって!」


 にっこり笑って一歩を踏み出したそのとき、背後でひときわすさまじい轟音が響き渡った。

『ゴーちゃん』が基地外壁をぶん殴った音だ。

 うさ耳の感度は下げざるを得なかったけれど、そのどでかい音は、おれの新型ツリーアーマーの素材になってくれる。するすると編み込めば、一気に視点があがった。

 そうして一歩を踏み出せば、誰かが叫んだ。


「おい待てやめろ! サイレント! サイレント投げろはやく!」

「ていうかゴーちゃんとめてええ!!」

「バカ叫ぶなあ!!」


 実際のところ、おれもいまグロッキーなのだ。

 しかしそれはおくびにも出さず、恐慌に陥りかけた月萌本陣に告げる。


「このまま帰ってくれるなら、ここで止まります。

 けれどそうじゃないなら、……」


 名前未定のツリーアーマーの腕を地に触れれば、たちまちその場は砂と砕ける。

 くしくもそのとき、重い重い、重い巨体が倒れる音がして。


「勧告に応じるよ。月萌軍第三陣は、これにて撤退する」


 軍師アスカの敗北宣言。第三陣は、おれたちの勝利に終わった。


ホンネいうと分けたかったっす。

まだまだ未熟でございます。


次回、新章突入!

バトル後処理と、たのしい上映会の予定です!

どうぞ、お楽しみに!

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